こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力と70年代クラヤミ・ホラーというテーマで

 

未亡人館の惨劇(1971)

(原題:BLOOD AND LACE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と70年代クラヤミ・ホラーとは?

 

本シリーズは70年代に公開された、おどろおどろしいホラー映画を特集したもの!

 

60年代のカウンターカルチャーの終焉や環境汚染問題、核戦争の恐怖や校内暴力、そして政治不信などが吹き荒れていた70年代のホラーは、どこか病んだ感じがする鬱展開のホラー!

 

ですがエンターテイメント系ホラーとは異なり、鬱展開のホラーは観終わった後についまでも記憶の中に残るような、忘れられない作品でもあるのです…

 

本作では、そんな70年代に作られた暗闇系のホラー映画を特集させて頂きました🎃👻💀😆

 

 

 

 

 

どんなホラー?

 

なんかインパクト抜群のポスターですが、サングラスをかけた男が黒髪の女性をハンマーで殴るシーンが存在しないのが、本作のすごいところ!!!

 

本は、正体不明の人物にハンマーで殴打されて殺された金髪の女性の娘が体験する、現代でも起こり得るような恐怖の体験を描いた傑作ホラーなのです😆

 

映画の冒頭、ハンマーを持って

金髪の女性に近づいてゆく謎の人物は

終始顔が見えませんので

サングラスの男ではないのですあせるあせる

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

『ドクター・ゾンビ』のメロディ・パターソン主演によるスプラッターホラー。

ある夜の寝室、ことを終えて眠る男女がハンマーで殴られ惨殺された。

唯一生き残った娘のエリーは施設に預けられるが、そこでは恐ろしい拷問が待ち受けていた。

【スタッフ&キャスト】監督:フィリップ・ギルバート 原作・脚本・製作:ギル・ラスキー 製作:エド・カーリン 撮影:ポール・ヒップ 出演:メロディ・パターソン/グロリア・グレアム/デニス・クリストファー/ミルトン・セルツァー

 

 

 

 

…ドクター・ゾンビって何??

 

1989年公開の「ドクター・ゾンビ」は

ビデオ発売のみの日本では劇場未公開作品あせる

 

原題は「THE IMMORTALIZER」

80年代を感じさせる雰囲気です😆

 

 

ちなみに本作はスプラッターホラーではなく、どちらかというとサスペンス系のホラーであり、冒頭の内容は以下の通り 。

 

① 映画の冒頭、ハンマーを持った謎の人物により金髪の女性と横にいた男性が殺されて家には火が放たれますが、2人は夫婦ではなく、殺された女性は「誰とでも寝る女」と近所で評判だった女性でした。

 

ハンマーで殺害された女性は恋多き女でした。

 

 

② 火事の中、唯一生き残った娘のエリーは未成年の孤児となり、ディア夫人が運営する孤児院に引き取られる事となりました。事件を担当したカルビン刑事は、ディア夫人の孤児院は子供たちが楽しく暮らしている模範的な場所だと言いましたが、実態は、子供を預る補助金目当てに子供たちを監禁する施設で、逃亡を試みた子供は、拷問されたり殺害されたりする場所でした!

 

逃亡を試みた少年の手を

斧で切断するのは

ディア夫人の館で働いている

下男のクレッジ!

 

 

③ もちろん子供の数が減ってしまえば補助金は減額されてしまいます。だからディア夫人は、死んだ子供たちの遺体を冷凍室で保存しておき、調査のためにソーシャルワーカーのハロルドが来る日だけ、死体をベッドに寝かして病人のフリをさせていたのです。

 

ソーシャルワーカーの調査日には

クレッジが死体を冷凍庫から

病室へと運び込みます。

 

④ そんなディア夫人の孤児院に入所したエリーですが、ディア夫人は既に亡くなった自分の夫が、生前エリーの母親に入れあげていた事を恨みに思っていた上に、クレッジからの色目を使われ、貞操と命の危険を感じて孤児院を脱出する決意をしたのです!

 

ディア夫人に睨まれれば拷問!

 

隙を見せればクレッジの襲撃。

「あの好き物の母親の子供だろ!」

 

 

むむむ。

 

なんだかよくあるホラー映画っぽい展開ですね汗

 

 

 

 

さて、果たして恐怖のディア夫人の孤児院に収容されてしまったエリーには、どんな運命が待ち受けていたのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

普段は無人の病室ですが

エリーと同伴してやって来た

ソーシャルワーカーの調査のために

死体を寝かせておきました。

 

けれど何も知らないエリーは

病室に入ってしまい

顔色の悪い少女に向かって

声をかけてしまったのです!

 

死体に話しかけたエリーの

明日はどっちだ!?

 

 

 

【私の感想】現代の諸問題は50年前から!!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は前半と後半で作品の内容がガラリと変わる「一粒で二度美味しい」タイプのサスペンス映画!

 

映画の冒頭は、身持ちの悪いエリーの母親の惨殺事件と、エリーが入所する事になったディア夫人の孤児院の裏側を描いた作品であり、ここまでの展開は、母親を喪って天涯孤独になった可哀そうなエリーが主人公のサスペンスという感じなのですが、ディア夫人が大量の補助金を欲しがる理由や、母親の事を嫌っていながらも母と同じように孤児院の男子に色目を使うエリーの様子や、孤児院の真実が判明しても多くの子供たちが、その後行くところがない事を理由に「このまま残ろう」というショッキングな決断をするところなど、現代に通底するような社会の闇が暴かれてゆくのです!

 

最初は孤児院に行くのを

激しく拒否していたエリーでしたが

美男子がいるのを知って

彼を篭絡して一緒に脱走しようと

持ち掛けます。

 

あれれ?

ひょっとしてエリーも

母の血を色濃く継いでいる

身持ちの悪いタイプなのでは…

 

 

 

そう。

 

社会には、太古の昔から必ず闇が存在しているもの。

 

 

私見ですがそんな本作には、母親の育児放棄、子供への虐待や性加害、社会制度を利用した公金の搾取、そして怨恨による残忍な殺人と、金目的の冷酷な殺人という現代社会でも問題視されている社会問題が全て描かれている社会派のホラー映画ではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

全てを知ったエリーが

孤児院の異常性を説いて脱走しても

誰も逃げようとしない

茹でガエルのような少年少女たち。

この社会への無関心も

現在大きな問題となっているのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

毒を喰らわば…

 

と言うテーマで

 

処刑軍団ザップ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい日本未公開1970年代ホラー

「GIRL SLAVES OF MORGANA LE FAY(1971)」

 

二人のフランス人少女が森で道に迷い、

誤って魔術師モルガナ・ル・フェイの世界に

入り込んでしまいます。

 

女魔術師モルガナ・ル・フェイは

恋人として永遠に若さを保つか、

ダンジョンで永遠に腐っていくかの選択を

2人に迫るようです!

 

70年代カルチャー系の映画としても

興味深いレズビアン・ホラーです!