こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑲というテーマで

 

ナポリの饗宴(1954)

(原題:CAROSELLO NAPOLETANO)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

ナポリを題材にしたミュージカル映画

 

本作は1954年に公開されたイタリア映画。

 

本シリーズの前半10作品は、3番目の「サッドヒルを掘り返せ」以外全てイタリア映画なのですが、そんなセレクションの中でミュージカルは本作だけであるだけ!

 

と言うより、これまでの発掘良品のラインナップにもミュージカルは1作品も選ばれていないと記憶しております😅

 

 

そんな本作は、よくあるミュージカルではなく、ナポリの街にまつわる出来事を映像化した、クロニクル(年代記)のようなミュージカル映画!

 

ミュージカル・オブ・ナポリ

とでも言うべき作品です😊

 

 

南イタリア最大の町ナポリは、他民族から攻撃を受けたり、交易で繁栄したり、船乗りたちの恋物語があったりする千変万化の港町なのです!

 

ナポリではマフィアも歌うぜ恋の歌!

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「ヨーロッパ一九五一年」(出演)のエットーレ・ジャンニーニが原作・脚色・監督に当った色彩ミュージカル。
1954年作品。

脚色はジャンニーニとジュゼッペ・マロッタおよびレミジオ・デル・グロッソの三人が協力した。

パテカラー(プリントはテクニカラー)の撮影は「肉体の誘惑」のピエロ・ポルタルーピ、音楽はラファエーレ・ジェルヴァジョである。


出演者は「ドン・カミロ頑張る」のパオロ・ストッパ、新進女優ソフィア・ローレン、「鷲の谷」のナディア・グレイ、「かすかな希望」のマリア・フィオーレ、「嘆きのテレーズ」のマリア・ピア・カジリオ、「恐怖の報酬」のフォルコ・ルリ、「ホフマン物語」のレオニード・マシーン(本作品の振付も担当)ほか舞踊団や歌手も多く出演している。

この作品は1954年カンヌ国際映画祭で国際大賞を受賞した。
 

 

 

はい。
 
解説にある通り本作は、様々な美しい色彩が魅力的なミュージカル。
 
映画が公開されたのが1954年ですので、第二次世界大戦で敗戦国となったイタリアが1945年の終戦から約10年後に、本作のような豪華な映画を作る事ができたのには驚かされます!
 
「ローマの休日」が1953年作品!
 
その一年後に作られた本作は
正に色彩ミュージカル!
 
 
そんな本作で描かれいるナポリの情景は、300年前のサラセン人の襲撃に始まり、演劇中に亡くなったプルチネッラという仮面劇役者の悲劇、町の娘ブリジダの惚れ薬を巡る喜劇、美人モデルのシジーナと作曲家ルイジーノの悲恋物語と続いて行くのです…
 
他民族に襲撃された時代も…
 
伝説のプルチネッラの時代も…
 
そして写真が誕生した近代に起こった
モデルと作曲家のすれ違いも…
 
 
さて、本作で語られる様々なナポリの物語は、それぞれどのような結末を迎える事になるのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
70年前に作られたナポリの饗宴。
どうぞご堪能下さい😘
 

 

【私の感想】愛が至上のラテン系倫理観

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、恐らくですが本作は当時のナポリの住人たちに馴染みのある逸話をミュージカルにした、ナポリ愛に溢れたミュージカルとして生み出されたと考えられます。

 

けれど映画が公開されて70年が経ってしまった現在、果たして現代のナポリの若者たちは本作で語られているナポリの伝承を知っているのでしょうか?

 

 

そう。

 

伝承とは語り告げられないと散逸してしまうもの。

 

 

公開当時はナポリの人なら誰でも知っていた本作で語られてる数々の逸話も、ひょっとすると現代では、忘れ去られつつある大昔の出来事になってしまっているかもしれないのです…

 

え?昔ナポリの街には、

怪しげな媚薬を売っている男が

出没していたの?

知らないよ、そんな話あせる

 

 

私見ですがそんな本作はナポリにまつわる逸話をミュージカル化するというユニークなコンセプトのミュージカル映画であると同時にナポリに限らず世界各国の地域や街で語り継がれている逸話や物語は、本作のように「私達の地域のミュージカル」として残しておく事で、次世代の人々にも認識してもらえるようになる地域振興のヒントになるような秀逸なアイディアではないかと思うのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

本作の冒頭、辻音楽師が所持していた

様々なナポリの逸話の楽譜が

空へと舞い上がってしまいます。

 

もし楽譜を拾わなければ

物語は失われしまいそうです!

 

本作は、そんな想いが込められた

人々に忘れて欲しくない

ナポリの記憶遺産かもしれません…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

気がつけば行き止まり

 

というテーマで

 

太陽の誘惑

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品!
「狩人の夜」

 

良質な映画は後世まで語り継がれ

物語と化していきます。

 

金の匂いを嗅ぎつけた

シリアルキラーのニセ伝道師は

金の在り処を知る子供に近づくために

未亡人に近づいて

義父となって子供に近づきます!

 

そんな本作は絶望的に恐ろしい

暗黒童話となって語り継がれいるのです…