凪。

読めますか?

「ナギ」ですね。

気象において、無風状態のことを指す言葉だが、人の心理的な状態を表す際にも使うことがあると思う。

前回「何もやる気が起きない」旨を書いたが、それがキープされたまま、ついにおれの心理状態は「ナギ」に突入したようだ。

なんかもう何もかもどうでもいい感じ。

かといってヤケになってるとか、死にたいとかそういうのとは違う。

心が止まってしまったような状態。

ありのままの自分を受け入れている、といえば聞こえはいいが、そこまで達観してる感じともちょっと違う。

食ったり寝たり排泄したりはしなきゃならないから、それはまあやる。

資本主義社会で生きている以上、仕事くらいはせんとなあ、というくらいのバランス感覚はかろうじてあって、労働には向かえている。

しかし、そこまでである。

身体的・心理的に疲労はしてるのかもしれないが、グッタリ、というのでもない。

情緒的な動きがすっぽりと抜け落ちてしまったかのような感覚なのだ。

「No feeling for anybody else」(何にも感じないぜ)なんていうセックス・ピストルズの歌があったが、まさしくそんな感じ。

ただし、このピストルズの曲は「except for myself」(ただし、自分自身のことは例外)などと続くわけで、そうなると今のおれには当てはまらない。

自分自身のことについても、どうでもいい気持ちだからだ。

何とかしようとジタバタする気にもならないから、もう、おれはおれ自身のことを放っておくことにする。

今日は金曜日だから、「GROOVE LINE Z」(J-WAVE)がやってないし、AMは野球一色。

J-WAVEもNACK5もInterFMもガチャガチャとうるさい割には大して面白くない。

どうせ心が止まってるし、BGM代わりにTOKYO FMでも聴いてみるかと思い立って、80.0MHzにチューニング。

18時30分くらいから21時過ぎくらいまで聴いていた。

いやあ、この放送局も、「ナギ」だね。

30分おき位に番組は変わるのだが、見事なくらい薄っぺらなプログラムが続く。

普段は、くだらない番組は一刀両断しているが、おれ自身が「ナギ」状態だからか、今日は不思議と気にならない。

そうか、こういう心理状態の人のためにJFNというものはあるのか、と思ったんだが、どうなんだろう。

もしそうだとしたら、TOKYO FMをはじめとするJFN系列を聴いているラジオリスナーに対して「オイオイお前ら大丈夫かい?」と、ちと心配にもなってしまう。

それにしても、よくもまあこれだけつまらない番組を次から次へと作れるなと変な意味で感心してしまうほど、ペラいプログラムのオンパレードだったのだが、再三繰り返すようにおれ自身が「No Feeling」なので、なんとも思わない。

なんとも思わないことを、わざわざこうして文章にしてるくらいだから、何らかの表現欲求みたいなものはかろうじてあるのかな、と今一瞬思ったが、まあ、

「どうでもいい」

酒飲んで、ねる。さよなら。