こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑰というテーマで

 

ハウリング(1981)

(原題:THE HOWLING)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

 

 

 

ダウナーなアメリカの狼男映画!

 

本作は1981年に公開されたアメリカ生まれの狼男映画。

 

1980年代は狼男映画が多産された時代。

 

前回ご紹介させて頂いたイギリス映画である「狼の血族 (1984)」はダウナーなテイストの狼男映画ですが、アメリカ映画の「狼男アメリカン (1981)」や「ティーン・ウルフ (1985)」などは、狼男になる人間がどこか陽気なアッパーなテイストの作品のような気がいたします😊

 

 

ですが本日の「ハウリング」は、1980年代のアメリカ映画にもかかわらず、妙にドロドロとした展開で、狼男となる人間たちも陰気でダウナーなテイスト!!

 

 

そんな本作は、キラキラの1980年代の裏路地にひっそりと咲いている食虫植物のようなテイストの作品なのです…

 

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

現代のロサンゼルスで起こった連続殺人事件に端を発し、伝説の人獣、狼男が出現し人々を襲う姿を描く恐怖映画。

製作はマイケル・フィネルとジャック・コンラッド、監督は「ピラニア」のジョー・ダンテ、脚本はジョン・セイルズとテレンス・H・ウィンクレス、撮影はジョン・ホラ、音楽はピノ・ドナジオ・特殊メイクはロブ・ボーティンが各々担当。

出演はディー・ウォーレス、パトリック・マクニー、デニス・デューガ.ン、クリストファー・ストーンジョン・キャラディン、スリム・ピケンズ、ベリンダ・バラスキー、エリザベス・ブルックスなど。

 

 

 

ジョー・ダンテ監督&ロブ・ボッティン特殊メイク!!!

 

 

ご存じない方のために少しだけ解説いたしますが、ジョー・ダンテ監督は「グレムリン」や「トワイライトゾーン」などで、リミッターが外れたような残虐シーンを挿入して来る方であり、ロブ・ボッティン氏は「遊星からの物体X」で擬態系のグロテスクな宇宙生物を作り上げた方!!

 

こちら「グレムリン」あせる

 

こちら「遊星からの物体X」あせるあせる

 

 

そんなお二人によって作られた本作は、まるで1960~70年代初期に作られたような低予算のグラインドハウス系ホラーのようなテイストの作品!!

 

 

映画の舞台となるのは、殺人事件が多発している80年代のロサンゼルス。

 

殺人事件をセンセーショナルに放送して視聴率を稼いでいたTV局は、人気の局アナのカレンが殺人事件の犯人にインタビューするという企画を立てます!

 

 

カレンはTV番組を通して犯人に連絡してくるよう要請した結果、エディと名乗る自称連即殺人犯から連絡を受け、夜の電話ボックスで、直接会うための場所を指定されます!

 

エディが指定したスマイルマークのある

電話ボックスへと入るカレン。

 

 

エディとカレンとのやり取りはTV局のスタッフが盗聴する予定でしたが、電波の不具合によって通信が傍受できなくなってしまい、その事を知らないカレンは、エディの指定した個室ビデオのポルノショップへと向かってしまいましたあせるあせる

 

局員がフォローしてくれてない事を知らず

ポルノショップに入ってしまうカレン。

 

 

指定された個室に入ったカレンは後ろからエディに声をかけられますが、個室内は真っ暗で流れているポルノ映像しか視認する事ができず、怯えているカレンに対してエディは「君に恍惚を与えてやる」と言って何かをしますが、その場面は画面に映らず、直後にTV局からの救援要請を受けてカレンを探していた警察官によってエディは射殺されます!

 

警察官たちによってエディは射殺され

エレンは九死に一生を得ました。

 

 

TV局としては、連続殺人犯であるエディの言動を知るカレンをTVに出演させたいと考えますが、激しいPTSDによって当日の記憶がないカレンは、しばらくの間休職する事となってしまいます…

 

眠っていてもパニックを起こすカレン!

 

 

精神科医のワグナー博士のクリニックに通院する事にしたカレンは、パニックを収めるにはエディとの記憶を思い出す必要があり、そのためには都会を離れて郊外のコロニーで療養した方が良いと言って、自分が主催するコロニーを紹介してくれますが、夫のビルと共にコロニーを訪れたカレンは、自分とは全く異なる奇妙な人々との共同生活に更なる不安を感じ始めるのです…

 

記憶の欠落があると不安を取り除けない。

良かったら私の主催するコロニーで

今までとは異なる生活を送って

記憶を呼び戻すキッカケにしてみないか?

 

ですが博士のコロニーは奇妙な人ばかり!

カレンが参加する事にした晩にも

焼身自殺しようとすめ老人が!

「もう生きていたくないんじゃ~」

 

 

 

さて、果たしてワグナー博士のコロニーで、カレンはエディとの記憶を取り戻す事が出来たのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

カレンが休職中、同僚のテリーとクリスは

死んだエディの住んでいた家を突き止めますが

部屋の中には毛むくじゃらの男の絵だらけ!

 

…なんなのこれ??

 

 

 

【私の感想】 80年代のゴシックホラー!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、1920年代に出版されていたウィアード・テイルズ (Weird Tales)などのパルプ誌に掲載されていたゴシックホラー小説のテイストを80年代に蘇らせたような作品!!

 

ざっくりとゴシック・ホラーのテイストを説明させて頂くと「古代から伝承されてた怪物が現代世界に出現する怪奇作品」であり、幽霊や吸血鬼、悪魔や地球を侵略しに来た異世界の存在 (クトゥルフ神話など)を取り扱った作品が多く、そんな中には狼男も存在します!

 

 

狼男は、月夜になると変身し、銀以外の武器で攻撃されても傷を負わず、噛んだり、爪で傷つけた者を眷属にしてしまう、衝動によって悪事を成す呪われた怪物!!

 

 

 

ではもし80年代のロサンゼルスに狼男が生息していたとしたら、一体どのような生態系を維持してゆくのでしょう?

 

 

 

そう。

 

古き呪いの物語であるゴシックホラーの怪物たちは、何度退治されても時を経ると人々の噂になって蘇って来る“都市伝説のような存在”なのです!!

 

エディの死体を見に行ったテリーとクリスは

死体置き場にあったはずのエディの死体が

消えてしまっているのを発見します!

 

ちなみに狼男は、殺されても3日後に

蘇ると言われているのです…

 

 


私見ですがそんな本作は、80年代に蘇った狼男の映画であると同時にゴシックホラーのテイストを80年代風に蘇らせた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

1985年に公開された「ティーンウルフ」は

ゴシックホラーではなく

80年代POPテイストの狼男コメディ!

 

ですが本作は、80年代の若者たちが

古典的なホラーにブルッとするゴシック・ホラー!

ねぇ、ひょっとして赤ずきんを襲ったのは

狼男なんじゃないかしら…

 

ゴシックホラーの恐ろしさは

太古の書籍などを調べる事によって

自分たちが生きている世界に

人知では理解できない存在がいる事を

知ってしまう事にあるのです。

 

私たちの生きる2020年代でも

狼男はどこかで息を潜めて

生息しているかもしれないのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

婚活殺人カップル

 

というテーマで

 

ハネムーン・キラーズ

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品!
「永遠のこどもたち」

2007年に公開された本作も

ゴシックホラーですが

本作に登場するのは怪物ではなく、

過去の忌まわしい出来事。

 

本作は、かつての孤児院で起こっていた

残酷な出来事に現代人が気づくという

知られざる悲劇を紐解くような作品なのです…