Missing You ジョン・ウェイト | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20141005JohnWaite

 ◎Missing You
 ▼ミッシング・ユー
 ☆John Waite
 ★ジョン・ウェイト
 released in 1984 from the album NO BRAKES
 2014/10/5

 ジョン・ウェイトのソロとしては唯一のNo.1ヒット曲。

 今回はひとまずNFLとは関係ありません、悪しからず・・・いやむしろよかったかな・・・

 最近は昔のビデオクリップを流すMTV番組を録画して観ているといつも話していますが、これももちろんそこで久しぶりに観て聴いた曲。

 大好きですね、今でも。

 先日の記事で、スターシップの曲を、昔はあんなに好きだったのに今はつまらなく感じたと書きましたが、これはまったくそういうこともなく、観ている時についつい歌いだし、爾来、毎日何度かは「あっえぃんみっすぃんぐゆぅぇお~る」と口ずさんでいます。

 純粋に歌メロがいいですからね。
 ちょっと崩して歌っているけれど、この曲では気にならないし、むしろそう歌いたくなる。

 ところが、この曲のレコード(音源という意味)を買ったのは、今回が初めてのはず。
 当時はドーナツ盤もLPも買わなかったし、CDの時代になっても彼のものはベスト盤すら買ったことがない。

 今回ついに、30年振りになるのか、この曲が入ったNO BRAKESと次作MASK OF SMILESが2in1になったBGOレーベルのCDが安かったので買いました。
 10代の頃に買わなかったけれど今は買って聴いてみたいというアーティストやアルバムってありますよね、それです。

 ヒットした10代の頃にLPを買わなかったのは、音楽聴きとしての「勘」ですね。
 
 なんとなく、この曲を聴いた上で、アルバム通して聴くのはきついかな、と感じましたが、そういうこともきっとどなたでもあるのではないかと思います。

 シングルカットする曲はアルバムを代表しているわけだから、1曲だけ聴いてそう感じるのはいわば当然。
 と思う反面、このように大好きになったのに買うまでには至らなかったのはなぜだろう。

 当時の僕はヒットチャートを自分なりに分析して聴いていました。
 
 ジョン・ウェイトの場合、シングルがNo.1ヒットになった割に、アルバムのチャートアクションがいまひとつだったのを見て、アルバムとしてはどうなのだろうと思い悩み、お小遣いも限られていた中、冒険することができず、そのうち他の曲に気持ちが移って行ったのでしょう。

 と思って今調べると、NO...は最高位10位、Top10ヒットというくくりに入るわけで、少なくともいまひとつではないですね。
 多分、当時の僕は、1位になるような曲があるのだから、最低でも5位には入るものだという考えだったのでしょうね。

 かくなる僕は、スティーヴ・ミラー・バンドで一度失敗していましたからね。
 ビートルズ以外の洋楽を聴き始めた中3の頃。 
 Abracadabraが大好きになり、すぐにアルバムを買うと、ううん、中学生が喜んで聴くには大人すぎるぞ、と・・・
 失敗すると、お小遣いが少ないだけに、かなりショックでしたね、当時は。
 なお、スティーヴ・ミラーのそのアルバムは今は大好きです。
 懐かしさも手伝って、という感はありますが、やっぱり大人が聴く音楽だったようです。
 
 それと、お金を出して買って失敗したというのは、今につながる糧でもありますから。

 30年振りにアルバムを聴いた感想。

 やっぱり、高校生の頃にこれはちょっときつかっただろうなあ、と。
 
 今聴くと、それなりにいいなとは思いました、先ずはそれを書いておきます。

 若い頃は強い刺激を求めていたわけで、だからヒットチャートに引かれるのだし、移り気で次々と別の刺激を求めて音楽を聴いていました。

 このアルバムは、うん、歌メロがつかみにくい曲が多いですね。
 ヴォーカルの雰囲気で聴かせるというタイプの音楽ではないかと。
 Missing Youだってその枠から外れているわけではなく、ただ、この曲だけ何かがよくてすっと胸に入ってくるいい歌メロを持った曲になっただけ、ともとれるし。

