こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と007クロニクルというテーマで

 

007/オクトパシー(1983)

(原題:OCTOPUSSY)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★想像力と007クロニクルとは?

007シリーズは、常に時代の空気を読んでジェームズ・ボンドのキャラクターや作品のテイストを変更させ続けて続けて来た作品。

本シリーズは、24作もの後続作品を生み出す事ができた「映画史の中でも類まれなマーケティング戦略に成功し続けた007作品」を年代記風に解説してみようという企画です。
 

 

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007アクション・フルスロットル!!

 

本作は1983年に公開された007シリーズの第13弾。

 

1973年にショーン・コネリーからジェームズ・ボンド役を引き継いだロジャー・ムーア版007も本作で6作目!!

 

ショーン・コネリー版ボンドが5作品ですので、ロジャー・ムーアは007シリーズを長期人気シリーズとして定着させた功労者であると考えられます😉

 

美女と度々ピンチになるムーア版ボンド!

 

 

そんなロジャー・ムーア版の007は、シリアスなジェームズ・ボンドとコミカルなジェームズ・ボンドが交互に公開されてゆくという不思議なシリーズ!

 

 

①「死ぬのは奴らだ」ではコミカルなボンド!

 

Q秘密道具を悪用しちゃう

「007/死ぬのは奴らだ」ボンド。

 

 

②「黄金銃を持つ男」では狂言回し的な受け身のジェームズ・ボンド!

 

ボンドより脇のキャラの活躍が目立つ

「007/黄金銃を持つ男」

 

 

③「私を愛したスパイ」ではシリアスなボンド!

 

KGBのエージェントと007が協力し

冷戦の雪解け(デタント)を提唱した

「007/私を愛したスパイ」

 

 

④「ムーンレイカー」では再びコミカルなボンド!

 

ユーモラスな怪人たちと

激戦を繰り広げて宇宙にまで行った

「007/ムーンレイカー」

 

 

⑤「ユア・アイズ・オンリー」では再びシリアスなボンド!

 

ジョージ・レーゼンビー版ボンドを

継承したシリアス路線の

「ユア・アイズ・オンリー」もまた

デタントを提唱した作品!

 

 

ん!

 

コミカル → シリアス → コミカル → シリアスと続いたのなら「オクトパシー」のテイストはひょっとして…

 

 

はい!

 

本日ご紹介させて頂く「オクトパシー」は、ロジャー・ムーア版ボンドの中で最も派手なアクションシーンが多い、ジャッキー・チェン風ジェームズ・ボンドとなっているのです!!

 

その辺の物を使ってアドリブで戦うのは

ジャッキー・チェンの得意技!

なんかボンドがジャッキーみたい!!

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

米軍基地爆破を企む悪人たちの謀略に挑む英国情報部員ジェームス・ボンド。

62年の「ドクター・ノオ」以来、シリーズ化されたボンド活躍譚もこの作品で13本目になる。
製作はシリーズ全作品を手掛けているアルバート・R・ブロッコリ。エグゼキュティヴ・プロデユーサーはマイケル・G・ウィルソン。
監督は前作「007/ユア・アイズ・オンリー」(81)に引きつづきジョン・グレン。

イアン・フレミングの短編小説とオリジナル・キャラクターに基づいて、作家で「三・四銃士」の脚本家であるジョージ・マクドナルド・フレーザーが脚色。

その脚本をリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソンが全面的に書き直して映画台本にした。

撮影はアラン・ヒューム。音楽のジョン・バリー、メイン・タイトル・デザイナーのモーリス・バインダー、プロダクション・デザイナーのピーター・ラモントの三人は、ボンド・シリーズの常連。

主題歌の「オール・タイム・ハイ」をリタ・クーリッジが歌っている。

特殊効果はジョン・リチャードソン、編集はジョン・グローヴァーが担当。

出演は、この映画で六回目のボンド役になるロジャー・ムーア、「007/黄金銃を持つ男」(74)についで二度目のボンド映画出演になるモード・アダムス、ルイ・ジュールダン、クリスティーナ・ウェイボーン、スティーヴン・バーコフ、カビール・ベディ、ヴィジャイ・アムリトラジ、「007/ユア・アイズ・オンリー」のウォルター・ゴテル、ミス・マネーペニー役で唯ひとりシリーズ全作品に出ているロイス・マックスウェルなど。

テクニカラー(プリントはメトロカラー)、パナビジョン。
 
 
ただし「米軍基地爆破を企む悪人たちの謀略に挑む」という解説はかり大雑把なので、もう少し詳しく説明させて頂くと、本作の黒幕は西側諸国に対する電撃的な侵攻作戦を実行し一気に領土を拡張しようと主張しているソ連のオーロフ将軍!!
 
超タカ派のオーロフ将軍は
NATOの軍縮を利用した領土拡張を主張!
 
