祖父の他界は僕にとって、
日常の一つが欠けた、そんな出来事。


毎週日曜はアパートの横にある母の実家の
祖父の部屋で祖父と一緒にとあるアニメを
30分見て、そのあとおやつ代をもらう。

そんな平和は小学2年生の頃に終わった。


祖父は土地や山を数個持つという、
今の僕から見るに富裕層のような人だった。



柔道で凄かったと耳にしたくらいで
ほとんど覚えてないが、人に教えたりする程の
そんなお人だった。



その後の出来事。祖父が他界した時に通知された
遺産相続等の話。それも詳しくは知らない。


祖母が泣きながらしてくれた話。
祖父は連帯保証人であった、
そして、弟妹がいたそうなのだけども、
その方が分割した遺産のせいで、
連帯保証分を払いきれなかったのだと。



払う前は数億、払いきれない後は数千万。
もちろん持ち家である
母の実家の数部屋の土地が取り壊されたそう。


そう、察しのいい人はわかるはず。
母の持ち物がアパートへそのままで。
私たち家族の寝床を圧迫してしまったのだ。



何度も片付けを強要したり、
フローリングの廊下、腹を姿見の足に
抉られながら寝る僕にとっては
苦ではないと言ったが、
眠れない夜もあった。



冬の寒い日は体を覆いきれない毛布に
身を縮めて自身の腕枕でようやく
数時間仮眠を取る毎日だった。


ある日行った病院で、
寝てもいないのにα波が出続けていると
その時意味はわからなかった言葉に首を傾げた。



サッカーで疲れていた体を起こすたび、
痺れた腕とこわばる体をもつ中学生の姿が
たまに夢に出る。