こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑰というテーマで

 

ハネムーン・キラーズ(1970)

(原題:THE HONEYMOON KILLERS)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

 

 

 

ほんとうにあったこわいはなし

 

本作は1970年に公開されたアメリカ映画。

 

なんだか異様なポスターですが、こちらはまだ良い方で、もう一つのポスターからは彼女が殺人者である事が明示されています!

 

別ポスターの箱の下には誰かの死体…

 

 

尚本作は、実在した殺人事件を映画化したものなのですがで、数ある実録殺人映画の中でも、本作で描かれている事件は最も異様で考えさせられる内容になっているよう思われます…

 

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ハートで囲まれた部分の意味については

以降で解説させて頂きます!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

実際に起こった連続殺人事件を元に、文通相手の結婚詐欺師と共に悪事を重ねて行く看護婦を描く犯罪ドラマ。

監督・脚本は今作が唯一の監督作となったレナード・カッスル。

出演はシャーリー・ストーラー、トニー・ロー・ビアンコ。

公開当時はほとんど無視されていたが、トリュフォーやデュラスらの絶賛により一部に熱狂的ファンを生んだカルト作。

 

 

はい。
 
解説の通り本作は、ロンリー・ハーツ・キラーと呼ばれていた実際に起こった連続殺人事件の顛末を描いた作品!
 
事件は1940年代に起きた独身女性を狙った連続殺人!!
 
 
「ロンリー・ハーツ・クラブ」という雑誌の文通欄で知り合った結婚詐欺師りレイモンドという男と交際を始めた女性たちが、次々と殺害されてしまうのです!!
 
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…という事は殺人犯はレイモンド?
 
 

う~ん。

ここが説明の難しいところなのですが、結婚詐欺師のレイモンドが女性たちに近づいた理由は、恋愛観となった相手からお金をだまし取る事であって殺害ではありませんあせる
 
金儲けのためにターゲットに近づく
物腰の柔らかい中年男性のレイモンドは
結婚詐欺師でしかありません。
 
 
…だとしたら、どうしてレイモンドと交際した人が殺されてしまうの?
 
 
それは、レイモンドが結婚詐欺のターゲットにしたマーサという女性が、騙されたと気づいた後もずっとレイモンドと行動を共にするようになり、レイモンドが新しいターゲットと付き合い始めると、嫉妬に狂ってターゲットの女性を殺害してしまっていたからなのです!!
 
長年病院で婦長を務めて来た独身のマーサ。
 
ずっと独り身のマーサを心配した友人が
彼女に文通雑誌を勧めた結果
レイモンドと直接会う事になりました!
 
二人の相性はピッタリ!!
マーサの婚活は大成功のはずでしたが…
 
けれどその後レイモンドからの連絡は途絶え
結婚詐欺師だと分かった後も
レイモンドの事が忘れられなかったマーサは
職を辞し母親を介護施設に押し込んで
レイモンドの元へ!!
 
その後レイモンドと暮らす事となったマーサは
姉と偽ってレイモンドと共に
結婚詐欺を行うようになるのですが…
 
ターゲット女性がレイモンドに恋すると
マーサの心に殺意が芽生えていったのです…
 
 
 
 
はい?
 
 
マーサがレイモンドにゾッコンになってしまったのは分かるけれど、どうしてレイモンドはその状態を受け入れただけでなく、結婚詐欺の渦中に、姉を同行させるという謎行動を許したのでしょう?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
レイモンドの結婚に否定的な態度の偽姉は
明らかに結婚詐欺に不適当!
どうしてレイモンドはマーサを同行させるの??
 
 

 

【私の感想】 愛とは不可解なものである

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は「愛」という定義する事が難しい感情を描いた、ある種の恋愛映画!

 

 

レイモンドと出会うまで独り身だったマーサは、結婚願望どころか恋愛経験すらなかった孤独な人生を歩んできた女性。

 

そんなマーサが、初めて愛を告白されたレイモンドに恋してしまうのは無理からぬ事ではないじょうか?

 

 

 

それに対して結婚詐欺師のレイモンドは、愛を囁く事は日常茶飯事でしたが、それは全て相手の財産を盗むためですので、レイモンドの愛は「必ず破局するもの」であったと考えられます…

 

ですが、自分が騙していた事を告白しても尚、自分を愛すると言ってくれたマーサは、ひょっとすると詐欺師というレイモンドの人格すら愛してくれた唯一の人だったのかもしれないのです。

 

 


そう。

 

「愛は寛容であり、愛は情け深い」とは聖書の言葉(コリント人への第一の手紙 13:4-8)。

 

普通の恋愛観を持つ人であれば当たり前のように思える言葉ですが、詐欺師のレイモンドにとってマーサが向けてい暮れた愛とは「(自分が騙したとしても)マーサの愛は寛容であり、マーサの愛は情け深い」ものだったと感じたのではないかと思われます。

 

「詐欺師が本当の俺の姿なんだぜ。」

「でも、そんなあなたが好きなのラブラブ

「(…ああ、俺は今愛されている)」

 

 


私見ですがそんな本作は、結婚詐欺の相手を次々と殺害していった実在した凶悪なカップルの映画であると同時に自分への愛を得られず生きて来た2人の男女が巡り合ってしまった時、たとえ殺人を犯してしまったとても2人の絆は切れる事がないかもしれないという「愛のカタチ」を描いた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

尚、マーサたちの事件は

人間の愛とは何かを問題提起する

ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督の

「地獄愛 (2014)」という作品で

再び映画化されており

こちらもまた「愛」についての

映画となっているよう思われます…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

魂が死する時

 

というテーマで

 

死にゆく者への祈り

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たいマーサの映画!
「地獄愛」

ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督作品は

「変態村」や「変態島」という

酷い邦題にされてしますが、

相手に対する深すぎる愛が

歪んで狂っていく経過を描いた本作も

「地獄愛」というトンデモ邦題に

してしまっているのです😨😨😨