ベネズエラ当局が、7月28日選挙の、[電子投票など]の記録を即時公開することを要求する決議案は、米州機構(OEA)常任理事会で承認されるための必要数が、ブラジル、コロンビア、メキシコなどの棄権によって得られず否決された。この否決はアルゼンチン、ウルグアイ、ペルーなどを筆頭とする、ラテンアメリカの右派諸国の戦略に、痛い打撃を与えるものである。これら政府は、いかなる証拠を提出することなく、選挙が不正であったと非難していた。OEAで投票がおこなわれた7月31日、G7、米国政府、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領も含めて、同様の要求がおこなわれたが、マドゥロにたいして激しい攻撃をおこなっている諸国は、「独立した機関の検証」を付け加えた。これがベネズエラの国内問題にたいする干渉と見做され、決議の承認に必要な票を得るための障害になった。

 

一つの文章をめぐっての相違

 

ワシントンで開催されたOEAの臨時理事会において、決議案に賛成したのは17カ国、反対はゼロ、棄権は11カ国、欠席は5カ国で、承認に必要な、米州機構加盟国の絶対過半数に到達しなかった。文書はベネズエラの全国選挙評議会(CNE)にたいして、7月29日明け方に発表した結果、ニコラス・マドゥロ大統領の勝利を宣言し、野党が拒否しているものについて、投票所ごとの「投票結果を即時明らかにすること」を要求している。

 

文書はまた「結果の透明性、信頼性、適法性を保証するために、独立した監視組織の立ち会いで、結果の全体的な検証をおこなう」ことを要求した。この文章は、米州機構内の合意を破綻させた。なぜならブラジル、コロンビアなどの国は、賛成票を投じるためには、この部分の削除を要求した。EFE通信への外交筋の情報によると、ペルーとパナマが削除に反対し、「交渉を妨害」した。

 

決議に賛成したのはアルゼンチン、カナダ、チリ、コスタリカ、エクアドル、エルサルバドル、米国、グアテマラ、ガイアナ、ハイチ、ジャマイカ、パナマ、パラグアイ、ペルー、ドミニカ共和国、スリナム、ウルグアイ。棄権したのは、アンティグア・イ・バルブダ、バハマ、バルバドス、ベリース、ボリビア、ブラジル、コロンビア、グラナダ、ホンジュラス、サンクリストバル・イ・ニエベス、サンタルシア。会議に欠席したのは、ドミニカ、メキシコ、サンビセンテ・イ・グラナディナス、トリニダ・イ・トバゴ、さらにベネズエラは長期間欠席している。

 

賛成の声と反対の声

 

ペルーのハビエル・ゴンサレス・オラエチェア外相は、この投票でもっとも怒りを見せた人物で、長い演説のなかで、棄権した国々を攻撃した。「今後われわれは、市民たち、とりわけわれわれの若者が、なぜわれわれ政治家を信用しないのかと、自問することになるだろう」と述べた。ウルグアイのオマル・パガニニ外相も同様に、OEAの投票結果を批判した:「このような基本的な問題で、明白な決議に合意ができないのか理解できない。この機構は、今日、非常に恥じ入って終わらなければならない」。

 

この決議の主要な提唱者の一人、アルゼンチンのディアナ・モンディノ外相は、カラカスのアルゼンチン大使館に、亡命を申請している6人について心配を表明した。モンディノはその発言のなかで、投票にかけた文書について主張した:「政治亡命に関するカラカス条約についてすら触れていない」。「このOEAは、明白なメッセージを送らなければならない。亡命希望者の出国が認められなければならない。われわれは不正の共犯者になってはならない。ラテンアメリカが7月28日に表明された、人民の意思に無関心であってはならない」。

 

コロンビアのOEAにたいするルイス・エルネスト・バルガス大使は、この国際機関がベネズエラの選挙に関して、「公正さ」に欠けているため、この決議の投票に、コロンビアは棄権することを決定したと説明した。バルガスは、グスタボ・ペトロ大統領の言葉を繰り返した。かれは早い段階で、マドゥロ政権にたいして、開票が「透明性のある」ものであること、その結果が「どのようなものであれ」受け入れることを要求していた。一方ボリビアのOEA大使、エクトル・アルセは、「いかなる国家のグループも、いかなる他の国の国内問題に関して、直接的にも間接的にも介入する権利はない」と主張した。

 

米国は「我慢の限界」に

 

G7外相会議は、7月31日ベネズエラ当局にたいして、「完全な透明性をもって、選挙結果の詳細」を明らかにするように要求した。G7の議長国イタリアが発表した宣言のなかで、ここには他にドイツ、カナダ、米国、フランス、日本、英国が含まれているが、外相たちは、「ベネズエラ国内外の独立した監視団の報告によると、発表された結果にたいして、深刻な懸念が提起されている」。

 

米国は7月31日、ベネズエラの全国選挙評議会(CNE)がニコラス・マドゥロ大統領が勝利したと宣言した投票について、その記録をベネズエラ当局が発表するのを待っているが、「我慢の限界」であると警告した。ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障会議報道官は、ジョー・バイデン政権は、カーター・センターが発表した結論を、「共有している」と認めた。

 

カーター・センターの見解とは?

 

カーター・センターはベネズエラ大統領選挙に、監視団として参加したのだが、選挙総体として国際的なパラメータ、基準に「合致した」プロセスとはいえず、したがって「民主的であったとは見なせない」と表明した。この団体は、選挙当局が200万票以上が集計されていない段階で、与党のニコラス・マドゥロを勝利者としたこと、投票所から引き出された結果を明らかにしていないことは「選挙の原則の重大な違反である」と強調した。

 

カーター・センターによると、投票は「政治家、市民社会の組織、メディアの活動の自由が制限される環境のなかでおこなわれた」。カーター・センターは、6月29日以降、17人の専門家、監視人を派遣し、チームはカラカス、バリナス、マラカイボ、バレンシアに滞在した。国連の選挙専門家パネルとともに、CNEが認めた唯一の国際技術監視使節団である。

(通算4078) (Pagina12の"La OEA rechazo una resolucion impulsada por Milei y los gobiernos derechistas de la region"による)

 

(OEAにおけるアルゼンチン大使)