Livin' La Vida Loca リッキー・マーティン | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20140825RickyMartin

 ◎Livin' La Vida Loca
 ▼リヴィン・ラ・ヴィーダ・ロカ
 ☆Ricky Martin
 ★リッキー・マーティン
 released in 1999
 2014/8/25

 リッキー・マーティンのあの有名な曲。
 日本では郷ひろみの最近の代名詞的1曲にもなってますね。

 この曲は先日、例のMTV番組で流れていましたが、ビデオクリップを観るのは初めてでした。
 曲が始まる前のシーン、車がスピンして消火栓にぶつかって消火栓が飛んで水が出るシーンは、どうやって撮影したんだろうと、僕はそこから引き込まれました。
 曲が始まるとよく知った曲で、へえ、こういうクリップだったんだと。
 全体的に夜のねっとりした空気を感じられる映像ですね。

 なぜ僕がこれを取り上げるのか。
 ご存知の方は「なんだ・・・」で終わると思いますが、僕はその時にそのことを知って、本当に声を挙げて驚いたのです。

 この曲はデズモンド・チャイルド作曲だったのかっ!!!

 デズモンド・チャイルドといえばまさに僕の世代に
 ♪ しゃっとするぅざはぁぁと ぁぇんどゆぅわぁとぅぶれぃむ
 ♪ たみぃゆぅすとぅわ~くぉんざどぁぁぁっく
 クイズじゃないですが、ボン・ジョヴィのYou Give Love A Bad NameとLivin' On A Prayerをメンバーと共作し、No.1に送り込んだロック系ソングライター。
 ボン・ジョヴィとはその次のBad Medecineをはじめ、今でも一緒に仕事を続けていますね。
 
 他、エアロスミスのDude、Angel、What It Takes、Crazyなど。

 そして僕は後追いだったけど、彼の最初のヒット曲が
 ♪ ふぅ~うっ~ふぅ~ふっ ふぅ~ううぅ~う~うっ
 あ、もう歌わなくていいですね・・・キッスのI Was Made For Loving You。

 と、HR/HM系でヒット曲を連発した人。

 今回調べて、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツのI Hate Myself For Loving YouもDCの曲だったんだ(共作)、知らなかった、あれは古い曲のカヴァーだとずっと思っていた。

 ボン・ジョヴィが大ブレイクした頃、デズモンド・チャイルドはこんなことを評論家筋から言われていました。 
 「ロックのなんたるかがよく分かっていない作曲家」

 その評に引っ張られているわけではないと自分では思う、それより前から感じていたことだから、デズモンド・チャイルドの曲は、「いい曲」と言い切るのがなんだか微妙に恥ずかしい、そんな気が僕はしています。

 例えば、ローリング・ストーンズのWaiting On A Friendは(もちろんグリマー・ツインズ作曲)、多少のあざとさも込みのストーンズらしさとして、ほんとうにいい曲だなあ、大好きだあ、と僕は心の底からしみじみ思う。

 でもこれが、まあ何でもいいけれど、上記DCの曲の場合は、「いい曲」という概念が少しずれているのを感じるし、その曲を大好きだと言うのは照れ笑いが混じる、という具合。
 
 「いい曲を書く」というよりは、「売れる曲を書くコツ」を心得ている人なのでしょうね。
 多分、超望遠800mmレンズを買った次の日にまともにカワセミが撮影できるような類の能力を持っている人なのではないかと。
 ちなみにどうでもいい余談で、800mmレンズは軽自動車が余裕で買えるくらいします・・・

 しかし一方で、僕はヒット曲で育ったので、そんな曲を書く人を否定はできない。
 だって、好きは好きですよ、Livin' On A Prayerは今でもよく口ずさんでいるし。

 このLivin' La Vida Locaも素直にいい曲だと思うし、熱くなる部分はあるし、引っぱたかれるような感覚にさえなります。
 特に、サビの"Outside inside out"の部分で拍が変わるのにははっとさせられます、憎いくらいに上手い、と。

 でもこの曲は、リッキー・マーティンには特に思い入れも何もないしこれ以外は知らないせいか、口ずさむのは微妙に恥ずかしいですね。
 まさか郷ひろみヴァージョンを口ずさむわけにもゆかないし・・・

 じゃあなぜCDを持っているのかというと、ブックオフで105円であったので、試しに買ってみたのでした・・・

 それはともかく、劇的な曲を書く人ではありますが、それが人により好き嫌いが分かれるのかもしれない。

 そして、ヒット狙いの曲を書く「プロ」の人がいたっていいじゃないか、と思う部分は僕にもありますね。
 その方が楽しいし。

 「プロ」と書いたのは、彼は一応シンガーソングライター上がりで、自らもバンドをやっていたし、音楽教育を受けたわけではない人だから。
 そうか、ロックの何たる云々と言われたのは、曲にそつがなさすぎるのかもしれない。
 逆にいえば、最初から「プロ」の作曲家に向いていた人なのでしょう。

 デズモンド・チャイルドを代表する1曲を挙げろと言われれば、僕がは迷わずこう答えます。
 Livin' On A Prayer
 日本ではきっとそうだったのではないかと。

 でも、もしかして、今は、そして今後日本ではそれが、Livin' La Vida Locaと言われるようになるのかもしれない。
 なんせ、日本人が日本語の歌詞をつけて大ヒットさせましたからね。
 デズモンド・チャイルドやボン・ジョヴィを知らないおじいさんおばあさんや逆に若い人も、この曲なら知ってる、という人はかなりいらっしゃるのではないかと。

 ヒットしてなんぼの世界だから、デスモンド・チャイルドは勝者なのでしょうね。
 繰り返し、そういう人がいてもいいと僕は思います。
 

 とまあ、この話はこれ以上展開しないで終わります、悪しからずご了承ください。

 
 でも最後にどうでもいい余談。
 昔はデスモンド・チャイルドと表記され呼ばれていたので、僕と弟はよく「デスチャ」と言っていました。
 ところが後に、ビヨンセがいた女性コーラスグループのデスティニーズ・チャイルドが出てきたがために、「デスチャ」の称号はいつしかそちらに移りましたとさ。