こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とさらばレンタル映画屋さんというテーマで
GONIN(1995)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力とさらばレンタル映画屋さん?
本シリーズは令和5年10月31日を以て閉店となるSHIBUYA TSUTAYAのレンタルDVD事業への感謝をこめてお送りする特別企画。
2万6000本もの在庫を用意し、渋谷系というカルチャーの萌芽期から若者たちの映画の図書館のような存在だったSHIBUYA TSUTAYAさんに敬意を表し、閉店直前まで4階の特設コーナーで企画されていた作品群をご紹介させて頂ければと思います😉
10月3日現在、TSUTAYA SHIBUYA4階で開催されている企画の一つに「第34回 東京学生映画祭」というコーナーがございます。
東京学生映画祭さんのホームページを引用させて頂くと…
東京学生映画祭とは「東学祭」の名で知られる、日本で最も長い歴史を持つ国内最大規模の学生映画祭です。
学生の製作した映像作品を全国から募集し、コンペティション形式でグランプリを決定しています。
当映画祭は、学生ならではの自由な発想や感覚を大切にするため、多くの方々のご協力をいただきながら、学生のみで企画・運営を行っています。
との事ですので、学生ならでは感性や想いや情熱を感じさせるような作品がエントリーされる映画祭ではないかと考えられます。
そんな「東京学生映画祭」のコーナーには「オススメ作品」として、「アルジェの戦い」や「幸福 (しあわせ)」や「ダークナイト」といった、かなりエッジの鋭い作品が並べられておりましたので本日は、そんな「オススメ作品」の中から、石井隆監督の「GONIN」という作品をご紹介させて頂ければと思っております😆
石井隆監督といえば壮絶な暴力描写で有名!
当然本作もエクストリームなバイオレンス映画です。
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
むむむ。
私が鑑賞したのは109分版てしたので、本稿では劇場公開版の解説をさせて頂ければと思います。
本作の冒頭の内容は以下の通り 。
① 主人公の主人公は、ディスコの経営者をしている万代という男性。身なりの良いスーツを着こなし、高級車を運転している万代でしたが、大越組という暴力団から3000万円の借金をしており、組員がディスコまで取り立てにやって来ました。
自分の店で取り立てに来た組員に
衆人環視の中、暴行を受けている万代。
② 進退窮まってしまった万代でしたが、そんな時、客として店に来ていた三屋という美形のチンピラが、ちょっかいを出して来た暴力団員に喧嘩を売っているのを目撃し、三屋のような命知らずを集めて大越組の本部を襲撃して現金を強奪できないかと思いつきます。
万代に暴力を振るっていた組員に向かって
ナイフで攻撃する狂犬のような三屋!
万代は2年にも三屋と出会っており
彼となら仕事が出来ると確信していました。
③ ですが警戒厳重な大越組を襲撃するには2人だけでは戦力不足であると考えた万代は、金銭的に困窮していた元刑事で今はぼったくりバーの用心棒をしてい氷頭、タイ人の売春婦に入れあげた結果、大越組を破門されてしまったチンピラのジミー、そして妙な縁で知り合いになったリストラされた中年サラリーマンの荻原と共に、大越組襲撃を計画します。
大越組襲に呼び出された万代は
愛人のために組員相手に大暴れする
ジミーを発見!!
旧知の氷頭は刑事をクビになった後
妻と離婚し、幼い娘とも別居。
氷頭も妻子の為に金を必要としていました。
最後の一人は、リストラ・サラリーマンの萩原。
3000万円の住宅ローンが残る萩原は
リストラを妻に告げられず
鬱々とした生活を送っていました。
④ 組員のジミーが組の事務所に入った後で、内部から鍵を開けて侵入するという計画を立てた5人でしたが、既に組を破門されたジミーは事務所に入る事ができなかったため、仕方なく万代が借金を返済しに来たフリをして事務所のドアを開けさせるのに成功するのですが、結果として顔が割れてしまっている万代とジミーは実行犯になれず、三屋、氷頭、萩原の三人だけで大越組の事務所を急襲する事になってしまったのです
初手から失敗した結果、発案者の万代は
襲撃者ではなく人質役に!!
さて、果たして素人の萩原を含む3人の襲撃者は、大越組の事務所から大金を強奪する事ができたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
事務所に突入すると、そこには
麻雀で卓を囲んでいるボスと幹部たち!
万代たちの明日はどっちだ!?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は1997年という世紀末に公開されたバイオレンス映画ですが、本作と似たプロットの「喰い詰めた悪党が一攫千金のために、仲間を集めて強盗する映画」は、決して少なくありません。
例えば「突破口! (1973)」
銀行強盗なんて余裕だよ…
例えば「蜘蛛女 (1993)」
マフィアから横領すれば…
例えば「ヒート (1995)」
強盗に成功すれば…
例えば「シンプル・プラン (1998)」
この金を隠し通せば…
例えば「悪の法則 (2013)」…
まぁ難しい仕事じゃないよ…
これらの作品の登場人物たちは、金を奪った後に待っているであろう運命に気づかずに金を強奪した後、一人一人始末されてゆきます…
そう。
行き詰った末に実行した犯罪には、決してハッピーエンドが待っていないもの。
もちろん本作に登場する5人にも、それぞれに相応しい最後が待ち受けているのです。
この仕事さえ終われば、
俺たちには幸せが待っていると
信じている5人にも
残酷な運命が待っていたのです…
私見ですがそんな本作はキネマ旬報社んの解説にある通りバブル崩壊で世間からはみ出してしまった五人の男たちが仕組んだ強盗計画の顛末をスタイリッシュな映像で描くバイオレンス・アクションであると同時に行き詰った人々が一攫千金を求めた結果、残酷な運命を辿る映画は1950年代、1970年代、1990年代、2010年代という西暦の2桁目が奇数の年に多く作られる傾向があり、そう考えると2030年代にも、社会的に行き詰った人達に残酷な運命が待っている映画が作られる世相が形成されるかもしれないという事を考えさせられる作品としても観る事ができる気がするのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
尚本作には、交通事故直後の北野武氏が
眼帯をつけた殺し屋として出演しており
どことなく死の香りがする姿は
今観てもゾクッとする雰囲気なのです…
という訳で次回は
東京学生映画⑬
というテーマで
エンドレス・ポエトリー
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