こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑲というテーマで
男性の好きなスポーツ(1964)
(原題:MAN'S FAVORITE SPORT?)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
↑今月のラインナップの詳細はコチラ!
本作は1964年に公開されたアメリカ映画。
「男性の好きなスポーツ」というタイトルからは、なんとなく男性が観て楽しむためのような作品に思えるかもしれませんが、本作は、どちらかというと女性上位の時代の到来を予見していたような女性の方が観て楽しめるようなタイプの作品!
本作では、古来より男性のスポーツであると言われて来たフィッシングをテーマにした、1960年代の同調圧力ブームを風刺したコメディ映画なのです😊
原題は「MAN'S FAVORITE SPORT」
ではなく「MAN'S FAVORITE SPORT?」
ですので、本作の正しい邦題は
「それ本当に男性が好きなスポーツ?」
という感じなのです。
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
そんな本作の冒頭のストーリーは以下の通り。
① レジャー用具店に勤務しているロジャーは釣り師としても有名を馳せている男。彼の著書である「釣りの秘訣」という本はベストセラーとなっており、彼にアドバイスを求めるファンたちは、日々釣具コーナーに詰めかけていました。
ご安心下さい。お客様の悩みは
私の本のこのページで
説明させて頂いております!
② そんなある日、ロジャーは社長に呼び出され、ワカプーギー湖の不動産を多数所有しているイージーとアビーという二人の資産家に協力して、ワカプーギー湖で開催される釣り大会にゲストするよう命じられ、真っ青になってしまいます。
ロジャー君。我が社のスポンサーの
イージーさんとアビーさんの為に
彼女たちの湖で開催される
釣り大会に参加して来て欲しんだ!
③ ロジャーの顔色が変わった理由は、彼の釣り知識が学生時代バイト先の釣具店で聞いたものばかりであり、実際に釣りをした事むなんて一度もなかったから!もちろん、この事は社長しらないロジャーのトップシークレットでした
ロジャーは釣り具だけでなく
アウトドア製品なんて
一つも使った事がない男でした。
④ 進退窮まったロジャーは恥を忍んでイージーとアビーに、自分は釣りなんてやった事がないと告白しますが、アウトドアスポーツ万能のアビーは、自分が釣り大会までに特訓するので、秘密を社長に秘密をバラされたくかったら大会に参加するよう脅迫して来たのです!
誰にも聞かれたくないロジャーは、
2人をピアノ博物館に連れて行き
色んな自動ピアノを演奏させ
喧騒の中で自分の秘密を暴露します。
「実は僕は釣りの素人なんだ!」
…なんだか、昨今ネットで炎上している経歴詐称マンみたいですね
さて、果たして釣り未経験者のロジャーは、アニーの指導の元、短期間で釣り名人になる事ができたのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
アウトドア未経験のロジャーは
ボートの運転だってした事ありません。
ああっ。いきなり湖に転落!!
もちろん水泳もダメですが
会社で販売している
救命胴衣型のズボンを使って
なんとか水面へ上昇!
ですが空気を止められず
今度は上下逆転して拷問状態に!
ロジャーのレッスンは
釣りまでたどり着けるのか!?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作のような1960年代のコメディ映画を観ると、当時の社会が、社会進出を果たして人生をエンジョイしようとしていた女性たちと男性が、新時代を生み出して行こうと模索していた時代であり、既に男性だから優位という社会ではなくなっていた事が理解できると思います。
では、なぜ男性優位の社会ではなくなっていたのでしょう?
その答えは、第二次世界大戦が集結して平和が訪れた1945年以降に、世界中で子供を出産するブームか起きた事を考えれば、お分かり頂けるのではないかと思います。
そう。
1945年以降に生まれた莫大な子供たちが20歳前後に成長するのが1965年!
人類史上でも類を見ない多数の子供たちが成人となって生き方を主張し始めた1960年代は、それ以前の世代とは異なるルールで男女の格差をなくしていこうとしたカウンターカルチャー全盛の時代だったのです。
圧倒的多数となった若者世代は
ラジオ、TV、雑誌などで
新時代のカルチャーを形成しながら
新しい男女関係を
生み出しつつありました。
釣りは男性のスポーツ??
あたし、釣り大好きよ
私見ですがそんな本作は1960年代の若者文化の台頭によって消滅しつつあった趣味や嗜好の男女差の姿が描かれているコメディ作品であると同時に現代においては、絶えず新世代同士で新しい生き方が生まれ続けている状況であり、別世代が声高に社会変化を求めたり、幼い子供たちに自分たちのルールを強制しようとする事はナンセンスだという事を考える端緒となる作品としても観る事ができるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
本作では男性のロジャーが
ヘナヘナしており
女性のイージーとアビーの方が
人生を楽しんでいます!
そして、そんな60年代の
男女間の空気を読み切っていた
ハワード・ホークス監督は
近い将来、男女関係なく
好きな事に挑戦できる世界が
生まれて来る事を
予見していたのだと思います😊
という訳で次回は
帰国まで後何マイル?
というテーマで
ケンタッキー魂
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品作品
「潮風のいたずら」
資産家の娘のジョアンナは
クルーズの途中で海に落ちてしまい
記憶喪失になってしまいます。
けれど彼女の夫は
我儘な彼女が記憶喪失に大喜びし
ジョアンナを港町に置き去りにして
出航してしまいます!
そんなジョアンナに
復讐してやろうと考えたのは
彼女にイヤな目にあわされていた
地元の大工さん。
映画の最初は、
ワガママな彼女にイライラ!
けれど記憶を失ってからは
ワガママな大工一家の
ジョアンナへの仕打ちにイライラ!
けれど相手への尊厳が生まれると
それまでのイヤな関係は
どこかへ消え去ってしまいます。
1960年代の次の
大きな社会変化1980年代
だったのです。