◎LIVE AT SHEA STADIUM The Concert
▲ライヴ・アット・シェイ・スタジアム
☆Billy Joel
★ビリージョエル
released in 2011
CD-0026 2011/04/21
ビリー・ジョエルの今年3月にリリースされた通算5枚目のライヴアルバム、録音は2008年。
ビリー・ジョエルは僕が中学時代にビートルズの後に洋楽全般を聴き始めて最初に大好きになった人です。
当時は洋楽アーティストとしては1、2を争う人気者だったから、流れとして当然という感もあります。
The Stranger、My Life、Honesty、You May Be Rightなどは小さい頃からCMやラジオ等で耳にしていたようで、LPを買って自分の意志で初めて聴いた時に「ああ、これはこの人のこういうタイトルの曲だったんだ」と頭の中でつながったのが楽しかった。
ビリー・ジョエルはなんといっても歌として素晴らしい曲が多いところに引かれますね。
僕がまだ10代で頭が柔らかい頃に覚えた歌が多いので、今でも流れてくると自然と口ずさみます。
口ずさむ曲が多いという点では僕の中でもビートルズ、ポール・マッカートニー、ジョン・レノンの次に大きな位置を占める特に重要な人です。
曲の数ならジョンより多いですね、ジョンはソロ活動が短かったから。
人間の記憶は面白いなと思うのが、若い頃に覚えた歌は、聴いていて歌詞が思い出せなくても歌っていると自然と歌詞が口をついて出てくることですね。
僕の経験では、大学卒業以降の曲についてはこういうことはめったに起こらない、そこもまた興味深い。
ビリー・ジョエルのコンサートには3回行きましたが、一度は大学時代、あとの2回は近年のレコーディングアーティストとしては「引退」してからでした。
2006年にはなんと札幌ドームに来てくれたのでもちろん行きました。
客席の入りが半分くらいで寂しかった・・・でもそんなことはどうでもいいとっても感動した。
My Lifeで涙を流し、An Innocent Manではまだ声がよく出ているなと感激し、River Of Dreamsが意外と受けて驚き、ビリーで2番目に好きなI Go To Extremesを演奏するとは思っていなかったのでもう言葉を失いました(歌っていたけど)。
ビリーがファイターズの帽子を被って出てきてくれて、サービス精神旺盛、その心遣いがまたうれしかった。
もう一度は2008年東京ドームのたった一度の来日公演。
基本的に札幌ドームと同じ構成で数曲が違うだけ、思い出を追体験できたようでうれしかった。
札幌にも来た年のツアーで札幌では演奏しなかった2曲AC/DCのHighway To HellとDon't Ask Me Whyも聴けて欠けていたピースが埋まり、ビリー自身が嫌いなのだと思っていたPressureを演奏して驚いた。
このライヴ盤は「シェイ・スタジアム」が閉鎖されるに当たって最後に催された音楽コンサートの模様を収めたもので、2008年7月16日と18日の公演からよい演奏を集めているようです。
ゲストも豊富で多彩、そのゲストには曲目紹介で触れます。
DVD付きを買いましたが、DVDだけに収録されているのがスティーヴン・タイラー、ロジャー・ダルトリーとジョン・メレンキャンプ。
しかしここはCDがテーマのBLOGなのでそれらには触れません。
シェイ・スタジアムといえばやっぱりロック人間にはビートルズ伝説の公演でしょうね。
ビリーのこのライヴにはポール・マッカートニーが参加しているのがファンとしてはうれしいし、ライヴ盤としては意味や価値が増しますね。
もちろんビリー自身もうれしかったに違いない。
CDの裏トレイの紙には(シェイの時代は)「ビートルズが扉を開けビリー・ジョエルが閉めた」と記されています。
ポールだけ先に触れると、1曲目のI Saw Her Standing Thereは僕が好きなビートルズの10曲のひとつなのでとりわけうれしいです。
曲のイントロが始まってビリーがポールを紹介した時の拍手が異様に大きく、ほんとうに大きかったのでしょうけど、もしかしてビートルズのコンサートを意識してわざと大きくミックスしたんじゃないかって疑うくらい(笑)。
もう1曲は18日のアンコールのLet It Be、もう何も言うことが浮かばない。
でもふと思ったのは、DVDにだけ入っている上記3人はそれぞれビリーではなく各自の代表曲を歌っているのですが、ポールだけCDにも入っているのはやはりこのコンサートの意味を考えてのものかな。
ポールがわがままなだけ・・・(笑)・・・
ともあれこの2曲はもう涙ものにうれしい。
ポール登場への伏線というか、ビリーはその前にメドレーの中でA Hard Day's Nightも歌っています。
僕がビートルズを聴き始めた頃は「シェア」と表記されていましたが、今では、日本でMLBが普通に見られるようになったからかな、より原語の発音に近い「シェイ」になっていますね。
僕は暫くの間MLBのニュースで見聞きする「シェイ」には逆に違和感がありました。
でも、だったら「スタジアム」はどうなんだろうて思ったり・・・
僕は、実際のコンサートは別だけど、レコードとして聴くライヴ盤ではなるべくオリジナルアルバムと同じに演奏してもらいたいという人間です。
ビリー・ジョエルは、フェイクヴォーカルなど細かい部分と一部キィを変えている曲を除けばほとんどレコードと同じに演奏してくれるのがうれしいしありがたいし安心して聴けます。
でも実は僕、これを買ってひと月以上聴いていなかったんです。
なぜか分からないんだけど、何か気持ちが壊れてしまいそうな気がしていました。
でも意を決して聴くともちろんそんなことはなく純粋に楽しめた、よかった(笑)。
このCDはコンサートの思い出の完結編というか、形として残してくれた贈り物のように感じています。
だから僕にとっては、暫くは聴くけど頻繁に聴くものではないのかもしれない、時々、思いを込めて聴くような。
大切なCDには違いないですね。
また来日しないかな。
もうスタジオアルバムは作らないのかな。
このライヴ盤がCOLUMBIAから(/LEACYだけど)出ていてまだ契約が続いているのはほっとしましたが、ということは、スタジオアルバムへの期待も高まってしまう・・・
ファンの悲しい性ですね(笑)。
◎このCDこの7曲
Disc1
Tr2:My Life
=イントロでビリーがピアノで「アルプス一万尺」を奏でているけどそういえば日本では「さくらさくら」だったっけ。
Tr5:Zanzibar
=札幌ドーム公演に行った友だちとこの曲を演奏しないかなと話していたらほんとにやってくれてうれしかった。今やコンサートの定番として演奏されているんだな。
Tr6:New York State Of Mind
=ゲストはトニー・ベネット、僕はUNPLUGGEDを聴いたことがあるだけ・・・
Tr10:Goodnight Saigon
=この曲の重たさはヘヴィメタルより重い。
Tr12:Shameless
=ガース・ブルックスのこの曲のカバーをラジオでたまたま聴いて「この人はビリーよりこの曲に合っている」と思いました。だから彼がここに参加しているのはうれしい、そしてそれがアメリカなのでしょうね。
Tr13:This Is The Time
=これは隠れた名曲だとずっと思ってきたのでここで取り上げられてうれしい。ゲストはジョン・メイヤーで僕より若い人だからこの選曲も納得。都会的な響きのギターを奏でているのが彼かな。
Disc2
Tr10:Piano Man
=やっぱりこの曲は会場みんなで歌うと感動的だな。
※あれ、It's Still Rock And Roll To Meがないぞ・・・