こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑳というテーマで

 

決闘者(1956)

(原題:A DAY OF FURY)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズの最終回となっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

西部劇はバカバカしい?

 

本作は1956年に公開されたアメリカの西部劇。

 

時より、ご自身が好きではなかった映画を批判される際に「西部劇のようにバカバカしい内容」と形容される事があるのですが、発掘良品で紹介されている西部劇を鑑賞すると「バカバカしい」内容の作品は存在せず「西部劇=バカバカしい」と断定されるのには少し違和感を感じてしまいますあせるあせる

 

恐らくですが西部劇をバカにされる方が抱いていらっしゃる西部劇のイメージは

 

・単純な勧善懲悪モノ

 

・ネイティブアメリカンやメキシコ人を問答無用で殺害

 

・決闘、縛り首、酒場の喧嘩…みたいな内容ばかり

 

 

などではないかと思いますが、実際は

 

・理不尽な扱いを受ける弱者への差別や苦難

 

・肥沃な土地を求めて移動する苦闘の日々

 

・南北戦争が終わった事でカウボーイが衰退してゆく姿

 

などが描かれた考えさせられる内容の作品が少なくないのです🤠

 

 

尚、本作はそんな西部劇の中でも特に印象深い、現代にも通底するような問題を描いた逸品となっているのです…

 

平和な街が一日して

崩壊してゆく姿を描いた本作は

治安とは何かを

考えさせらる作品なのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

編集者出身の新人ハーモン・ジョーンズが監督し、製作はロバート・アーサー、ジェームズ・エドミストンがストーリーを書き、「グレン・ミラー物語」のオスカー・ブロドニーが共同脚色している。

撮影はエリス・W・カーター、主演は「西部の二国旗」のデール・ロバートソン、「タランチュラの襲撃」のマーラ・コーディ。
 

 

 

 
あれれ。
 
作品内容の解説が全然ありませんねあせるあせる
 

 

そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り!

 

① 映画の冒頭、山岳地帯を馬で移動していたジャゲディという流れ者が何者かが自分を狙っているのに気づき、とりあえず物陰に隠れます。

 

滝の上に怪しい男がいるのを発見し

岩陰に隠れたジャゲディ。

 

 

② その後、山には不似合いなスーツを着用した男がやって来て男と撃ち合いになり、スーツ姿の男に加勢したジャゲディは、待ち伏せしていた男を一撃で射殺してしまいます。

 

スーツの男と話しをした直後に

男の脇を撃ち抜くジャゲディでしたが…

 

ジャゲディが狙撃したのは

スーツ姿の男の後ろに潜んでいた

襲撃者だったのです。

 

 

③ 命を救われたスーツ姿の男は、自分はウェスト・エンドという近くの街で保安官を務めているアランという者で、今日結婚する予定だったが、お尋ね者ケンティという男が逃亡したので追跡していたと言い、自分の命を救ってくれたジャゲディをウェスト・エンドに招待するとの今日結婚式を挙げる自分は近くにあるウェスト・エンドという街で保安官をしているアランという者で、ジャゲディが倒してくれたのはお尋ね者であり、自分を救ってくれたお礼にジャゲディをウェスト・エンドに招待すると申し出たので、ジャゲディはケンティの死体を処理する事にしたアランよりも一足早くウェスト・エンドの街に向かう事にします。

 

アランが保安官だと知ったジャゲディは

保安官に保障されたなら

安心して街に入れると言って

一足先にウェスト・エンドに向かいます。

 

 

④ ですが街にジャゲディが入った瞬間、町の人々の顔色が変わりました。実はジャゲディは、かつて悪党としてウェスト・エンドに君臨していた悪党であり、アランが保安官として赴任して来る前に、町の総意で追放した男であり、ジャゲディを追放した後まウェスト・エンドは悪党のいない健全な街を目指して運営されていたのです。

 

古株の保安官はジャゲディが

ウェスト・エンドに帰って来たの仰天!

 

 

 

 

さて、果たしてかつて街を追い出されたジャゲディに対して、命を助けられた保安官のアランはどのような対応をする事にしたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

ジャゲディを危険視する男は

彼を暗殺しようとしますが

凄腕のジャゲディは

反撃して男を殺害しますが

正当防衛なので無罪!

こうして悪党は、正当な理由で

街に入り込んだのです。

 

 

 

【私の感想】悪党が最後に戻る場所

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は街の健全化計画が一夜にして瓦解してゆく姿を西部劇で描いた社会派映画。

 

一年前にジャゲディを追い出したウェスト・エンドは、健全な街を目指し売春婦を郊外に追い出したり、ばくち打ちが集まる酒場を日曜定休にしたりしていましたが、顔役のジャゲディが戻って来た事で、あっという間に街は元の荒廃したウェスト・エンドへと戻ってしまったのです。

 

街で一杯酒をおごると

アランに言われたジャゲディは

日曜定休の酒場を

無理矢理こじ開けてしまいますが

これも約束の履行なので

アランは罪には問いません。

 

 

 

そう。

 

街が健全になった時、喜ぶ人もいれば不満に思う人もいます。

 

 

本作は、悪の元凶のようなジャゲディがウェスト・エンドに降臨した事によって、今まで静かにしていた賭博や売春を望んでいた人間たちが、歓喜して街を無法地帯に墜としてゆく姿が淡々と描かれてゆくのです…

 

今は健全経営の酒場の女主人に

また売春婦を呼び寄せるよう

悪事を囁くジャゲディ。

 

そして大喜びで戻って来る娼婦たち。

健全化の努力は水泡に帰してしまいます…

 

 

私見ですがそんな本作は無法者のジャゲディの帰還によって崩壊してゆくウェスト・エンドの姿を描いた社会派サスペンス西部劇であると同時に、西部の果てと名付けられたウェスト・エンドは西部時代の終焉を意味するものであり、西部で勇名を馳せた悪党のジャゲディが、西武時代の終わりを告げられた時に行き場を失くして古巣へと戻ってゆく「悪党が最後に戻る場所」を描いた作品でありこれは現代でも同じなのではないかという事を考えさせられる作品としても観る事ができるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

悪党が行き場を失った時

戻ってくるのはかつての故郷。

そしてそんな悪党を帰還を

歓迎する人々もこの世には存在するのです…

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

メキシコ地獄変

 

というテーマで

 

生れながらの無宿者

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