少女漫画家・和田慎二さん[享年61歳]〓訃報〓】.
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どうまとめたら良いのか、気持ち・考えがまとまらないまま、とうとう告別式も終わったという情報をTwitter等で得まして、素晴らしい漫画作品を沢山産み出した「和田慎二」さんの訃報記事を書く事にしました。
小学生の頃から、およそ30年来の和田作品の読者で、どの作品も基本的に好きです。今でも何度も読み返し、成人したからこそ面白い部分もあったりと、その読み応えにずーっと感動していました。
出会いは、白泉社・隔週少女漫画誌『花とゆめ(以下、花ゆめ)』での「ピグマリオ」連載(第2部)の頃…。そこから遡って、集英社『別冊マーガレット(以下、別マ)』で掲載されていた「超少女明日香」シリーズや初期読み切りが収録されたコミックス、同じ『花ゆめ』での「スケバン刑事」と進んでいく。
私は作家買いするタイプなもので、その後も花ゆめコミックスで出たものはほぼ全部を買って読み、「少女鮫」を最後に白泉社から離れても、メディア・ファクトリー社(=MF)の月刊青年漫画誌『フラッパー』や秋田書店・月刊少女漫画誌『ミステリー・ボニータ』での「傀儡師リン」(既刊13巻迄)…。
多作な漫画家さんだったので、複数の漫画をあちこちで終わらないシリーズを抱えてしまい…私が知るだけでも遺作になってしまった「傀儡師リン」だけではなく未完作品がある。以下に明記すると…
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<確実に未完と思われる作品>
「超少女明日香」シリーズ … 主人公:砂姫 明日香&恋人:田添 一也
「忍者飛翔」シリーズ …主人公:伍堂 真琴&乳兄弟で恋人未満な小間使い:ね太郎
「傀儡師リン」 …主人公:鹿嶋リン[&人形:アリス]
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<たぶん未完だと思う作品>
「あさぎ色の伝説」 …主人公:沖田 総司(歴史上の実在人物・沖田をモデルにした新撰組のフィクション)。
「パパと恵子」シリーズ …主人公:恵子
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<作者の意向を尊重して、恐らく絶版のままになる作品 / 完結はしていたと思う>
「クマさんの四季」 …何年も前に「復刊ドットコム」の投票を受けて作者・和田さんに交渉をしたが、承諾を得られなかったとの報告を読んだ覚えがある。作者自身の他の漫画作品(コミックス)に近年恒例になっていた「あとがき漫画」にて、「もう役割は終えたと思いますので、再販しません」といった言葉も載っていた。
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漫画家さん同士のあだ名は「ヒゲクマさん」。
比較的ガタイのいい(身長が高いだけでなく、まあ正直言えば太っていた)+いつも顎鬚を蓄え、愛用のパイプ姿が似合う穏やかな方だったと、皆さんが折に触れて語る人でした。
また作中に自分の分身(一応兄弟設定?)で登場する岩田=ガンさん。
私は生憎サイン会にもコミケにも出かけた事がなかったので、直接お顔を拝見する事はなかったけれど、色々な所で写真を見る事があり、おおよその姿は知っていた。
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漫画家さん達の言葉に違わず、ハンサムかどうかはわからないけど、眼鏡の奥の瞳はとても優しげで素敵なおじさんという感じでした。
以下に引用たように、その訃報の第一報は、NET社会になったからこそ発生した一種の騒動でした。私は時間の自由がきく生活だったなので、一晩中その様子を見守り続けた。本当はその6日の午後に、東京・半蔵門の国立劇場での「歌舞伎鑑賞教室」を観劇する予定だったけれど、とてもそんな気になれず悶々と過ごし…やはり誤報ではなかった事実を知り、徐々に実感していった感じです。
もう、二度と作中の「ガンさん」に会えないんだと思ったら、自然と涙が零れた。
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和田さんの生前は、その作者のこだわりっぷり、頑固者っぷりにちょっと悪態をついた事もあったけれど、やはりその死は悲しく悼むものでした。
実父を高校時代に亡くしてしまった私にとっては、父よりも長く付き合ってきた(と言っても漫画作品を私が一方的に読んでいただけで何も関係はない)、とても大切な存在だったように感じます。
その作品から感じられる漫画への愛やキャラクターへの愛、でも作品成立の為には容赦なくキャラクターを死なせてしまう非情っぷり。何が私をそこまで惹きつけていたのか、今振り返ってもわからないけれど、唯一無二の特別な作品群を産み出した漫画家さんでした。
まだ信じたくはないけれど… 心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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〓〓〓 Webニュースなど 〓〓〓.
