こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑰というテーマで
メリーゴーランド(1974)
(原題:L'ULTIMA NEVE DI PRIMAVERA)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
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本作は1974年に公開されたイタリア映画。
原題はイタリア語で「L'ULTIMA NEVE DI PRIMAVERA」、英語のタイルは「THE LAST SNOW OF SPRINGTIME (晩春の雪)」。
「メリーゴーランド」と「晩春の雪」では全然作品のイメージが異なりますね
そんな本作は、息子からプレゼントされたレコードを呆然と聴いている父親の姿で始まる慙愧の念の物語なのです…
真っ暗な部屋で息子からプレゼントされた
レコードを聴く父親の胸中とは…
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は、ラストが分かっているからこそ、観客の琴線に刺さる展開の作品!
サスペンスやエンターテイメント系作品は、オチが分かってしまえば見る楽しさが半減してしまいますが、本作は「ルカが死んでしまう」という前提でご覧になると、自分の仕事や新しい恋人との関係を重視しているロベルトの行動が、どのような結果を招くのか予想出来てしまい「ああ。何故ロベルトは、もっとルカに優してあげないのか」という想いが観客の心の中に去来するのではないかと思います。
そう。
人間は大切な人を喪った時に初めて、"後で悔んでもどうにもならない"という後悔噬臍(こうかいぜいせい)の想いを痛感するもの。
ルカが死んでしまった後は、ネクタイを選びきれなかったルカの想いをロベルトが知る術もありませんが、そんな"なにもしてあげられなかった"という慙愧の念は、春になって残っている小さな雪の塊のように、ロベルトの心の中に残り続ける事になるのではないでしょうか?
新しい恋人と結婚したかったロベルトは
ルカと二人で行くはずだったバカンスに
彼女を同行させると言い出します。
あまりにもデリカシーがないロベルト!!
けれどルカは怒りの呑み込んで
ロベルトの恋人と仲良くする事にします。
だって、それがロベルトの望みだから…
拾った貝殻を父親の恋人にプレゼントするルカ。
そんなルカの健気な想いもロベルトは知らず
ルカは死んでしまうのです…
私見ですがそんな本作は、ルカとロベルトの死別までの時を描いた切ないの作品であると同時に映画を観ている自己中心的な大人たちに向って、"あなたの子供との関係は今のままで良いのですか?"と問いかけて来るような作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
子供との遊び方を知らないロベルトは
ルカをボートに乗せてほったらかし!
寂しそうにボートを操船するルカの姿は
きっと春の残雪のような小さな塊となって
ロベルトの心に残り続けるのだと思います…
という訳で次回は
アンビバレンツな青春
というテーマで
ファニー
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい子供との死別を描いた発掘良品!
「クリスマス・ツリー」
父子だけで海にバカンスに出かけ、
子供のパスカルだけが
被ばくしてしまった事を知った父親は、
余命半年のパスカルのために、
できる限り夢を叶えようとします。
パスカルに死を悟らせずに
過ごさせたいと願う父親と、
自分の死を悟っていながら
多くを語らない利発なパスカルは、
お互いの事を思いやりながら
最後の日を迎えるのです…