今日は広東省東莞市の虎門鎮にあるアヘン戦争博物館です。



18世紀後半、清朝は鎖国体制を敷いており、諸外国との交易は広東省の広州一港に限定していました。当時のイギリスは中国から中国茶・陶磁器などによる輸入超過となったため、当時のインドで生産した麻薬であるアヘンを中国に輸出し、インドにはイギリスの綿織物を輸出する三角貿易を開始しました。これによって清朝は国内の銀が不足したこととアヘンの蔓延に危機感を持ったため、アヘンを禁止します。



アヘン取り締まりの命をうけた林則徐は人工池を造り、没収したアヘンを大量の石灰と一緒に化学変化を起こさせ、海に流しました。人工池から生ずる白煙は3週間にわたって立ち昇ったそうです。結果としてアヘン戦争を導き、苦難の中国近代史が始まりました。


アヘン戦争記念館はその当時、アヘンを処分した人工池があったとされる場所に同規模の池が再現されている他、当時の様々な展示物があり、中国人の間ではアヘン戦争に因んだ愛国主義教育基地として訪れる中国人観光客が多いです。



アヘン戦争によって始まったイギリス、フランス、アメリカなどの進出は、日本を開国に向かわせ、明治維新という大変革が始まるきっかけともなりました。日本史にも大きな影響を与えた場所ですね。

こちらのホームページもよろしくお願いします。スマホからはSafariで開けます。
https://smile-chinese.sakura.ne.jp