<上海> 鬼教師の不純な動機
自らの経験で比べると、中国の大学受験生の置かれた“勉強漬け”の日々は、日本のそれをかなり上回る。
なかでも教師からの圧力はすさまじい。よほど職業意識が強いのかと思いきや、何のことはない。動機は成功報酬にある。
教師たちは報酬の存在こそ認めても具体的な額となると口が重かった。さすがに気恥ずかしさはあるようだ。仕組みも細かくて複雑だが、分かりやすかったのは超一流の北京大学や清華大学に生徒が合格したケース。一人当たり七十万円が地元政府から支給される。
中国の物価や給与水準からすると、日本で一千万円近くもらえる感覚。休日を返上してでも、守銭奴と言われようとも、血眼になって生徒の尻をたたこうというものか。
ただ、ならば「日本の教師の動機づけは何か」と聞かれると、やはり私の経験上、言葉に詰まる。
学歴=すべてのものさし。日本が国際競争力を失う日も近い。