ムーディーズ・インベスターズ・サービスはAIGの格付けを、2段階引き下げて「A2」に、スタンダード&プアーズも3段階引き下げて「Aマイナス」にした。格下げを受けて、15日のAIG株は、前週末比60・79%減の4・76ドルまで急落した

 格下げで、AIGは担保の積み増しや保険契約の取り消しを迫られる公算が大きく、145億ドル(約1兆5000億円)の資金調達を迫られているという。世界130か国以上で、個人から企業を対象に幅広い保険関連業務を行うAIGが破綻すれば、世界の金融市場をさらに揺るがす。

 AIGの子会社で、シンガポールにあるAIAシンガポールには16日に、保険契約の解約を求める顧客が詰めかけた。シンガポール通貨監督庁(MAS)はホームページ上で「AIAは保険契約者の信頼に見合うだけの十分な資産がある」と冷静な対応を呼びかけているが、AIAのサービスセンターには、開店前から契約者の列ができ、6時間以上かかって手続きをする人もいた。

 一方、AIGは日本でも幅広く事業を展開している。

 AIGにとって日本は、米国に次ぐ有力市場だ。損害保険ではAIU保険とアメリカンホーム保険の2社、生命保険ではアリコジャパン、AIGスター生命、AIGエジソン生命の3社の計5社で事業展開している。国内の従業員数は合わせて約2万6000人と外資系保険では最大規模だ。

 生保は08年3月期の保険料収入で見ると、アリコが業界5位の1兆3478億円、3社合計では1兆9922億円。保有契約数はアリコが約689万件、3社全体では約1082万件に達する。仮に米AIGが破綻するような事態になれば日本の保険契約者にも影響が出る可能性がある。