こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と今昔まんがまつりというテーマで

 

映画大好きポンポさん (2020)

(英題:POMPO: THE CINEPHILE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★"今昔まんがまつり"とは?

近年発表されるアニメーション映画の本数は膨大なものとなり、すべてのアニメーション映画を閲覧する事は不可能な時代へと突入しています。

 

推しのアニメを一生見続けられるというのは幸せな事ではないかと思いますが、その一方で、自分が知らないアニメと出会うための時間を作るのは、簡単な事ではなくなりつつあるのではないでしょうか?

 

本シリーズはそんなアニメの百花繚乱時代において、かつて日本に存在していた「東映まんがまつり」や「東宝チャンピオンまつり」のような、雑多なアニメが一挙に上映されるようなイベントがもし存在したとしたら、どんな効果があるかをシミュレーションしてみようという夏休み企画!

なんとなく立ち寄った古本屋さんに素敵な本が見つかったり、何気なく観に行った3本立ての名画座で、大好きな作品巡り合えるような、そんな偶然をご提供できればと思っております😊
 

 

↑本シリーズの概要はコチラ!

 
 
どんな作品?

 

本作は2020年に公開されたアニメーション映画。

 

本シリーズは古今東西の様々なアニメーションを組み合わせて「かつて夏休みに映画館で開催していた"まんがまつり"のようなオムニバス上映会を開催するとしたら、どんな作品をセレクトしたいか?」というテーマで映画をご紹介させて頂くという夏休み特別企画!!

 

自分が観たい作品だけを観るのではなく、"まんがまつり"で上映されていたので、何となく観たら面白かった!という映画との出会いも意外と大切なのではないかと思い、可能な限りタイプの違う作品を集めてみましたが、いかがでしたでしょうか?

 

様々なタイプの作品がセレクトされた

昭和の"まんがまつり"は、

自分が知らないアニメーションに

出会える場所でした!

 

 

そんなシリーズで最後ととなる本作は、もし“語り継ぐべき今昔まんがまつり”という企画があった場合、必ずセレクトして欲しい、私の中でオール・タイム・ベストとも言うべき作品なのです😆

 

映画のファンの方にも

アニメ・ファンの方にも

観て頂きたい傑作なのです!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

杉谷庄吾【人間プラモ】による人気漫画を原作にアニメ化。

敏腕プロデューサーのポンポさんは、映画の都ニャリウッドで日夜映画製作に明け暮れていた。

そんなある日、アシスタントの“映画の虫”ジーンは、突然ポンポさんから脚本を渡され、監督に指名される。

声の出演は「ホットギミック ガールミーツボーイ」の清水尋也、『スター☆トゥインクルプリキュア』の小原好美。

監督・脚本を「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」の平尾隆之が務める。
 

 

① 映画の主人公は、映画業界で敏腕プロデューサーと名高いポンポさんの下でアシスタントとして働いているジーン・フィニという青年。常に目にクマを作って自信なさげに話しているジーンは、一見すると陰気なキャラに見えますが、映画をこよなく愛しているジーンは、人生の全てを映画製作を軸にして生きているタイプの人間であり、ポンポさんの下で体験した事を全て吸収いきたいと考えていたのです。

 

主人公のジーンは地味な雰囲気ですが

映画への深い情熱を持つ青年。

 

彼はどんな作品からも

学ぶべきポイントを発見してゆく

映画への強い情熱を持った男でした!

「あのアングルはカッコいい!」

 

 

② そんなジーンの性格を見抜いていたポンポさんは、新作のB級ホラー映画の15秒CMの監督をジーンに託すことにします。最初は極度のプレッシャーでパニックに陥ってしまうジーンでしたが、15秒の編集作業でも監督魂を発揮したジーンは、ポンポさんを納得させるようなCMを作り上げ、次にポンポさんがプロデュースする「MEISTER」という文芸大作の監督にジーンを抜擢します!

 

アシスタントとして全撮影現場を

記憶しているジーンにとって

15秒CMでも作品として生み出せるのは

至高の歓びだったのです!

 

 

③ そんな「MEISTER」は既に映画界から引退しているマーロン・ブランドに似た名前のマーティン・ブラドッグという俳優を主演に据えた感動大作!強面なマエストロ(指揮者)を演じるマーティンの凍てついて心を癒すヒロインとしてポンポさんが選んだのは、まだ女優経験が一回もないナタリー・ウッドとよく似た名前のナタリー・ウッドワードという新人女優。なぜ大ベテランのマーティンに素人同然のナタリーを選んだのかとポンポに聞いたジーンに対し「自分が書いたこの映画の脚本は当て書きだ」と言い売ます。ちなみに「当て書き」とは、あらかじめ演じる俳優を決めて脚本を書く事であり、ポンポはオーディションで一目見たナタリーにヒロインを演じてもらいたいと考えていたのです!

 

脚本を読んでいたジーンは

部屋に入って来たナタリーを観た瞬間、

ヒロインのリリー役だと確信しますが

ポンポさんは当初からナタリーを意識して

脚本を書いていたのです!

