こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力と70年代クラヤミ・ホラーというテーマで

 

 

脱出(1972)

(原題:DELIVERANCE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と70年代クラヤミ・ホラーとは?

 

本シリーズは70年代に公開された、おどろおどろしいホラー映画を特集したもの!

 

60年代のカウンターカルチャーの終焉や環境汚染問題、核戦争の恐怖や校内暴力、そして政治不信などが吹き荒れていた70年代のホラーは、どこか病んだ感じがする鬱展開のホラー!

 

ですがエンターテイメント系ホラーとは異なり、鬱展開のホラーは観終わった後についまでも記憶の中に残るような、忘れられない作品でもあるのです…

 

本作では、そんな70年代に作られた暗闇系のホラー映画を特集させて頂きました🎃👻💀😆

 

 

 

 

 

どんなホラー?

 

本作の原題は「DELIVERANCE (脱出)」ですので、DELIVERANCEは救助、釈放、解放という意味のある汎用性が高い単語。

 

ちなみに本作の場合、「脱出の映画」なのか「救助の映画」なのか「釈放の映画」なのか「解放の映画」なのか、判断に迷う作品となっているのです…

 

異様な雰囲気の本作のポスター!

これは脱出か?救助か?釈放か?介抱か?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

自分の男らしさを試すためにすすんで危険に挑んだ4人の男たちが、その危険がもたらした予想外の事態に狼狽し、逆に人間の弱さや卑屈さを醜く露呈していく姿を描く。

製作・監督はジョン・ブアマン、原作・脚本は詩人ジェームズ・ディッキー、撮影はヴィルモス・ジグモンド、編集はトム・プリーストリーが各々担当。

出演はジョン・ヴォイト、バート・レイノルズ、ネッド・ビーティ、ロニー・コックス、ビル・マッキニー、ハーバード・カワード、原作者のジェームズ・ディッキー、エド・ラミー、ビリー・リーディンなど。

 

 

 

 

おお。

 

これは素晴らしい解説ですね!

 

 

そんな本作の冒頭の内容は以下の通り 。

 

① 大都会アトランタに住んでいるエド、ルイス、ドリュー、ボビーの4人男性は、ジョージア州北部の山奥がダムになり、カフラワシー川の急流が湖によって失われてしまう事を知って、ダム建設が終わる前にカヌーでの川下りに挑戦する事にします。

 

アトランタの発展のために

自然豊かな地方が破壊される!!

よし、無くなる前の自然を

堪能しに行こう!!

 

 

② カフワラシーの上流へと車で向かった4人ですが、カヌーで川下りをすため、予め自分たちの車を下流に届けておかなければならず、現地に住んでいる人に車の運送を頼む事にしますが、田舎言葉の地元民をバカにするような態度の4人は、あまり好感度を持たれていないような感じでした。

 

なんだこのボロボロの家は、

とても人が住めるような場所じゃねぇ!

地元民を嘲笑するような態度のボビー。

 

 

③ 何とか地元民との交渉が成立し、川の上流に到着した4人は2人一組となってカヌーに乗り込み川下りを始めますが、急流も多い渓谷での川下りは、4人に大自然の雄大さと生きている充実感を感じさせ、その晩は川辺で野宿をする事になりました。

 

これが大自然の雄大さだ!

来て良かったよ!!

 

 

④ 翌朝、メンバーを入れ替えて川下りを再開した4人でしたが、途中、先行していたボビーとエドがカヌーを停泊させて休んでいると森の奥に人がいるのを発見!

 挨拶をしようと森へと入ったエドたちでしたが、森の中にいたのは銃を構えた人相の悪い2人組は、問答無用でエドを木に縛り上げた後、小太りのボビーは全裸になるよう命じられてしまったのです!

 

森の中に人の姿!

 

けれど近づいてみると

彼らは銃でボビーを向けて

エドを拘束した後に

裸になるようボビーに命じたのです!

 

 

 

…なんか、想像していなかった展開ですねあせるあせる

 

 

さて、果たして水没する森の中で行動していた2人の無法者は、一体何が目的でエドとボビーを襲撃したのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

エドを見張っている男は

隻眼で下顎の歯が抜けている男!

メチャクチャ不気味な男たちに

拘束されてしまった

ボビーとエドの明日はどっちだ!?

 

 

 

【私の感想】慢心ら生まれるのが恐怖!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はホラーではなくサスペンス映画に分類されている事が多い作品。

 

ですが私としては、本作で描かれているテーマは間違いなく「恐怖」であり、ホラー映画に分類したとしても間違っていない作品だと考えています。

 

そう考える理由は、ホラー映画には、登場人物の慢心によって恐怖が生み出されてゆく作品が少なくないから!!

 

過去にあった惨劇を気にしない人々が恐怖を味わう「13日の金曜日」や「バーニング」!

 

「13日の金曜日 (1980)」

 

 

禁忌を無視した慢心によって恐怖を味わう「ヘルレイザー」や「死霊のはらわた」

 

「ヘルレイザー (1987)」

 

 

恐怖から逃亡する事ができるという慢心が悲劇を呼ぶ「ゾンビ」や「ファイナル・デスティーネーション」

 

「ファイナル・デスティネーション (2000)」

 

 

そう。

 

恐怖とは、普段私達が意識していない慢心の奥に潜んでいるのです。

 

 

そして前述した通り本作は「自分たちで行くと言ったダムの上流からの脱出の映画」であり「絶対絶命となったエドやボビーを救助する映画」であり「罪の意識を負ってしまった人間の魂を釈放するシーンが描かれた映画」であり「社会的な制裁から解放されるために心の中で失うものを描いた映画」にもなっているのです…

 

殺されると思っていたエドですが

異変に気付いたリーダー格のルイスが

矢を撃ち込んでくれました!

でも、これって殺人では汗

 

 

私見ですがそんな本作は、自分たちは自然への敬意と理解があると信じていた4人の都会人が、実は森で暮らしいる人間の事も、自然の事も、そして人を殺してしまう事によって背負う事になる罪悪感や、復讐に怯える恐怖などの感情を全く理解していなかった事が判明してゆく怖い怖い映画であると同時に、もし何か有事が発生した場合、普段大所高所から理想論ばかり発言している私達現代人は、一体どうなってしまうのかを考える端緒となる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

映画の序盤、4人の中で最も優しく

地元住民に理解があるサテュは

バンジョーを持つ少年と

即興でセッションを成功させますが

たとえ音楽で気持ちが繋がっても

土地の人と心が通じ合うかは

全くの別問題なのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回も本作の類似作として

 

ヘンゼルとグレーテルの恐怖

 

というテーマで

 

デビルズ・トラップ

密室ホテル女子学生の恐怖

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい日本未公開1970年代ホラー

「INCENSE FOR THE DAMNED (1971)」

 

オックスフォード大学の

ギリシャ神話学者リチャードは、

謎のギリシャ人女性クリセイスに支配され

吸血鬼と化してしまいます。

 

かのピーター・カッシング氏が出演する

異色の吸血鬼映画のようなので

配信またはDVD化を希望いたします!