こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と今昔まんがまつりというテーマで
MEMORIES(1995)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★"今昔まんがまつり"とは?
↑本シリーズの概要はコチラ!
本作は1995年に公開された日本のアニメ映画。
前回まで「思春期の子供向け」まんがまつりシリーズを終了させ、本作から「センス・オブ・ワンダー」まんがまつりとして6つの作品をセレクトさせて頂こうと思っております。
センス・オブ・ワンダーとは、不思議な心理的感覚を味わった時に使用される言葉!
ですのでこれからの6作品は「センス・オブ・ワンダーまんがまりつ」というテーマで、観終わった後に観客を福城な感覚に陥れるようなアニメ作品をセレクトさせて頂ければと思います😆
映画の冒頭、映像の断片が集まって
タイトルになる本作は
センス・オブ・ワンダーな作品なのです!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
むむむ。
私としては大友克洋氏はジャパニメーションの先駆者ではなく、ジャパニメーションの優れた継承者の一人であると考えるのですが…
尚、そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。
① 【前提条件】本作は、大友克弘氏が製作総指揮と総監督を務め、3つの短編アニメをオムニバス形式で上映した作品。本作に限らず大友克洋氏は短編アニメのオム二バス映画を製作しており「ロボット・カーニバル (1987)」や「SHORT PEACE (2013)」といった類似作品も存在しています。
大友克洋氏が監修した
3つのセンス・オブ・ワンダーとは?
② Episode.1「彼女の想いで」 2092年。宇宙空間で廃棄されたゴミ(スペース・デブリ)の破壊を請け負っている4人組は、宇宙の辺境で救難信号を受信します。放っておく訳にもいかず救難信号の発信元に向かった彼らは、破棄されたと思われる大型宇宙船を発見しますが、船内に入ってみると、宇宙船は100年前のオペラ歌手のプライベートだった事が判明したのです…
スペースデブリを爆縮させて排除させる
2090年代の宇宙ゴミ処理業者たちが
救難信号を受けた先に待っていたのは…
豪邸のような装飾が施された
100年前のオペラ歌手の宇宙船だったのです!
③ Episode.2「最臭兵器」 舞台は冬のやまなし。風邪をひきフラフラした状態で出社した製薬会社に勤務していた田中は、所長が風邪の特効薬のサンプルを持っているという噂を聞き、こっそり所長の机にあったカプセルを飲んでしまいますが、田中の行動は世界崩壊の序章となってしまったのです…
風邪をひいてしまった田中は
所長の机の上にあった風邪薬の試薬を
飲んでしまいますが…
薬を飲んだ田中の周辺では
人々が次々と死んでしまったのです…
④ Episode.3「大砲の街」 町が大砲で覆われている都市に住む少年は、将来は砲手となって華々しく活躍したいと思っていましたが、そんな少年の父親は、何の目的で大砲を撃つのかも分からないまま、砲弾を装填する日々を送っていたのです…
将来は砲撃手になりたい少年ですが…
少年の父親は、誰と戦っているのか分からず
砲弾を装填するだけの日々を送っていたのです。
さて、3つのショートストーリーのラストには、それぞれ何が待ち受けているのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
100年前の廃墟化した宇宙船内には
何が蠢いていたのか…
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作を選ばせて頂いた理由は以下の3つ。
選ばせて頂いた理由① 質感の異なる作品
本作をご覧になった事がある方はご存じたと思いますが、本作は2つの作品のテイストが全く異なっており、観客の視点によって作品の好悪が分かれるように作られているオムニバス映画。
私見ですが恐らく、クリストファー・ノーラン監督作品がお好きな方はEpisode.1「彼女の想いで」が、イーライ・ロス監督作品がお好きな方はEpisode.2「最臭兵器」が、そしてアンドレイ・タルコフスキー監督作品などがお好きな方はEpisode.3「大砲の街」がお気に召すのではないかと思われます。
巨大砲台が砲弾を撃つだけの
「大砲の街」を退屈だと感じる方も
いらっしゃると思います…
ですが逆に考えれば本作は、自分がどんな作品が好きで、どんな作品が好みではないのかが自分でも理解できるようになる自己分析が可能な作品!
ですので本作でセンス・オブ・ワンダーを感じてみたい方は、まずは全作品を通して見て頂き、自分にとってどれがセンス・オブ・ワンダーだったのかに気づいて頂ければと思います😊
選ばせて頂いた理由② タッチで観るアニメのテイスト
先ほどの項目では「作品を好悪」について述べさせて頂きましたが、この観方は個人的な感情に起因するものですので、作品の特性を論じるものではないと思います。
ですので今度は、作品の質感 (タッチ)に注目して本作を観て頂けると、本作は(恐らくですがあえて)タッチの違う作品をセレクトしたのだという事が分かって頂けると思います。
Episode.1「彼女の想いで」は、とにかくリアルな描写に拘った臨場感のあるアニメーション。
Episode.2「最臭兵器」は、ジャパニメーションならではミサイル乱打が見れる90年代らしいアニメーション!
Episode.3「大砲の街」は、ソビエト連邦時代に作られたような軍政国家のプロパガンダ映画っぽいテイストのアニメーション。
そう。
ジャパニメーションとは、一つのパターンが流行したものではなく、同時多発的にたくさんのテイストの作品が百花繚乱の如く芽吹いた文化的な現象の表しているのです!!
選ばせて頂いた理由③ 絵画鑑賞的なアニメーションとは?
はい。
ここまでのステップで何となくご理解頂けたと思いますが、そんな本作はエンターテイメント性の高い作品ではなく、絵画のようにじっくりと鑑賞する事で感性や知性を刺激し、観客の想像力や創作意欲を刺激するタイプの作品。
類似作品としてはビートルズの「イエローサブマリン」やディズニーの「ファンタジア」などが有名だと思います😆
なお私見ですが、映画監督としての大友克洋氏は、常に新しい表現を求めて試行錯誤されているような方であり、本作はそんな大友監督が1990年代に作った、大友克洋展に飾られた3つの絵のような作品であり、鑑賞者はそれぞれのタッチの違いや表現方法を鑑賞した後に、絵画に描かれているテーマについて想いを馳せる事ができるように作られた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
もし永遠の美を実現したいなら
キレイな状態が永遠にループし続ける
映像を作ればOKだと考えるべき?
皆様が考える、最もバカバカしく
最も哀れな人類最後の日とは?
実際の戦場を知らない少年は
どんな夢をみるの…
という訳で次回は
「センス・オブ・ワンダー」今昔まんがまつり②
というテーマで
ヘヴィメタル
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい大友克洋監督のオムニバス作品
「SHORT PEACE」
2013年に作られた
ネオジャパニメーションの
オムニバス映画は
大友克洋の元に集まった
才能たちの饗宴なのです!