こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑰というテーマで
かくも長き不在(1960)
(原題:UNE AUSSI LONGUE ABSENCE)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
↑今月のラインナップの詳細はコチラ!
本作は1960年に公開されたフランス映画。
本作を撮られたアンリ・コルピ監督は寡作な方であり、長編映画は2作品しか残されていらっしゃいません。
もう1作のアンリ・コルピ監督の長編
「ミステリー島探検/地底人間の謎」は
TVシリーズの劇場用再編集版!
メッチャ面白そうな雰囲気の日本版ポスター!
残念ながら未DVD化作品です
本作は、そんな知る人ぞ知るアンリ・コルピ監督作品の美的センスに圧倒される、人生で一度は観ておいて損はない驚くほど美しいモノクロ作品なのです!!!
レコードがジュークボックスに
セットされるだけなのに、こんなに美麗!!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
ん?
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はテレーズが記憶喪失のホームレスの男と関係を構築しようとするのにはちゃんとした理由があり、それは彼女の心を深く傷つけたある事件が原因である事が後々分かってきます。
遂にはホームレスの後をつけ、
彼の住む川辺のテントを発見するテレーズ!
鬼気迫る顔が怖いですね…
ですが本作の厄介なところは、ホームレスが記憶喪失である以上、彼とテレーズの関係が実際はどのようなものであったのかが、観客である私たちには分からない事!!
ですので本作は、テレーズの語っている事が真実であるのであればラブロマンス映画となるのですが、もしテレーズの語っている事自体が嘘であったり記憶違いであったりした場合は、サスペンス映画となってしまうのです!!
そう。
他者の心の中は、第三者には分かり得なもの!!
私達観客が分かるのは、テレーズとホームレスの男の表情や外見、そして喋っている時の表情から推測した「多分こうなんじゃないかな?」という確証のない仮説にしか過ぎないのです…
ホームレスを恐れて逃げていたはずなのに
今度は後ろからついて行くテレーズ。
彼女の想いが真実ならラブロマンスなのですが
もし彼女が妄想を抱いて追いかけていたら
それはラブロマンスなのでしょうか?
私見ですがそんな本作は、第二次世界大戦時にナチスドイツに占領されたフランスの人々の悲劇を描いた作品かもしれませんが大切な人の長き不在によって、精神を病んでしまった悲しい女性の妄想を描いた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
記憶喪失のホームレスが
自分の想い人だと確信したテレーズは
彼の記憶を取り戻すために
甲斐甲斐しい努力を始めますが
もしそれが彼女の妄想だとしたら??
ニコニコとしたテレーズの笑顔は
歓びの笑みなのか?
それとも狂気の表情なのか?
それは観客には分からないのです…
という訳で次回は
悪党どもに爆殺を!
というテーマで
マッドボンバー
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい超美麗なモノクロ作品!
「処女の泉」
超美麗なモノクロ作品と言えば
北欧映画界の至宝と呼ばれる
イングマール・ベルイマン監督の
諸作品も見逃せません!
発掘良品にも多くのベルイマン作品が
セレクトされているのですが
その中でも本作は、
絶望的な状況が自分の身に起こる前に、
ご覧になっていた方が
良い作品なのではないかと思います…