end



山に帰ってきたオイラは
すっかりねぐらに籠ってしまった…。

イライラとモヤモヤで変になりそうだった…。

でも、ずっと考えてたんだ…。
あの娘のこと…
いや、本当は、そのほとんど、Kのこと…

Kはなぜあんなこと言ったんだろう…
なぜあそこまで強く言ったんだろう…

答えは、出なかった…。

でも、なぜだかKとの想い出がどんどん蘇ってきて…
懐かしくって、笑ったり…怒ったり…泣いたり…

考えてみると、
何も知らなかった幼いオイラに
行きぬく術を教えてくれたのは、全部Kだった…。

虫の捕り方も…
残飯の探し方も…
人間との接し方も…
みんなみんな…

Kがいなかったら…
たぶん、オイラは野垂れ死にして、今ここにはいないだろう…。

この首の鈴をくれたのもK…

こんなKと…
こんな状態のままでいいのか…
あんな別れ方のままでいいのか…

いや、このままでいいはずがない…

うん、そうだそうだ…

オイラはようやく立ち上がって、ねぐらを出た…。
でも出た途端、自分の異変に気付いたんだ…。

暗い…
潰れた左目だけでなく、右目も…うっすらとしか見えない…。

少し前から何となく気付いてたけど…
こんなに早く見えなくなるとは…

ヤバい、急がないと…

オイラはまず、馴染みの野原に行って、
とっておきの場所で、とっておきのお花を摘んだ…。

勿論、スミレ…
タチツボスミレ…
ニョイスミレ…
エイザンスミレ…

袋いっぱいにスミレたちを詰め込んだんだ…。

そしてそのあとは、温泉地獄へ…

ここではKから教えてもらったKお気に入りの「光る石」を探した…。
だいたいの場所の見当はついてたけど、
目のせいで探すのにちょっと苦労した…。
でも、1コ1コ丁寧に見ていったら、思ったより早く見つかったんだ…。

よし、これで準備オッケー。

オイラは神様に感謝と
無事、街まで辿りつけますように…と祈って
山を下りたんだ…。

一歩一歩、噛みしめるように…

これからふたりの天使に逢いに行くんだ…。

(つづく…)

今日の曲は… Susanna Hoffs - 「Unconditional Love」





予定より1回多くなりました…
でも本当は終わりたくない…
このままずっと続けたい…


★ガイドMr.S★