STRAIGHT SHOOTER バッド・カンパニー | 自然と音楽の森

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自然と音楽の森:CD1日1枚-April10BadCompny


◎STRAIGHT SHOOTER 

▲ストレート・シューター

☆Bad Company

★バッド・カンパニー

released in 1974 

CD-0014 2011/04/09


 バッド・カンパニーの2ndアルバム、スワンソングから1974年に発表。


 「メタリオン」第38号「英国ロック必聴盤ガイド360選」からの話題をもうひとつ。

 今回は記事にするのに今朝5時前からのドライブの車内で聴きました(笑)。


 僕が初めてポール・ロジャースに接したのは、あのジミー・ペイジと一緒のザ・ファームでの姿でした。

 その時は軍服姿の彼が誰かを知らなかったのですが、彼はどうやらフリーやバッド・カンパニーといった当時は名前だけ知っていたバンドのヴォーカリストであるとまずは分かりました。

 後にレッド・ツェッペリンを聴くようになり、バッド・カンパニーがZepのレーベルであるスワンソングから出ていたことを知り、そこで興味を持ってようやく音楽を聴くようになりました。


 ポール・ロジャースやBCを取り上げるのは今回は最初ですが、彼らは思い入れが深くて書くと長くなるので、今回はさらりとそこまでにしておきます。


 バッド・カンパニーは、1枚目が日本でも衝撃と称賛を持って受け入れられたことは、「ロック伝説」のひとつとして聴く前から知っていました。

 僕は最初に1stとこの2ndを一緒に買いましたが、この2枚は甲乙つけ難いほど素晴らしいと思いました。

 ヒットチャート人間の僕にとって、彼らの最大のヒット曲であるFeel Like Makin' Loveが入っているのが大きかった。

 Shooting Starの歌詞にはビートルズが出てきて、もうそれだけで冷静さを失った(笑)。

 そして都会的なR&RのWild Fire Womanを聴き、シャウトしても声がきれいなポール・ロジャース、こんな声質の人は聴いたことがないとただただ驚き圧倒されました。

 僕が彼を凄いと心底思うようになったきっかけはこの曲であり、彼を尊敬するヴォーカリストが多いこともそこで納得しました。

 このアルバムは最初から大好きでした。


 でも、後に、僕より年上でBCをリアルタイムで聴いた知り合いのかたが、当時の感想として、1枚目が凄かった分2枚目はがっかりした、と言って(書いて)おられたのを聞き(読み)ました。

 しかも、ひとりではなく複数のかたが。

 

 僕はもちろん後から、しかもCDの時代になって初めて聴いたのだから、順番も関係ないし(BCの場合は一応1st→2ndと順番に聴いたけど)、単純に曲の良さ、自分にどれだけ訴えるかだけが判断基準になっていたのでしょう。

 

 一方で当時聴いておられたかたは、音楽以外の要素である「勢い」というものを肌で感じながら接していたわけで、そう考えるとこのアルバムはいきなり曲がポップになり過ぎた、ひよったというか、そこが不満だったのかなと想像するようになりました。

 実際、この次のアルバムでまた勢いを重視するようになって「復活」した、と書いているレビューなども見たことがあります。 

 もうひとつ、Feel Like Makin' Loveはほのかにカントリーっぽい雰囲気の曲だけど、いきなりアメリカっぽさを出したのも解せない部分だったのかもしれない。


 まあそんなこんなで、このアルバムは一体どうなんだろうと、僕は割とよく考えるようになりました。

 まだ触れていない曲について正直に言うと、1曲目はアルバム冒頭としてつかみは上出来、5曲目はひたすらカッコいいR&Rで良いけど、残りの3曲、3、7、8曲目は少し力を抜きすぎていて出来が半歩くらい落ちるかなという気はします。

 アルバムとしてはそこが弱い部分で、それは1stには感じない部分だし、ましてや最後の曲が弱いとなると後味も薄くなる、というのは「アルバム至上主義者」の意見。

 とはいえ、多数決なら素晴らしい曲のほうが多いし(笑)、致命的な部分ではないとも思います。


 僕のこのアルバムに対する評価はこんなところで固まっていたのですが、件の「メタリオン」において、360枚の中に1stとこれの2枚が選ばれていたのを見て驚きました。

 1stはもし選ばれていなければ苦情の電話でも入れたいくらいだけど、2枚選ばれた上にもう1枚がこれというのが。

 評を読むと、やはり1stよりポップだと書いてあり、バンドとしてのまとまりが感じられる、といった具合でごく普通に書かれており、むしろ僕がここで書いていることのほうが辛口なくらい(笑)。

 選んだ人がどういう人かを知らないのだけど、ともあれ、選ばれたのはファンとしてはうれしい。


 そのようなわけで、このアルバムは「必聴盤」であるという結論に至りました。

 実際に、曲はすごくいいし、適度にハード適度にポップというバッド・カンパニー・ワールドを堪能できます。

 ただし、1stと対で聴くといろいろと考えるところがあり、このバンドをより多面的に捉えることができてより楽しいですね。


 このアルバムもヒプノシスがアートワークを手がけています。 

 でも、これ、タイトルは「真面目に生きる者」、だからギャンブルという皮肉でしょうか。

 それとも、いかさまはしていないという意味かな。

 この場合はジャケットが必ずしも内容を反映しているわけではないけれど、印象に残るアートワークであり、印象に残ってしまったものが勝ち、みたいな感じはしますね(笑)。


 おっと、大好きなバッド・カンパニーだけど、今回は意外と短く書けたぞ、よい傾向だ(笑)。


◎このCDこの3曲

Tr2:Feel Like Makin' Love

=歌メロはいいけど割と普通の曲、だからヒットしたのかな

Tr4:Shooting Star

=ビートルズに憧れた少年時代、感動的なのはこちら

Tr6:Wild Fire Woman

=ポール・ロジャースのヴォーカルがいちばん凄いと僕が思う曲、聴いて倒れてください(笑)