こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力とさらばレンタル映画屋さんというテーマで

 

SKIN/スキン(2019)

(原題: SKIN)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力とさらばレンタル映画屋さん?

 

本シリーズは令和5年10月31日を以て閉店となるSHIBUYA TSUTAYAのレンタルDVD事業への感謝をこめてお送りする特別企画。

 

2万6000本もの在庫を用意し、渋谷系というカルチャーの萌芽期から若者たちの映画の図書館のような存在だったSHIBUYA TSUTAYAさんに敬意を表し、閉店直前まで4階の特設コーナーで企画されていた作品群をご紹介させて頂ければと思います😉

 

 

 

 
 
A24作品①

 

10月17日以降TSUTAYA SHIBUYAのレンタル階は侵入禁止となっており、レンタル業務は遂に終了となりました。

 

ですので4階で開催されていたTSUTAYA SHIBUYAkの特集コーナーも既に存在しておりませんが、本ブログでは閉店直前まで行われていた、最後の企画の一つである「A24&BLUMHOUSE」について解説させて頂いております。

 

 

前回までは「BLUMHOUSE (ブラム・ハウス)」というスタジオが作製した作品を紹介して参りましたが、本日からは数回にわたって「A24」というスタジオの作品をご紹介して参りたいと思っております😊

 

 

尚、上記のTSUTAYA SHIBUYAさんの特集ポスターでは「ミッド・サマー」と「透明人間」という2つのホラー作品が並べて紹介されており、どちらもホラー系スタジオだと思われるかもしれませんが「A24」はホラー系ではなく、メッセージ性の強いインディペンデント系作品を配給されている企業!

 

代表作も「スプリング・ブレイカーズ」「ルーム」「エクスマキナ」「ロブスター」「ムーンライト」「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」「レディ・バード」など多岐のジャンルに渡っているため、ほぼホラー専門の「BLUMHOUSE (ブラム・ハウス)」とは、赴きが異なるラインナップとなっております。

 

 

ですで本日は、そんな「A24」の作風を把握できるような作品をセレクトさせて頂きました。

 

皆様の記憶に残る価値ある作品です。

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

米国のレイシスト集団“ヴィンランダーズ”の共同創設者ブライオン・ワイドナーの実話を映画化。

白人至上主義者グループ主宰者の下で育ち、その中核を担うようになったブライオンは、シングルマザーのジュリーと出会い、過去と決別しようとするが……。

出演は「ロケットマン」のジェイミー・ベル、「パティ・ケイク$」のダニエル・マクドナルド。

監督のガイ・ナティーヴが手掛けた短編「SKIN」がアカデミー賞短編実写賞を受賞したことで、長編映画化が実現した。

 

 

 

 
 

はい。

 

解説にある通り、本作は実話をベースにしたアメリカ国内のヘイト問題を描いた「アメリカン・ヒストリーX」のような作品。

 

 

尚、本作の冒頭のストーリーは以下の通り 。

 

① 本作の主人公バブスは、顔から胸にかけてタトゥーに覆われたノルウェー系のアメリカ白人。白人至上主義を主張するクルーガーというネオナチに所属している武闘派のバブスは、黒人、ラテン系、イスラム主義者など、自分たちと相容れない人々を排撃する過激な運動の急先鋒として一目置かれている男でした。

 

強面のバブスは、敵対勢力だけでなく

地元警察やFBIからも

要注意人物に指定されていました。

 

 

② そんなバグスはある日、クルーガーのイベントに余興として呼ばれたノルウェー民謡を歌う3姉妹の母でシングルマザーのジュリーという女性に出会って一目惚れしてしまいます。

 

初対面の時は、娘が襲われていると

勘違いしていたジュリーは

ネオナチとは無関係の北欧系白人。

 

ジュリーの娘たちの歌う

フォークソングをあざ笑った酔客に怒り

大男を殴りつけるバグス!

 

 

③ バグスとジュリーは相思相愛となり結婚を考えるようになりますが、ある晩ジュリー、クルーガーのネオナチ活動にバグスが参加しようとしているのを知り、その場でバグスと絶縁して娘たちを連れて出て行ってしまいました。

 

ジュリーの家族に受け入れられるよう

心を入れ替えたバグスでしたが…

 

ネオナチ活動を断れないバグスに

愛想をつかしたジュリーは

子供たちと共に家を出てしまいました!

 

 

④ 少しずつネオナチ活動から距離を置こうと考えていたバグスは、ジュリーの行動にショックを受けますが、その晩動員されたのはイスラム教のモスクを放火するためであり、モスクの中にはイスラム系難民の少年たちが寝泊まりしているを知ったバグスは、改めて自分が今までして来た事に恐怖を感じてしまったのです!

 

深夜にモスクに侵入して

寝ている少年事焼き殺そうとするクルーガーに

戦慄を覚えるバグス

 

 

 

さて、果たしてバグスはクルーガーの一員として少年たちの殺害を実行したのでしょうか、そしてバグスとジュリーの関係は、この後どうなってしまったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

過去に何度も逮捕歴があるバグスですが

恋をした事で、他者を攻撃する事を

躊躇するようになっていました。

そんなバグスはこの後、

どんな人生を歩んだのでしょう…

 

 

 

【私の感想】視野狭窄な祖国感情

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はヘイトクライムや人種対立などをテーマにした作品なのですが、詳細を見て行くと、移民国家であるアメリカの人種問題が単純なものではない事が理解できる作品。

 

白人至上主義を掲げるクルーガーですが、彼らは自分たちがバイキングを祖先に持つノルウェイ人である事を誇りに思っていますので、彼らのもまた移民の子孫である事は間違いありません。

 

ノルウェイ人のお祭りである

「NORDIC FEST (ノルディック・フェス)」を

開催しているクルーガーは

移民の排撃を掲げている団体ですが

彼らもまた移民の子孫です。

 

 

そう。

 

多くの人間は、生まれた場所を故郷だと認識するため、故郷以外から来た人間を移民として排撃しようとしますが、自分が移民の子孫である事は認識できなくなってしまうものなのです。

 

 

ですので本作では、黒人やヒスパニック系やイスラム系の移民を排撃しようとするノルウェイ系移民のクルーガーたちが、自分たちの意に従わないノルウェイ系の移民すら攻撃してゆくという、視野狭窄的なヘイトクライムが描かれているのです!

 

俺たちは移民の子孫だが

お前たちは移民だから出ていけ!!

という自己矛盾。

 

 

尚、本作のタイトルは肌を意味する「スキン」という単語。

 

私見ですが「スキン」は、バグスの上半身に彫られたタトゥーを意味しているのと同時に、自分の肌の色でグループを組織し、他の民族を排撃しようとする人種問題を意味する「肌の色」を意味するものであり、恐らくですが今後、この問題はアメリカだけではなく、2010年代後半から中東系の移民を大量に受け入れたヨーロッパ諸国で多発するであろう問題を先取したような作品となっていると思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

本作は希望の持てるラストですが

現実のバグスが、これからも憎しみの連鎖を

断ち切れるかどうか分かりません。

 

「A24」作品は、本作の様に

観客に社会問題を問いかけるような

内容が少なくないのです…
 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

A24とBLUMHOUSE⑥

 

というテーマで

 

LAMB/ラム

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