「相手が軍縮してる今が攻め時ですぞ!」
 
 
デタントを主導している穏健派のゴーゴル将軍は、そんなオーロフ将軍の具申を却下しますが、西ドイツ内のアメリカ軍駐屯基地で核爆弾が暴発する大事故が発生すれば西側の反戦ムードはもっと盛り上がり、自分の意見が再考されるようになると考えたオーロフは、ロシアの移動サーカス団の大道具の中に小型の核爆弾を潜ませて、米軍基地内で爆発させようと動き始めたのです!
 
金に目がくらんだサーカス団に
宝石の密輸を持ちかけて
運搬中に宝石を核爆弾を取り換え
米軍基地で爆発させようとするオーロフ!
 
 
むむむ。
 
ソ連の軍部でさえ知らないオーロフの極秘陰謀を、MI6が察知できる訳がないですよね!
 
 
ですがボンドは、サーカス団の内部に潜入して殺された009の死と、最近イギリスの宝飾品の競売でソ連製のニセ物の宝飾が出回っているという2つの事件から、オーロフの陰謀に気づいてゆくのです!!
 
サーカスに潜入して死亡した009は
ファベルジュ・エッグという
ソ連の宝飾品の偽物を所持していました。
一体なぜサーカス団が宝飾品を?
 
 
さて、果たしてボンドはどのような方法で、オーロフの陰謀を暴いていったのでしょう?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
偽物のファベルジュ・エッグを
競売で競り落としたのは
カマル・カーンというインドの富豪!
 
カマル・カーン何故、
ファベルジュ・エッグを欲したのか?
 
インドに赴いたボンドは
本物のエッグを見せびらかして
カーンを挑発します。
「これ、欲しいんでしょ!」
「ぐぬぬぬぬぬ!!」
 

 

【私の感想】時代が追いつき、時代に追いつく!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は前作の「ユア・アイズ・オンリー」が大ヒットしたにも関わらず、全くちがうテイストの作品!!

 

何故、大ヒット作品のテイストを継承しなかったのかは疑問が残るところですが、恐らくですが常に映画界の新しい潮流を見つけては、その波に乗って新規のファンを増やし続けて来た製作者側は、1980年代に新しいアクション映画として注目されていたジャッキー・チェンのカンフー・コメディのようなテイストを007に持ち込んでみたかったのではないかと推察されます!

 

 

「ドランク・モンキー/酔拳 (1978)」「クレージーモンキー/笑拳 (1978)」「カンニング・モンキー/天中拳 (1978)」「バトルクリーク・ブロー (1980)」と立て続けにヒット作を飛ばしてアメリカ映画界で認知されて来たジャッキー・チェンの作品の魅力は、体を張ったスタントと演舞のようでありながらユーモラスなバトルシーン!!

 

演舞なのにユーモラスなジャッキー映画

「カンニング・モンキー/天中拳」

 

 

そう。

 

観客の求めているものを察知する事こそがマーケティングの真髄!

 

 

世界的に社会不安が漂っていた70年代が終わり、人々が明るいエンターテイメント系映画を求めていのを肌で感じた制作側であるユナイテッド・アーティツス社は、もしボンドがジャッキー・チェン的なユーモラスな諜報員となったのなら、80年代の若者たちにも支持されるのではないかと考えたのだと思います。

 

こういうアクションどう?

 

007っぽいのなら、こんな感じ??

 

いやいや。

ジャッキーっぽいギャグなら

こいうのでしょ!!

 

 

前述した通りそんな本作はこれまでの作品の中で、最も多くのアクションシーンのある冒険活劇となって行きますが、残念ながら、世界の危機レベルの任務を背負った007に、ジャッキー・チェン的なライトアクションは違和感のあるものと映り、作品の評価は芳しいものではなく、ジャッキー的アクションの洋画は本作と同年に公開された「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」に軍配が上がる事になり、007は次の「美しき獲物たち」で、もう一つの80年代の潮流へと舵を切っていく事になるのです…

 

 

 

私見ですがそんな本作はソ連崩壊が予見されていた80年代のデタントの空気を読んで作られた007映画であると同時に前作が大ヒットだたにも関わらず、80年代に突入したのを機会に、あえて映画界の新しい潮流に挑戦しようとした「老舗の気骨」を学ぶ事ができる作品としても観る事ができるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

007は80年代も全力や!

みんな応援よろしくな!!!!

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

80年代アクションと007!

 

というテーマで

 

007/美しき獲物たち

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たジャッキーを継承した映画
「おじいちゃんはデブゴン」

 

本作に登場するのは、

かつて取り返しのつかない失敗をして

後悔し続けているお爺さん!

 自分の孫を救えなかった

過去を持つ元特務部隊のお爺さんは、

自分を慕ってくれた

近所の女の子の失踪に

亡き孫の記憶を重ね、

街を仕切る凶悪なギャングの巣窟へと

一人向かって行きます!

誰もが絶句する驚愕のラストは

是非皆様の目で!!