鬼の風紀委員、仏の生徒会役員(オマケ) | 千切れ雲

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校長室を出た我々は、その戦果を喜びあいながら、各々の教室へと戻った。



昼の給食を食べ終わったところでの呼び出しで、これもすぐに終了となったおかげで、5時限開始までまだしばらくの休憩時間がある。




級友と共に、当時人気であった『よろしく!!メカドック』というマンガに触発されて企画した、自動車のプラモデルを使ったゼロヨン競技の構想を練っていた。









ちなみにこの話、中学3年時の11月の話である。








そんなとき、再び校内呼び出しがかかった。




しかも今度は私と旧生徒会長の2人だけが、会議室にである。



またもガン首揃えて会議室に入ると、先ほどからは校長と教頭がいないだけのメンバー(先生方)がいる。






生徒会顧問・生徒指導・学年主任・各担任からなる“機動部隊”である。






まあ戦前まで直訴というのは天下の御法度。

首謀者は磔(はりつけ)の上、さらし首にされたのだから、現代であっても多少のお叱言くらいは致し方あるまい。




大音声と四方からの叱責ののち、長机に備えられたパイプ椅子に座れというから座ったら、反省文を書けと言われたので、さっさと書き始めた……。








解放されたのは6時限目の半ば。







私と旧生徒会長の教室は隣り合っているので、まだそれぞれの授業が行われている。




それぞれ教室後部のドアの前に立ち止まり、お互いの顔を見てタメ息をついた。




しかし、いつまでもこうしてはいられないので、お互いほぼ同時にノックをしてドアを開けた。












教科担当とクラス全員の視線が私を射抜くように集まる。











わずかに隣の方が早かったらしく、爆笑の音声が聞こえた次の瞬間、目の前でも爆笑が沸き上がった。




「黒警、その髪型はどうしたんだ?」




辛うじて爆笑をとどめた教科担当が尋ねてくる。




私と旧生徒会長は、直訴のかどによりハリツケの刑にこそならなかったものの、頭を丸坊主にされ、なまじっか有名であったために、さらし首同様の罰が与えられたのであった。





…会議室に入ったとき、学年主任の横に、頭髪違反者用のバリカンがあったからイヤな予感はしたんだよなぁ~…。


(寒了)