日本の小説のジャンルで、よく売れるのはやはり長編ミステリだよね。
通勤電車の中で読むとき、謎があり、読むのに時間がかかるものが好まれるのは、誰でも経験から分かると思うんだよね。
そういう小説は、非常にまじめで、緊張感が読者を惹きつけるといえる。
大きな事件が起こる小説や、銃器を扱うハードボイルドなどは、ほとんどがそうなるよね。
そうやって読みすすめてみると、小説には、笑えるものが少ないということに気がつくと思うんだ。
エッセイは別だよ。
エッセイや随筆といわれるものには、笑える要素も多い。
でも、こと小説となると、本当に少なくなってしまうんだ。
笑えるものにもジャンルはある。
設定や展開で笑わせるもの。文体で笑わせるもの。
日本では、文体で笑わせるものが伝統としてあるみたいだね。
また、私小説と呼ばれるものには笑いが不可欠だ。
自分を客観的に笑い飛ばす、ということなのかもしれないね。
それにしても、小説という分野では、「泣かせるよりも笑わせるほうが難しい」とされているみたいだね。
「泣けた!」と帯に書かれているほうが売れるのに、興味深い現象だよね。
だから、個人的には、笑える小説に挑んでいる作家を応援したい。
お笑いや落語がこれだけ発展し受け入れられている文化があるのだから、笑える小説が増えてくることに期待したいね。