WASTING LIGHT フー・ファイターズ | 自然と音楽の森

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自然と音楽の森:CD1日1枚-Aril22FooFighters

◎WASTING LIGHT

▲ウェイスティング・ライト

☆Foo Fighters

★フー・ファイターズ

released in 2011

CD-0027 2011/04/22


 フー・ファイターズ4年振りの新譜、7枚目のアルバム。


 今回は新譜さらっとインプレッションです。

 といいつつ最初なのでこのバンドに対して僕が思ってきたことをまとめるというかたちになるでしょう。

 

 フー・ファイターズはニルヴァーナを聴いていた関係で1枚目からすぐに聴き始めました。

 よくよく考えるともう15年以上の付き合いなんだ。

 僕はドラムスは誰のどこがどうという技量的なものはよくわからない、あくまでも感じで話していますが、デイヴ・グロールのドラムスはなんだか凄いと思っていたので、彼がドラムスをやらないのはなんだかちょっともったいないと思いながら新しいバンドに気持ちが移行してゆきました。


 最近は僕も若い人とロックの話をしていないので、それは現実生活でもネットでも、だから今の若い人にどんなロックが人気があるのかよく分かりません。

 R.E.M.はもう古い人なんだろうなぁ。

 若い人と話をする機会がないわけではないんだけど、僕が知り合いになる若い人でロックを聴く人はそういえば今まで出会ったことがないですね。

 ひとりだけ、僕より11歳若い女性の知り合いが学生時代にウィーザーやニルヴァーナを一時期聞いていた、それくらいです。

 だから、レッド・ホット・チリ・ペッパーズやグリーン・デイが今の若い人には僕が思っている以上に人気があるらしいことをネット情報などで知って驚いたことがあります。

 いや驚く必要はないのかもしれないけど(笑)、グリーン・デイは楽器屋に入った時に男子高校生2人が楽譜を見て弾いていたをの目にしてそれを感じました。


 僕が思うにフー・ファイターズは、若い人の間ではもはや伝説のニルヴァーナの残党であることで尊敬の念を集めているのかな、となんとなく感じています。

 まあそれは若い人のみならずかもしれない、僕も少しはそう思っているので。


 いずれにせよFFは新譜が出ると切れることなく買って一応は聴き続けてきていて、それなりに気に入ったアルバムも何枚かあります。


 新譜を聴くと、例の轟音系ギターで最後まで力強く押し通していて、久しぶりにストレートでハードなロックの手応えを感じました。

 爽快とはいえない何か負い目を感じながらも走らざるを得ないというスピード感とスリリングさも増強されています。


 フー・ファイターズの魅力は「しゃくに触る歌メロ」でしょうね。

 歌にこだわる人間としていわせてもらえば、FFの曲は決して歌メロがきれいとは感じません。

 僕の場合、口ずさんでも歌メロが浮かんでこないのです。

 だからFFの歌はギターと不可分で、ギターの音と歌がひとつのパッケージになっているという感じなのかもしれません。

 惜しいですね、聴いているといいんだけど、口ずさめない。

 

 デイヴ・グロールは曲のフック作りがとにかくうまくて、ちょっとした部分がとにかく頭にまとわりつきます。

 一方で気がつくとフックだけで最後まで歌いきってしまうという感じもします。

 しかし、なぜかとても強く印象に残ってしまう。

 しかも聴いていてそれを素直に受け入れられない自分に気づきます。

 「ちぇっ、なんでこんな曲がこんなにまで頭にこびりついているんだよ」

 今回のアルバムは久し振りにそれが全開かつ満開、「しゃくに触る歌メロ」の完成度が高いです。


 でも、じゃあなんで聴き続けるんだ。


 デイヴ・グロールは、好きなアーティストとして、レッド・ツェッペリンなどハードロック系はもちろん、ピンク・フロイドやトム・ペティといたところも挙げるくらいの「1970年代ロック愛」の人。

 僕も実は70年代ロック愛人間だからそこに敬意というか親しみを感じます。

 ベスト盤ではポール・マッカートニー&ウィングスのBand On The Runもカバーしていて、僕はその選曲に驚きそれ以上にうれしかった、演奏ももちろんよかった。

 歌詞も何かの曲の引用もあるなど70年代ロック的イディオム満載で楽しくなります。

 人柄もよさそうなので、会って話してみたいロッカーのひとりですね。


 ただ音楽として話すと、もう90年代にもなると影響を受けた音楽の要素が分解不可能なくらいに混ざり合っていて、彼らの曲を聴いてこの曲は何こっちはどうというのは特に浮かんできません。

 それはオリジナリティということなのでしょう。


 それにしてもまったく聴くだにしゃくに触る歌メロだ(笑)。


 でも、だからやめられない。

 今回のアルバムは結構気に入りました。

 アートワークもカッコいいですね。

 ブックレットを見ると、かつてニルヴァーナのサブメンバーでFFにも参加し後に脱退したはずのパット・スメアが復帰したようでそれもよかった。


 北海道日本ハムファイターズ今年は出だしなかなかいいですね。

 お決まりの(笑)開幕2連敗した時にはまたかと思いましたが、今年は違う。

 フー・ファイターズを取り上げたのはしかし、ファイターズとは直接関係ありません、念のため(笑)。



◎このCDこの3曲
Tr3:Dear Rosemary

=マイナー系のちょっと心にしみる曲。ローズマリーさんって誰だろう

Tr6:These Days

=バラード風に始まったと思ったら後半走り出す

Tr11:Walk

=ずっとフックで押しまくって盛り上がるFFの典型、もうここまでくると見事な芸としか言いようがない、そしてちょっと感動的な曲


※記事の構成上3曲取り上げたけどみな同じ力で押し通す曲ですね