「シグルイ」狂いすぎですごい。 | 秋山具義のラーメンとデザイン

「シグルイ」狂いすぎですごい。

本の雑誌「ダ・ヴィンチ」の「この本にひとめ惚れ」という
連載で本を選ぶのに、毎月1回集まる会があります。
本を選ぶ人は糸井重里さんと
「ダ・ヴィンチ」の編集長の横里さんとぼくの3人です。

この会を毎月楽しみにしています。
ためになる話も満載ですが、ここでは書けないような
ばかばかしくて深い話がたくさんできて
脳が活性化されるんです。

その会の時に「ダ・ヴィンチ」に紹介する本以外に
皆がお互いに本や映画を薦めあったりします。
糸井さんにもこれまでにたくさんのすばらしい
本や映画を教えてもらいました。
知ってよかった!というものばかりです。

ぼくらも糸井さんに色々お薦めします。
先日、糸井さんにお薦めした漫画について
「ほぼ日」の今日のダーリンで
こんな風に書いてくれていました。
以下抜粋です。


 ここ数日、マンガづいていて、
 先日はよしながふみさんの『大奥』について、
 すげぇっ! と、興奮していましたが、
 実はそのとき、もうひとつの
 まったく別のマンガをすすめられたのです。
 『ダ・ヴィンチ』の横里編集長と、
 「ラーメンとデザイン」を生きている秋山具義さんが、
 不思議な薦め方をしていたんです。
 「うまい」だとか「すごい」だとか言わないんですよ。
 なんかいい」というような言い方なんです。
 福満しげゆきさんという作家なんですけどね。
 実は、ぼくも前にこの人のマンガが気になってて、
 妙な味わいのエロマンガを買った憶えはあるんです。
 独自の発想やら、独特の描写力があるのですが、
 何冊も読む気にはなれなくて、そのままだったんです。
 
 薦められたのは『僕の小規模な生活』という本でした。
 読みましたよ‥‥いやぁ、これは、
 天然に見えて天然じゃないような気がするぞ。
 やっぱり「うまい」というか、
 かなり高い技術を持っていると言っていいんじゃない?
 「中野」だとか街の描き方なんて、相当なもんだよ。
 でも、かぎりなく天然に見えるし、稚拙にも見える。
 一筋縄ではいかない作家だなぁ。
 「うまい」でも「すごい」でもない、「なんかいい」を、
 意識的に狙って創りだせているんだよねー。


ただ読んでおもしろくて薦めただけで、
こんな風に書いてもらえるなんて、うれしいです。


で、この前の会の時に横里編集長に
「これ、読みました?」って薦められた漫画がありました。
「好きですよ、きっと」って言われたのは
「シグルイ」という侍の話です。
表紙の絵や中をパラパラっと見て、
表現のえぐさに実は引いていたのですが、
「あっ、読んでまーす」と言ってその日は帰りました。
本の雑誌の編集長に薦められたら読まない訳にいきませんよね。

で、読みました。
すごい。すごすぎる。
原作は「駿河城御前試合 無明逆流れ」という
1956年の南條範夫という人の小説だそうで、
それを山口貴由という人が作画してます。
う~ん、こんなの見たことない。
あまりのえぐさに身悶えながら読んでいました。
他の人から見たら、気持ち悪かったでしょうね。
でも、読まずにいられないんです。 

この漫画はあれこれ説明しないほうがいいと思いますんで
とにかく読んでください。
10巻まででてますが、ほんと、一気に読めますよ。