こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑲というテーマで
画家とモデル(1955)
(原題:ARTISTS AND MODELS)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
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本作は1955年に公開されたアメリカのラブコメディ。
ですが本作の原作ともいうべき同名のブロードウェイのミュージカルは1923年公開ですので、本作はキッチリ100年前の作品を映画化したものであると言えるのではないかと思います!
1923年に舞台で上演された
「画家とモデル 」のポスター!
…なんだか、アールデコ調の格式高そうな雰囲気のポスターですね
ですが実際に劇場で上演されていた作品内容は、ブロードウェイ初のセミヌードが披露された作品として人気を博していたラブ・コメディであり、登場する画家もアーティストではなく煽情的なアメリカン・コミックの作画担当者の事!!
そんな本作は、ヒーローコミックの作画を担当している漫画家の女性と、彼女の描くヒロインのモデルをしている女性のコンビが、お調子者の2人の男性に恋をするスラップスティックなラブコメディなのです😘
こちらの二人が本作に登場する
画家とモデルなのです
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
………。
「腰抜け 二挺拳銃の息子」はこんな作品😆
はい。
1950年代のクラシック映画といえば、重厚な雰囲気の作品をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、映画というメディアは観客を楽しませる娯楽産業ですので、たとえ1950年代に作られた作品であったとしても、現代の方にも笑って頂けるようなコメディ映画も、たくさん作られていたのです!
ちなみに本作の冒頭のストーリーは以下の通り!
① 主人公の有名な画家になる事を目指してNYへやって来たリックは、高校時代からの相棒ユージーンと同居しながらアメリカン・ドリームを掴むために奮闘の日々を送っていました。
画家を目指しているリックは
看板画家として才能をアピール!
② ですがリックとちがってユージーンは、「バット・レディ」というコミックが好きなドジ青年であり、リックが掴みかけたチャンスを次々と潰してしまい、二人のNY生活には暗雲が立ち込み始めていました…
女優の口からタバコの煙が出る
というアイディア広告を
依頼主に提案したリックでしたが
煙を排出させる係の
ユージーンはバット・レディに夢中!!
バット・レディを読みながら
機械を操作したユージーンは
操作ミスで煙の代わりに
マンガを吸引してしまいます!
その後操作を代わったリックが
煙を排出しようとすると
女優の口から飛び出して来たのは
ちぎれたバット・レディの紙吹雪!!
当然、2人はクビになります
③ けれどそんな時、リックとユージーンに思ってもみなかったチャンスが訪れます。2人の住んでいるアパートの上階で暮らしていた「バット・レディ」を描いていたマンガ家のアビゲイルが、読者からのクレームに嫌気が差してマンガを辞めると言い出したのです。
過激な描写が売りの
「バット・レディ」。
ですが炎上に嫌気が差し
アビゲイルは引退する事に!!
④ その情報を知ったリックは、突如引退してしまったアビゲイルの代役としてバット・レディを描く仕事を引き受けますが、ネタが全く思い浮かばなかったリックは、バット・レディの大ファンのユージーンが、毎晩、夢の中で観たバット・レディの物語を夢遊病者のように一人語りしているに気づき、ユージーンの夢をそのままコミック化して大ヒットさせてしまったのです!
ユージーンは起きた時に、
夢を覚えていないので
寝言を必死に記述するリック!
ちなみに夢をネタにしている事は
ユージーンにも内緒です
さて、果たしてユージーンの夢で見ていたバット・レディのストーリーは、一体どんな内容だったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
尚、バット・レディのモデルで
アビゲイルと同居していた
ベシーの姿を見たユージーンは
本物のバット・レディだと勘違いして
パニック状態に!!
ユージーンの明日はどっちだ!?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作の主役であるリックとユージーンを演じているジェリー・ルイスとディーン・マーティンは、「底抜けシリーズ」というスラップスティック・コメディ映画で人気を博していたコメディ俳優コンビ!
オープニングでも
マーチン&ルイスの名前が!!
底抜けシリーズの
記念すべき第一作の邦題は
「底抜け右向け!左」!
今は語る人もいなくなってしまいましたが、1950年から1981年まで作られ続けたマーチン&ルイスの「底抜けシリーズ」は、以降のコメディに計り知れない影響を与え、体を張ったドタバタや、ジェリー・ルイスの変顔は、ドリフターズやジム・キャリーの作風に継承されていったのではないかと推察されます。
ジェリー・ルイスの変顔は
ザ・ドリフターズの志村けんや加藤茶、
そしてジム・キャリーの変顔芸に
影響を与えたと考えられます。
変な行動が面白いジェリー・ルイス!
そんなルイスの芸風は
ジム・キャリーに継承されています😊
そう。
誰かが生み出した芸とは、継承されてゆくもの。
私見ですが「画家とモデル」などの「底抜けシリーズ」は、上記の俳優さんたちに影響を与えた作品としてだけでなく、コメディ映画の歴史を学ぶ上でも、もっと注目されて良い作品群ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
本作は家族で観ても楽しめる
ドタバタ・コメディですが
細かいシーンにも手を抜かない
見応えのある作品!!
1950年代のコメディ映画って
こんなに自由な空気だったんだと
知って頂ければ幸いです😊
きっとドリフターズのメンバーも
このルイスの変顔を見て、
影響を受けたのだと思います😊
という訳で次回は
映画という歴史遺産
というテーマで
サッドヒルを掘り起こせ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品!
「マチネー/土曜の午後はキッスで始まる」
いつの時代の出来事も
時が過ぎれば忘れ去れるもの。
キューバ危機の時代の
映画館を舞台にした本作は
コメディであると同時に
この時代のB級映画の興行が
どんなものだったを今に伝える
貴重な作品となっているのです!
キャー!映画館に放射能アリが!!!