社会人サッカーで僕がプロを目指している話を
人づてに回してもらった。








なんども繰り返して耳の痛くなるようなワード
であるが、本当にこれも縁があって、
元海外リーガー現コーチ(当時)の方の耳に
入ったみたいだ。









社会人で知り合った方が斡旋して下さった
みたいで、とても僕のことを気にかけてくれた。











そして、やる気など本気度を面談して
本題に入った。








それは【海外への挑戦】であった。











夢にも思わない言葉に
普段神頼みしない僕が
神様は見て下さったのかと思った。









ここまで本気でやってきてよかった。

あっちで就労ビザやらの話
(ここまでしか書けないけど)の
そのプランなど、
打診のため、初期費用は少しかかるが、
抑えられない気持ちに胸が久々に高鳴った。












熟考しながらも、その人の話はとても
信用できる話で、すでにあちら(ドイツ)で
活躍し始めている選手はいた。









そして何より、経歴がすごい。
元海外リーガー、元コーチ。
そして、日本の総体(サッカー全国大会)で
準優勝ならびに最優秀選手となっている。










とてもすごい人である事は
オーラで伝わった。









「金額が厳しいのはわかっている。
   だが、金額が金額だ。親に頭下げてでも
   来るなら来なさい。」









迷いなく僕の中では選択肢は一択だった。











疲れている足取りさえ軽く感じるほど、
家に帰るのが楽しみになったその日、
親に頼み込んだ。









忘れていた訳じゃなかったが、
自身の身辺状態に絶望した。








母親は表情を強張らせながら、
そんな金はない、の一点張り。








ここさえクリアすればと
高揚感の湧くままに事を
進めたかった僕も粘った。










その身辺情報はあまりにも無情に
鈍痛へと変わる。











元を辿ればミリオン債務者の一家。
火だるま家計に何を期待したのか。







そして、忘れてはならない、
生活保護受給者であったことを。










どれだけ粘ろうと、日を跨ごうと、
ポケットから出る小銭は
到底お札に変えられないのだと。











嬉し涙が一変、悔し涙へと変わった。








プランを提供していただいた方に、
打ちたくもない文字をただ淡々と、
泣き疲れた無表情な顔は書き上げる。
それを送信した瞬間、ドン底。









どれだけ行っても縁のない。






二度の本気はそれこそ二度と出なかった。











肩につながる筋肉が、
削ぎ落とされたようにぷらーんとおちた腕は
もうこの夢に夢を見る事はなかった。












夢を見せても夢にするのも神様なのかと
手のひらの肉に爪を立てた、
20歳の始まりだった。










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