こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑳というテーマで

 

あの空に太陽が(1975)

(原題:THE OTHER SIDE OF THE MOUNTAIN)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズの最終回となっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 
 

 

 

NOT SINCE LOVE STORY …

 

本作は1975年に公開されたアメリカ督作品。

 

 

邦題の「あの空に太陽が」というタイトルは「手のひらに太陽を」みたいな爽やかな雰囲気を醸し出していますが、原題は「THE OTHER SIDE OF THE MOUNTAIN (あの山の反対側)」という意味深なタイトルであり、ポスターには「NOT SICE LOVE STORY … (ラブストーリー以降…)」という不穏なコピーが大きな文字で書かれています。

 

そんな本作は、実話に基づいたジル・キンモント・ブースというスキー選手の人生を描いた作品。

 

雑誌「SPORTS ILLUSTRATED」の

表紙にもなっていたジル・キンモント。

 

 

尚、ジル・キンモント氏の人生は、私たちの想像をはるかに凌駕するような絶望に満ちたものだったのです…

 

スポーツ誌の表紙になり

スキー選手と恋仲にもなっていた

ジル・キンモントに待っていた

「ラブストーリー以降…」とは?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

不慮の事故で重傷を負った高校の女子スキー選手が暖い周囲の愛情で再出発するまでを描く実話の映画化。

製作はエドワード・S・フェルドマン、監督は「別離(1974)」のラリー・ピアース、脚本はデイヴィッド・セルツァー、原作はE・G・バレンズの伝記小説、撮影はデイヴィッド・M・ウォルシュ、音楽はチャールズ・フォックスが各々担当。

主題歌をオリビア・ニュートン・ジョンが唄っている。

出演はマリリン・ハセット、ボー・ブリッジス、ベリンダ・J・モンゴメリー、ナン・マーティン、ウィリアム・ブライアント、ダブニー・コールマンなど。
 

 

 

 

暖い周囲の愛情で再出発する???

 

え?

 

本作は、そんなハートフルな映画ではないんですけど汗汗

 

 

そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り!

 

① 映画の冒頭、寝室で寝ていたジルは母親に起こされカーディガンを着せてもらいますが、ジルは喋るだけで身動きひとつしません。

 

自力で動く気配がないジル。

 

 

② そんなジルの仕事は、近所にあるネイティブ・アメリカンの居住地の小学校教員。ただしジルは全身麻痺で首から上と右腕の一部しか動かせないため、移動するにも子供たちに助けてもらう必要があります。

 

ネイティブ・アメリカンの

子供たちに車椅子で挨拶するジル。

「こんにちは、私が先生よ」
 

 

③ 好奇心いっぱいの子供たちに、ジルに向かって体の事や恋の事などを無遠慮に質問しますが、ジルは穏やかな顔で、かつて自分は地元の高校のスキー部で活躍し、有力選手として全国から注目されていたのだと話し始めます。

 

生徒に懐かれていたジルは
自分に関する様々な質問について

答え始めました…
 

 

④ 思い出の中のジルは、元気いっぱいの女の子。友人のオードラと一緒に1956年の冬期オリンピックで金メダルを目指していたジルですが、ある日オードラはポリオ(脊髄性小児麻痺)となってしまいます。

 激しいショックを受けたジルでしたが、彼女はどんな事があっても夢をあきらめない自称"あきらめの悪い女"。ジルは今まで以上に猛練習に励み、オードラの果たせなかった夢を遂げようと予選会に臨みましたが、今度はジルが大怪我を負ってしまい、首から下がほとんど動かない状態となってしまったのです…

 

大親友だったオードラが

スキーをリタイアした事に

ショックを受けたジルでしたが…

 

今度はジルが大事故によって

全身麻痺となってしまったのです!

 

 

 

さて、果たして自称"あきらめの悪い女"のジルは、果たして全身麻痺とい絶望を克服する事ができたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

寝返りすらできなくなったジル。

そんな彼女に明日はあるのでしょうか?

 

 

 

【私の感想】"あきらめの悪さ"は体力やスキルよりも強い

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、ここまでであえてジルの恋愛問題について解説しなかったのは、彼女の身に待ち受けていた恋愛の結末は、全身麻痺の絶望と同じくらい悲惨なもの。

 

本作でジルには3回の恋愛が訪れますが、どの恋の結末も、ジルには一切問題がないにも関わらず、相手が一方私的にジルの元から去って行ってしまうのです。

 

 

そう。

 

恋は思案の外 (こいはしあんのほか)。

 

 

人の愛とに、感情だけでなく、運命的なものも絡みついてゆくものであり、常識や道理だけではどうにもならない無常なものでもあるのです…

 

事故の直前、チームのバディから

愛の告白を受けていたジル。

バディからの告白の言葉は

「一緒にオリンピックに行こう」

だったのです…

 

 

私見ですがそんな本作はキネマ旬報社さんの解説にある不慮の事故で重傷を負った高校の女子スキー選手が暖い周囲の愛情で再出発するまでを描く映画というよりは望んでいた夢がことごとく全て打ち砕かれてれゆくジルの姿を描いた聖書のヨブ記のような作品であり、自信があった体力とスキー技能をすべて失ったジルが、自分が不得意だと自覚していた勉学と、車椅子の人間は教員として採用されないという当時の事情をどのように覆していっのかを描いた"あきらめの悪さ"の尊さを描いた映画ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

ジルがリハビリ施設で

出会った車椅子の男性は、

誰かの役に立つ仕事をしたい

と言ったジルに向かって

残っている体でできる事は何かを

考えるべきだと言います。

 

ちよっと腹がたったジルは

あなたは何をしたいのかと聞くと

「僕はあと一年しか生きられない」と

男は答え、それでもできる事を探し

一日一日を大切に過ごすと

ジルに伝えたのです…

 

さて、私たちは現在

あきらめ悪く生きているでしょうか?

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

いるの?いないの?

 

というテーマで

 

秘密の儀式

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