ギター屋ジョニーのブログ

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ギターの事とバイクの事が中心のブログです

こんにちは。

 

最近お問い合わせが多いVIBRAMUTEの墨入れ再塗装についてです。

 

モズライトのトレモロアームの台座部分に黒い塗装がされているのですが、経年劣化により剥れてきてしまうことがあります。

 

また、黒雲製作所のモズライトには墨入れなしで販売されていたモデルもありました。

 

再塗装する際は一度古い塗装をはがしてから作業します。

 

 

黒雲製VIBRAMUTE 未塗装品


 

塗装したものがこちら

 

 

フィルモア製やオールド系を再塗装したもの


 

塗装色は基本的にはオールドに近い艶消しの黒で塗装しています。

トレモロのみ送って頂いて作業することもできますよ。

塗装と同時にチューニング改善修理もおすすめしています。

 

1965年後期モデル以降搭載のMOSELEYユニットやEXCELLENTトレモロは元々墨入れされていないのですが、真ん中を黒く塗装したいと思うお客様がいるかもしれません。

 

しかし、VIBRAMUTEとくらべてメッキの表面がツルツルしていてうまく塗料が定着しなさそうですのでこちらの塗装は不可とさせていただきます。

 

作業依頼はこちらをクリック(ギターショップカエデのホームページです)

 

2022年新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 

最近なかなかブログを書く時間がなくて放置状態だったのですが、とても珍しい修理がきたのでご紹介したいと思います。

 

モズライトのトラスロッド折れ補修とタイトルを書いてありますが、折れといってもトラスロッドの製造上別々の金属をつないだ部分がはがれているといったことがほとんどです。

 

今回はオールドの65年モズライト、とてもカッコイイです。

 

 

 

5.6弦で共振音?がするのでみて欲しいという事でトラスロッドを回したところスカスカで、あれ?となりトラスロッドを抜き出してみたら・・・・

 

 

 

ネジ部分が千切れていますね。(抜いたトラスロッドはサビサビだったので磨きました)

これではトラスロッド調整が効かないので弦を張ったら順反りしてしまいます。

このギターも順反りしていました。

画像のトラスロッドはオールドモズライト特有の弓型といわれるもので黒雲モズライトやその他の一般的なギターとは構造が異なります。

通常ほとんどのギターはシングルロッドという一本の金属棒の先にT字の金属が溶接されており、指板をはがさない限り抜けない構造になっています。

 

過去にトラスロッド折れのご依頼は何度かご相談いただいたことがあるのですが、私自身溶接に詳しくないのでそのときはお断りしたのですが、何年か前に町内会で知り合った町工場の職人さんに相談してみたところ溶接もできるよってことで今回お願いしました。

 

ちなみに最初のノーマルの状態はろう付けといって本当の溶接よりもどちらかというとハンダ付けに近い溶接方法がされていたようです。

よって密着強度が弱いので場合によっては剥がれることがあるそうです。

 

今回は素材的に通常の溶接が出来そうだとのことでより強度の高い溶接をしてもらいました。

 

 

溶接後トラスロッドをネックに収めて締め込んでいったところしっかりとネック矯正が効き、順反りを解消することができました。

 

かなり前になりますがトラスロッドの折り返し部分のろう付けがはがれているものを見たことがあるのですが、ここを付け直す場合はろう付けのほうが良いかもと職人さんが言っていました。というのはトラスロッドを締め込んだ時にトラスロッドの2本の棒が弓のように開いていくのですが、折り返し部分の強度がありすぎると弓のように開きにくくなる可能性があるということで私も納得しました。

 

楽器修理とはジャンルが少しちがうので引き受けてくれる楽器屋さんは皆無かと思いますが、こんなこともできますということで今回紹介させていただきました。

 

もしトラスロッド折れで困っているオールドモズライトユーザー様がおられましたらご相談下さい。

 

ギターショップカエデのホームページ

 

 

2021年6月18日 エレキの神様が天国に旅立たれました。

 

私が現在エレキギターという楽器に携わる仕事をしている中で外せない人物です。

 

はじめて聞いたバンドの生演奏がたまたま高校1年の時の学園祭にきた寺内タケシ&ブルージーンズでした。(1994年)

 

当時ちょっとだけコンピューターミュージックの打ち込みみたいなものをやっていたのでどんなに早いフレーズでもコンピューターが完璧に演奏してくれるなんて思っていましたが、寺内氏のギターを聴いてその意味が全然違う事に気が付きました。

 

当時の打ち込みですからやっぱり音がもろに打ち込みって感じで、聞いていてあまり気持ちの良いものではなかったんですよね。寺内氏の演奏は滑らかで本当に心地良いものでした。

 

人間の技術も洗練されたらコンピューターよりも凄いんだってそのとき思い知らされました。その感動があって丁度クラスメイトから誘われていたバンド結成、エレキギター購入に至るのでした。

 

そのあとエレキギターにはまり、ギターの構造にも興味があった・・・・というのは半分嘘で、学費を親に出してもらってギターを自分で作れば欲しいギターが手に入るという理由でギタークラフトの専門学校に入学するわけです。

 

専門学校卒業後はモズライトギターの卸業社へ就職し、それまで未知であったMOSRITEの世界に入っていったのです。

 

仕事をしていくなかで寺内氏の音楽にも触れる機会が多く、モズライト独特の演奏方法やサウンドメイキングに驚かされました。

 

それまでエフェクターにあまり興味がなかった私ですが、キャラバンのディレイの掛け方なんかはとても興味深かったです。

 

 

2009年頃だったと思いますが、一度寺内氏とお会いする機会があり、ライブ会場の楽屋にお邪魔して少しだけお話をさせていただきました。

 

そのとき寺内氏が

 

「モズライトってのは完成されていないギターなんだよなぁ」と言っていたのを覚えています。

 

しかしその言葉のあとに「でもそこが良いんだよなぁ」と言っているようにも聞こえました。

 

 

 

 

 

晩年は体の調子もあまり良くなく、大変だったと思います。

 

 

 

 

さいごに・・・・

 

寺内氏の名言「ギターは弾かなきゃ音が出ない!」

 

この言葉、凄く好きです。

 

 

 

TAKESHI TERAUCHI FOREVER