◆まずは既に↓は削除されてしまったが… 7/06(水)の日付を超えたばかりの深夜、少女漫画家・野間美由紀さんのTwitterでの第一報。
>@rose_m (野間美由紀)
>和田慎二先生が亡くなられたそうです。明日にならないと詳しいことはわからないのですが、白泉社と秋田書店のそれぞれから連絡をいただきました。ご冥福をお祈りいたします。
>(詳細が不明なのでリプライいただいてもお返事できないかと思います。わかり次第またTweetします) via Echofon
>2011.07.06-00:43
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>@rose_m (野間美由紀)
>第一報は数時間前のようですが、白泉社の編集部がやっとお嬢さんと電話が繋がって確認したとのことです。
>また、秋田書店のミステリーボニータの私の担当も、先ほど和田先生の担当から聞いたとのこと。どうやら間違いではないようです。 via Echofon
>2011.07.06-00:46:33
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>@rose_m (野間美由紀)
>白泉社の担当と電話して、一応詳細がわかってからTweetしようという話になったのですが、秋田書店の方でも確認が取れたので速報でお伝えしました。
>明日、編集部にFAXで詳細が来るそうですが、おそらくそれはご葬儀などの件ではないかと思います。原因などについてわかるのがいつかは不明です。 via Echofon
>2011.07.06-00:48:15
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>@rose_m (野間美由紀)
>ミステリーボニータの私の担当は、一昨日たまたま和田先生からのお電話を取ったそうです。ですから本当に突然のことだったんですね。 via Echofon
>2011.07.06-01:09:14
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>@rose_m (野間美由紀)
>ご遺族の許可無く流すのは如何なものか、というTweetが散見されましたが、和田慎二先生クラスの漫画家は「公人」と考えました。
>ご遺族が各編集部に連絡した時点で、ご訃報そのものは共有してしかるべきものと判断しております。
>2011.07.06-02:11:15
…等など。他にもあったけどここまで。 〓一部抜粋引用終わり〓
野間さんのこれらTwitter発言での騒動についてはこの記事では言及しませんが、私がリアルタイムで読んだ言葉達です。
野間さんの代表作「パズルゲーム☆はいすく~る」も、途中までは愛読していた時期があった。「花ゆめ」でデビューした少女漫画家さんです。
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◆マスコミからの第一報(結果的に正式な訃報となったように思う)。
▼「スケバン刑事」漫画家の和田慎二さん死去【07/06-11:19★読売新聞】▼
> 「スケバン刑事デカ」などの作品で知られる漫画家の和田慎二(わだ・しんじ)さんが5日、死去したことが分かった。
> 広島県生まれ。1971年、大学在学中に「別冊マーガレット」の「パパ!」でデビュー。少女コミック誌を中心に活躍し、「超少女明日香」シリーズや「ピグマリオ」など、SFやアクション物で知られた。斎藤由貴さん、南野陽子さんらの主演でテレビドラマ化された「スケバン刑事」は大ヒットした。
> 現在は、「ミステリーボニータ」誌で「傀儡(くぐつ)師リン」を連載中だった。 〓引用終わり〓
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◆それ以外の主なニュース…
▼漫画家の和田慎二さんが死去「スケバン刑事」の作者【07/06-13:55★共同通信,47NEWS】▼
>「スケバン刑事」などの作品で知られる漫画家の和田慎二(本名岩本良文=いわもと・よしふみ)さんが、5日午前、虚血性心疾患のため死去した。61歳。広島県出身。葬儀・告別式の日取りは未定。
