50年前の音楽 | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

 

 

今日から6月。

50年前の今日、1967年6月1日、ザ・ビートルズの名盤
SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
がリリースされました。

50周年記念盤が5月26日にリリースされました。

先週土曜日、5月27日のNHK朝のニュースでも
このアルバムの話題が取り上げられていましたね。

余談、ほんとうは6月1日にリリースしたかったでしょうけれど、
「新譜リリース金曜日ルール」はビートルズとて例外ではないようで、
かといって1日後の明日6月2日では1日に聴くことができない。

50年、半世紀。
僕はこのアルバムをずっと聴き続けており、
ビートルズの中でもよく聴く方だから余計に
古臭いとは感じないんだけど、冷静に考えると
50年前ってとても古い昔のことですよね。

僕がSGT.を初めて聴いたのは1982年1月だったから、
リリースされて15年目ということになりますね。
当時中2だった僕は、15年前でも古いと感じていました。
ましてや当時は音楽なんて流行りで一時のものという考えが
一般的だったから、たといビートルズでも15年も前のこと、と。
もっとも僕は、15年の重みを感じながら聴いてはいました。
音楽は流行りものかもしれないけれど、ビートルズは違う、
という思いも抱いていました。
10年ほどが経って世の中はそういう方に傾いたのですが。
もちろんビートルズのみならずロック音楽のアート性が認められ、
多くの人がその思いを共有するようになった。

だけど、今の若い人、二十歳前の人はどう感じるのだろう。
やっぱり50年前の音楽は古いと感じるのかな。

僕自身のことを考えてみると、中2の時の50年前って、
1932年ですよ。
戦前だし、SPレコードの時代、まだ今僕たちが見ている
レコードすらなかった時代。

その時のヒット曲って?
思い浮ばない。
ルイ・アームストロング、グレン・ミラー、
ベニー・グッドマンそれにジャンゴ・ラインハルトは
もう活躍していた時代だったはず、くらいしか分からない。
(今はネットで調べると分かるでしょうけれど)。
中2の僕がその頃の音楽を聴くなんて、
まったく想像すらできなかった。

時代が変わったのはLPレコードが出来てからでしょうね。
調べるとそれは1948年のことでした。
ビルボード誌がヒットチャートを初めて発表したのが
1940年ということで、1932年というとまだ、現在の概念でいう
ヒット曲というものが世の中になかったのかも。

 

そしてもちろんというか、1950年代にロックミュージックが
「発明」され普及してからは、人々が聴く音楽つまり
ポピュラー音楽の中身も大きく変わった。
音楽自体は、1967年と2017年の50年の方が、
1967年と1947年の20年よりも隔たりが小さいことは、
CDなどで音楽を聴けば分かると思います。

レコードが売れ、音が残され、さらにCDと引き継がれて
音楽を聴く人が増えたことにより、古い音楽が聴き継がれる。
いつもいいますが、CDが広まった1990年前後の頃は、
30年前の音楽もCDを通した「新しい音楽」として
人々に受け入れられていた頃でしたから。

今の若い人は、僕の若い頃よりも、
多くの音楽に囲まれて育ってきたことでしょう。
もしかすると、時代の古い新しいが、僕の若い頃よりは
あまり大きな意味を持っていないかもしれない。

だから、僕の50年前と今の若い人の50年前は違う。
世の中の方が変わり、人々の感じ方も変わった。

SGT. PEPPER'S LONELY HEART CLUB BAND
僕がビートルズでいちばん気軽に聴けるアルバムであり、
だから聴いてきた回数も多いですね。

でも、今でも色あせないというのはどうだろう。
ずっと聴いてきている人間の言ってみればエゴみたいなもので、
若い人にはやっぱり古さが感じられるのではないかな。
僕だって15年後から聴き始めたので偉そうなこと言えないけれど。

そんなことを今日はうだうだと考えていました。

50周年記念盤は一応買いましたが、
他のものと一緒にネット注文したので、
今日時点でまだ家に届いていません。

以前なら絶対に発売日に欲しいと思ったものですけどね。

ということで今日はひっそりと終わります。