ギルド式五十音 | 工房ギルド メンバーコラム

ギルド式五十音

くつについて by渋沢モトヤ

靴ときいて思い浮かべるのは、ガキの頃に強制的に履かされた「うわぐつ」である。つま先の部分に色がついてて、男子は青で女子は赤。今思い出すだけでも、二度と履きたくない思いに駆られる。

しかも、甲の部分にご丁寧にゴムが付いているときたからには、あのデザインを憎らしくさえ思える。あの不必要に太いゴムに、これみよがしに、名前を書いて自己主張しているヤツほど成績が悪かったと記憶している。ちなみにオレはかかと部分に奥ゆかしいほどの小さな文字で名前を書いていた。

毎週土曜日は家に持って帰って洗って来いだ~?!おかげで日曜日の午前は「うわぐつ」洗いに捧げられた。月曜日の教室はまさに靴の博覧会だった。

綺麗な真っ白になって帰って来た靴。どう見ても洗ってないだろうと一目で分かる灰色の靴。そして、同情さえ覚えてしまう靴下だけのヤツ。挙句の果てには親指部分からダイアモンドがノゾイテルあわれなヤツ。オレはどの部類にも属さなかった。うわぐつを忘れたある日に気付いたのだ。スリッパ履いてた。職員室の隣にある下駄箱に行っては来客用のスリッパ履いてた。だから下駄箱とは無縁の少年時代だった。ゆえに、下駄箱にラブレターという淡い恋とも無縁の寂しい少年でもあった・・・。

そういや中学時代に一度だけ下駄箱にラブレターを経験した。いや、正確に言うと下駄箱にではなく、くつに入れてあったのだ。それに気付いたのは家路についてのこと。靴の中でその手紙は、ただの紙切れに変わり果てていた。あの時の手紙の主はどなたですか??連絡待つ!!