> 1971年、大学在学中にデビューし、少女漫画誌で活躍。代表作「スケバン刑事」は累計750万部を売り上げ、斉藤由貴さんや南野陽子さんの主演で映像化もされ、人気を集めた。ほかの作品に「ピグマリオ」「超少女明日香」など。
> 月刊漫画誌「ミステリーボニータ」(秋田書店)で「傀儡師(くぐつし)リン」を連載中だった。 〓引用終わり〓
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▼「スケバン刑事」「ピグマリオ」の和田慎二が逝去、61歳【07/06-12:40★コミック・ナタリー】▼
> 「スケバン刑事」「ピグマリオ」などの代表作で知られる和田慎二が逝去したことが分かった。1950年4月19日生まれ、61歳。
>和田は「超少女明日香」シリーズをはじめ、「怪盗アマリリス」「少女鮫」など数多くの名作を執筆。少女マンガにアクションを取り入れた作風で人気を博し、中でもドラマ・映画と実写化を重ねた「スケバン刑事」は幅広い層に支持され、社会現象を起こすまでになった。
> 現在はミステリーボニータ(秋田書店)にて「傀儡師リン」を連載中だった。最新話は本日7月6日に発売されたミステリーボニータ8月号に掲載されている。 〓引用終わり〓
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▼漫画家の和田慎二氏が死去【07/06-21:42★日本経済新聞】▼
⇒http://www.nikkei.com/
> 和田 慎二氏(わだ・しんじ、本名=岩本良文=いわもと・よしふみ、漫画家)5日、虚血性心疾患のため死去、61歳。連絡先は秋田書店ボニータ編集部。告別式の日取りなどは未定。
> 少女漫画誌で活躍し、代表作はテレビドラマ化され人気を呼んだ「スケバン刑事」。ほかに「超少女明日香」「ピグマリオ」など。 〓引用〓
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▼「スケバン刑事」漫画家…和田慎二さん死去【07/07-06:00★スポーツニッポン】▼
> 「スケバン刑事」などの作品で知られる漫画家の和田慎二(わだ・しんじ、本名 岩本良文=いわもと・よしふみ)さんが5日午前、虚血性心疾患のため東京都西東京市の自宅で死去した。61歳。広島県呉市出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。
> 1971年、大学在学中にデビューし、少女漫画誌で活躍。代表作「スケバン刑事」は累計750万部を売り上げ、斉藤由貴(44)や南野陽子(44)、浅香唯(41)らの主演でシリーズ映像化もされ、人気を集めた。
>ほかの作品に「ピグマリオ」「超少女明日香」など。月刊漫画誌「ミステリーボニータ」(秋田書店)で「傀儡師リン」を連載中だった。
>
> ▼斉藤由貴(「スケバン刑事」第1シリーズ主演)スケバン刑事という、私にとって、とても大きな作品の原作者である和田慎二先生は、(作品)同様にとても特別な存在でした。スケール感があり、なおかつドラマチックな物語は読み手をいつも強く引きつけてやまない、そんな作品を描き出された方でした。心からご冥福をお祈りいたします。
> ▼南野陽子(「スケバン刑事2」主演)先生と、作品との出合いがなかったら、私は存在しなかったでしょう。謹んでご冥福をお祈り致します。 〓引用終わり〓
……等など。
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なお、お通夜は9日(土)・告別式は翌10日(日)に、故人の意思により近親者のみで執り行ったと複数の和田さんの漫画家仲間の日記やTwitter発言にて見聞きしました。
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2011/07/11(月)12時頃up。
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