 大人になると、刺激がそれほど強くない曲を掴むのがうまくなるのでしょうね。

 ただ、NO...の1曲目、Saturday Nightは演奏がソフトなスラッシュメタルのような響きで、おおっこれは、と心を動かされました。
 この人はこんなこともやっていたんだ、やはりパンクの後の人だな、と。
 でも、そういうのはその1曲だけでした。
 
 10代の頃の「勘」は当たっていたようです。

 このCDは、そんな若い頃のことを思い出させてくれました。
  
 ただもちろん、10代の頃の「勘」が外れて、大人になって初めて買って聴いたところ「意外と」よかったというアルバムもたくさんありますが、それはまた別の機会にでも。



 ところで、MASK...の1曲目ということになるこのCDの10曲目Every Step Of The Wayを覚えていました。
 当時何度かテレビやラジオで聴いただけだったはずなのに、やはり10代の頃は音楽記憶力が悪い僕でもそれなりに覚えていたものなのだな、と。
 確か、あの大ヒットMissing Youのジョン・ウェイトの待望の新作として割と大きく扱われていたと記憶していますが、残念ながらスマッシュヒットで終わりました。

 後年、ジョン・ウェイトという人は「一発屋」で終わってしまったのかな、と思い始めたところで、ジャーニーを休止していたニール・ショーンとジョナサン・ケインと組んてバッド・イングリッシュを結成。
 1989年にWhen I See You Smileが見事No.1に輝きました。
 確か日本でもヒットしたのではなかったかな、CMでも使われたし。

 僕は最初知らなくて、ラジオでその曲を聴いて、この声はもしやジョン・ウェイトと。
 そうだと分かると、なんとなくほっとした、彼が「一発屋」で終わらなくてよかったと思った、そんな記憶があります。

 When I See You Smileは僕も密かに大好きなのですが、それはまたの機会に。

 余談というか、MASK...ではマーヴィン・ゲイで有名なAin't That Peculiarをいかにもロックっぽく歌っているのは、ご愛嬌といったところか。
 スモーキー・ロビンソンが作曲に携わっています。
 それからもうひとつ今思いました。

 Missing Youが収録されたアルバムはNO BRAKES。
 「ブレーキが効かない」つまり無鉄砲という意味でしょうけど、もうひとつ、"break"と読むと「ブレイクしない」という意味にもなります。
 そんなアルバムの曲が大ヒットして「ブレイク」したのは面白いですね。
 もしかして、「ブレイク」できなかったことを自嘲気味に表したのかも、と勘繰ってしまいました。



 Missing Youの個人的な思いで話をひとつ、ふたつ。

 当BLOGに時々出てくる、ロッド・スチュワート好きが共通で仲良くなった大学時代の友だちSもこの曲が大好きで、よく口ずさんでいました。
 Sは、サビに入る前のタイトルが出てくる部分を、"I am missing you at all"と歌っていたのを聞いた僕は、「そこは"I ain't missing you"だよ」と突っ込みました。
 Sは頑固な奴で、いや違う"I am"でいいんだ、俺はずっとそう歌ってきた、と突っぱねました。
 僕は、いや"I ain't"にすることで強がっているんだよと説明したところ、意外にもSはすぐに納得してくれました。

 頑固でよく言い合いをしていたけれど、素直な面もあり、その辺は扱いやすい友だちでした(笑)。
 Sは今、どうしているのかなあ。

 
 そしてもうひとつはビデオクリップ。
 
 冒頭でいきなり目立つところにホンダ・アコードが写っているのが、当時のクラスの音楽談義で盛り上がりました。
 
 当時、日本車がアメリカで売れているらしいという話を、文字や言葉による情報としては知っていましたが、それは本当なのだろうかとまだ疑う部分がありました。
 それが、このようにニュースではなく何気ない映像で見ることにより、ほんとうなんだと分かりました。
 そして、日本人としてはうれしくもなりました。

 車の問題は後に日米貿易摩擦に発展するのですが、このビデオクリップは、そんな時代の象徴として観ることもできますね。


 
 と、今回もまた、「1980年代の渦」から抜け出すことができませんでした(笑)。