 

 

④ そんな大ベテランと超新人で処女作を監督する事となったジーンですが、映画に対する情熱は俳優やスタッフの心を動かし、撮影は順調に進み無事にクランクアップ。後はジーンが監督自ら編集作業を行って、映画として完成させるだけの状態となりますが、自身が撮影した72時間分のフィルムの編集を開始したジーンは、自分が映画として完成させたかった作品として足りない部分ずある事に気づき、編集作業がストップしてしまったのです!!

 

大ベテランのマーティンに

自身のアイディアを具申するジーンり

良い作品にしたいと想いは

俳優たちやスタッフの心を動かしますが…

 

編集を始めたジーンは

自分が目指している作品として

足りないものがある事に

気づいてしまったのです!

 

 

さて、果たして映画をこよなく愛しているジーンの処女監督作として作りたかった「MEISTER」とは、どんな作品だったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

既に撮り終わった作品に

足りないものがあると言うジーン。

そんなシーンが目指している作品とは

どんな内容だったのでしょう?

 

 

 

【選ばせて頂いた理由】観客が追体験できる物語!!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作を選ばせて頂いた理由は以下の3つ。

 

選ばせて頂いた理由① 観客が追体験できる物語

 

本作は、映画界で初監督をする事になったジーンの目を通して、映画というものがどのような過程で作られて行き、作り手側である監督やプロデューサーや俳優やスタッフたちが、どのような想いで映画作りに参画しているかを観客が追体験できるように作られている映画を作る側の視点で映画を観る事で映画というメディアの素晴らしさが理解できるだけでなく、気づけば自分もジーンと共に映画を製作しているような感覚になる映画という多重構造となっている作品であり、本作のような内容は映画の現場を知っている人につか作る事ができないと思われますが、それを原作であるマンガで描き切ったマンガ家の杉谷庄吾先生の見識と映画への愛が伝わって来る作品であり、類似作としては「ブリグズビー・ベア」や「僕らのミライへ逆回転」が挙げられると思います😊

 

ポンポが近年プロデュースしているのは

B級ホラー映画ばかりですが

ホラーは多くの観客を楽しませる

という目的で製作されるジャンル!

 

本作は、そんな普通の方が気づかない

映画という媒体が持っている

本質的な価値を教えてくれるような

作品にもなっているのです。

 

 

選ばせて頂いた理由② イマジネーションの具現化に必要な人とは? 

 

そんな本作は、タイトルが「映画大好きポンポさん」ですので、本作の主人公はポンポさんだと思われるかもしれませんが、完全無欠のポンポさんは主人公というよりは、彼女の周辺で自分の夢を叶えようとしている人たちに、勇気やチャンスや打開策のヒントを与えてくれる存在であり、ポンポが存在しなければ、ジーンの成長どころか、本作から映画として成立する事がてきない重要なキャラクター。

 

そして恐らくですがクリエイティブの世界では、ポンポさんのような存在の有無が作品の成否にかかわってくるのではないかと思われます。

 

 

そう。

 

現場でスタッフが全力を出し切る事ができるのは、自分たちのイマジネーションを具現化する勇気を与えてくれる理解者が存在するからなのです😊

 

いつも元気に登場し、

頑張っている仲間たちを励まし

ゴールへ導くポンポさんは

映画が大好きだからこそ

皆が全力を出せる環境を整える

理想の上司なのです😄

 

 

選ばせて頂いた理由③ エクセルシオールへのステップとは?

 

でも、そんなクリエイティブな製作現場なのに、ジーンはどうして悩んでしまうのでしょう?

 

 

はい。

 

実は悩みこそが人間の成長の糧であり、真実に辿り着くための方法であり、エクセルシオール (より高い場所)へのステップに至る道!

 

 

本作で製作される「MEISTER」という映画は、自分自身の才能を潰そうとしている老指揮者が、人生を楽しむ事を教えてくれるリリーという少女に出会った事で、自分中の暗闇から脱出した瞬間に美しい光景が広がって行く映画であり、そんな作品を撮っているジーンもまた、老指揮者と同じように、処女作をどう作るかを悩んだ末に、ポンポという少女と出会う事で、美しい光景を観る事ができるようになる「入れ子構造」の作品であり、私見ですがそんな本作のテーマは、映画を観た観客にも、彼らと同様に苦悩の先に見える美しい光景を信じて、前に進んで欲しいという願いを込めて作った「二重入れ子構造」の作品となっていると思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

良い作品を作り上げるためには

自身との戦いが必要!

本作はジーンの成長を観た観客が

自身の成長のキッカケになるよう作られた

作品ではないかと思います…

 

 

 

 

 

という訳で次回は、本シリーズの総括を行いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たいクリエイターをサポートする存在が登場する映画

「オールウェイズ」

 

故オードリー・ヘプバーンの

遺作てである本作は

ヘプバーンがイマジネーションという

不思議な存在で登場する作品。

 

本作をストレートにご覧になると

何のためにヘプバーンが登場したのか

全く分からないもしれませんが

ヘプバーンの余命を知った

本作の監督である

スティーブン・スピルバーグ氏が

彼女を最後の作品で

これから映画界に進もうとする

挑戦者たちを応援する

魂のような存在として描いたのなら

本作でヘプバーンは

永遠に映画界で生き続けている

ポンポさんのような存在に

なったのかもしれません…