ギィ―


立ち入り禁止の看板を無視し、


重く、古びた扉を開ける


隙間風に体を震わせ、


屋上へと足をいれる


「っわー・・・!!」


おもわず驚く


初めて“屋上”を体験した私


カシャッ


フェンスに手をかける


「綺麗―」


思わず口から漏れる言葉


青く、晴れ渡った空に、


白い雲に魅了される


「そんなにいいものか?」


猫さんが笑い混じりに言う


「はい。屋上なんて初めてですから」


初めて。


『お嬢様、いけませんよ』

『屋上だなんて危険です。』

『すべったら死んでしまうぞ?』


・・・危険なことはやったことがない


してはいけないから


「もうすぐチャイム・・・」


時計を見ると、3分前


「そろそろ時間ですわね」


思わずつぶやく


「ですわね?」


しまった。


「いえ、何もないです。さ、さようなら」


カタコトの言葉をぶつけ


重く、厚い扉に手をかける


「一条の娘さん?」



・・・どうしよう



 「名前、聞いた事あるなとおもったら」



まさか



「ありすちゃんだったのかぁ」



 駿くんにばれるなんて

「おはよーございますぅー」


眠そうな目をかきながら教室に入る


「きゃあああ!今日も素敵です!!」

「遥サマァアア!」

「遥さま、今日は私とお食事でもどうですか?」


女子の黄色い声が教室に響く


呆れて違う組にいっている子もいる


様子をみると、どうやらウサギさんだけみたい


「ありすちゃん、オハヨ」


うさぎさんが手をふり、挨拶をしてくれる


「あ、おはようございます・・・」


笑顔を返し、返事する


「・・・なにアノコ。」

「なれなれしいわ。」

「遥様?あんな子は放っておいて、私たちとお話の続きを・・・」


「あんな子って、ありすちゃんのこと?」


ウサギさんが低い声でつぶやく


「遥・・・様?」


一人の女子がつぶやく


「次、そういうこといったらゆるさないからね」


笑顔で女子を脅すウサギさん


「あ、あの・・・私なら大丈夫ですから」


女の子を庇うように言う


「僕が許さない」


笑顔で重い言葉を言うウサギさん


「えっと・・・」


私が口を開いた瞬間


「うっ・・・ひっ・・・

 ひどいですわっ・・・遥サマ・・・・」


そういってその子は教室から出て行った・・・


重い雰囲気・・・


で、出よう・・・


エレベーターホールへ向かう途中


 チリンッ


鈴の音が鳴る


足元に鈴


「・・・落し物?」


ソレを拾うと


「あー。ありがと。」


聞き覚えのある声が


「猫さん?」


「ん。あたり」


猫さんこと駿くんだった


「どうしたんですか?鈴・・・」


そう言うと猫さんは困った顔になった


もしかして・・・


「猫さんの首輪の鈴とか?!」


ぺしんっ


「バカか」


軽く叩かれる


「大事なお守りについてた鈴。

 ありがと」


「いえ。それでは・・・」


ガシッ


「どこいくの?」


・・・・え?


「えっと・・・エレベーターホール・・・です」


鋭い目つきで見られるからつい目をそらす


「目、そらすな。

 エレベーターホール?

  ・・・じゃ、屋上行くか」


屋上?


「いってみたいで・・・あ・・・」


といったころはおそかった


「んじゃ、いくか」


猫さんと屋上にいくことになりました・・・!

「え」


突然話しかけられた私は


頭の中がパニック状態。


口をぱくぱくさせる


「遥のクセにナンパ?」


そういいながら笑う少年B


少年Aは


「ごめんね。驚いた?」


と、優しく笑顔で言ってくれる


その笑顔で心が少し落ち着く


「ところで、どうしてそこにいるの?」


あ、えっと・・


言葉が詰まる。


必死にイイワケを考えるけど・・・


「言いたくなさそうだから聞くなよ。遥

 教室もどるぞ?」


不良っぽい少年Bが庇ってくれた。


よかったぁ・・・


二年の人に絡まれたなんて・・・


薫ちゃんにどういえば・・・


「って・・ん?」


1-Aにつかつかと入っていく二人


目をぱちくりさせる


「同じクラス・・・?」


嘘・・・大人っぽく見えたのに・・・


スカートのほこりをはらい、教室に戻る


「ギリギリだったかな、」


ふう、と一息ついて席に座る・・・


という設定だったのだが


一つの席に女子が群がっていて座れない


どいてともいえないし・・・


私は皆が群がっている理由が知りたくて近くに寄る


「遥さま!笑顔が素敵です・・・!」

「駿さまぁああ・・・!!このあとお食事でもどうですか?」

「私が先に誘ったのよ?邪魔しないでくれる?」

「何よ!!貴方こそ!!」


乱戦?乱闘??


遥?駿・・・・


「まさか・・・」


「だるいっつーの」


「駅前のレストランでもいいかな?」


そのまさかの。。。さっきの二人・・・!!


そうおもっていると少年B・・・、駿さまと目が合う


「おい。ソコどけ」


「ご、ごめんなさい。いますぐ・・・」


指示通り、その場からぬけようとする


「おまえじゃねえよ。」


そういって、私の腕を掴んでくる


「あ、あのっ・・・私・・・」


混乱状態になる


「さっきの・・・」


そう一言つぶやき


「そいつが座れねえだろ。退いてやれよ」


私の席のまわりにいた女子は無言で退く


私が席に着くと、先生が入ってきて、また長い話が始まった


+++


帰り


「うえーありすうう」


しんどかったよーと今にも伝わる薫ちゃんのダルさ


すると


「ありすちゃんっていうんだ。」


背後から声が聞こえた


「はい。えっと・・・」


「兎田遥。

 はるかっていってよ」


とだ・・・ってウサギに田んぼの田だよね


「うさぎさん!」


あ。といった頃には遅かった


殴られる勢いで目をつぶる


「・・・ぷっ・・・ウサギさんって・・・

 はじめてだよ。そんなあだ名」


殴られるどころか笑われた・・・


恥ずかしくなる


「ありすちゃん、面白いね」


『ありすちゃん』


優しい声に体が反応する


頭の中で声が響く


「はるかぁ・・・俺に女子あずけんなよ」


すると駿さまがきた


「駿様!」


無意識にいう


「駿様・・・?

 だっせ。」


少し傷つく


「皆さんそういっているんですもの。」


というと


「猫山 駿。しゅんでいいから」


猫・・・


「チェシャ猫・・・?」


「は?」



「えっと、じゃあ猫さん・・・」


うう・・・お名前で呼べないよ


「ん。ありす。」


不思議の国にきたみたい。


猫山くんはチェシャ猫。


兎田くんは白うさぎ。


薫ちゃんは・・・ハートの国の女王様?でもなさそう・・・?


「ありす、いくよー」


かおるちゃんが私たち(三人)の中に入って私を連れて行く


「ん。さようなら!」


ぺこっと頭を下げて薫ちゃんと帰り道を行く


というか


「お迎えに上がりました。」


薫ちゃんを送るのほうが正しいかな


「薫ちゃんをお家まで送ってくださる?」


迎えにきた執事に命令をし、薫ちゃんをお家に送る


「いつも助かるよー

  一条財閥の娘は気がきくよね」


一条財閥。


数々の会社をもち、今は世界に名を広げている


っていうワケです、


一応みんなと平等ってことで普通の学校に行っているんですが・・・


バレたときはどうしようかと考えています


「じゃ、また明日!」


にっこり笑顔で手を振ってくれる


「うん。、またね」


そういって眠りに着く


その日みた夢はあたたかい夢でした。