こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力と80年代ビデオ・ホラーというテーマで

 

 

悪魔の毒々おばあちゃん(1988)

(原題:RABID GRANNIES)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と80年代ビデオ・ホラーとは?

 

私のブログでは毎年10月を、年に一度のホラー特集として、様々なテーマでホラーやサスペンスなどをご紹介しております。

 

本年のテーマは、80年代のビデオ・ブームに量産された、ビデオ発売を意識したようなホラー作品!

 

映画館の巨大スクリーンで鑑賞に耐えられないかもしれない作品でも、家のソファに座って友達と一緒にワイワイ観れば、スクリーンとは趣の違った映画の楽しみ方ができる事に気づいた映画の作り手と観客は、まるで共犯関係のように、ビデオで観るために作られたようなホラー作品をご紹介させて頂ければと思っております🎃👻💀😆

 

 

 

 

 

「毒々」と言えば…

 

本作は1988年に公開されたベルギー、フランス、オランダの合作映画ですが製作会社はアメリカのトロマ・エンターテインメント。

 

トロマ・エンターテインメントと言えば「悪魔の毒々〇〇〇」という邦題のタイトルの作品を多数発表されている映画製作会社。

 

 

 

「悪魔の毒々〇〇〇」というのは1984年に公開された「悪魔の毒々モンスター (THE TOXIC AVENGER)」という作品が日本でスマッシュ・ヒットして、以降の作品の多くに原題を無視した「悪魔の毒々〇〇〇」という邦題が付けられるようになってしまったという「スティーブン・セガール作品=沈黙の〇〇」とよく似た理由から!

 

トロマの原題「SURF NAZI MUST DIE」

日本での邦題「悪魔の毒々サーファー」汗

 

トロマの原題「CLASS OF NUKE'EM HIGH」

日本での邦題「悪魔の毒々ハイスクール」汗汗

 

 

尚、上に上げさせて頂いた2作品に登場するのは悪魔ではありませんが、本日のご紹介させて頂く「悪魔の毒々おばあちゃん」に登場するのは正真正銘の悪魔!!

 

本作のビデオパッケージ。

吹き替えはなんとロミ山田氏と塩沢とき氏!

 

 

そんな本作に登場する悪魔は、キリスト教が深く根付いたヨーロッパで作られた作品に相応しい、人間を絶望に陥れる地も涙もないエクストリームな存在なのです!!!

 

誕生日のケーキを爪で真っ二つにする

悪魔に憑かれた100歳の老婆!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

笑いと恐怖、さらにスプラッター描写のバランスが絶妙なコメディホラー。

ベルギーの名家・レミントン家の豪邸で行われた誕生会で、あやしげな気体を浴びた家の主の老姉妹が恐ろしいモンスターに変身、パーティー参加者を虐殺していく。

監督・脚本:エマニュエル・ケルヴィン 製作:ジョナサン・ランバート/ヨアン・バンデヴォスタイン 撮影:ヒューゴ・ラバイン 出演:キャサリン・エメリー/キャロライン・ブラックマン/リチャード・コティカ/ダニエル・デイヴン

 

 

 

 

なるほど!!

 

確かに本作は笑いと恐怖、さらにスプラッター描写のバランスが絶妙な作品!!

 

 

ベルギーの西フランダースの郊外の小さな村に住んでいるエリザベスとヴィクトリアという100歳の双子の老姉妹は、村人たちからも敬愛されている善良な人柄。

 

恵まれない人に率先して施しをする老姉妹。

 

 

大きな屋敷に住み莫大な資産を持っ老姉妹は3人の使用人と暮らしていますが、二人には多くの親族がおり、年に一度の老姉妹の誕生日には親族全員が集まってパーティをするのが習わしでしたが、本年は悪魔崇拝に傾倒して絶縁されたクリストファーが欠席したために参加者は12名!

 

 

ナイトクラブの歌手のジェシカと年の差結婚した超肥満体の工場の経営者のフレッド。(2人)

 

工場が火事になり金が必要なフレッドと

何も考えてなさそうなジェシカ。

 

 

武器商人のハーベイは、パーティの帰り道にビジネス相手に見せるための軍用ライフルを持ち込んで参加。(1人)

 

共産圏にも武器を売る死の商人ハーベイ

 

 

他の親戚たちと打ち解けず常にビクビクしている偏屈な中年の独身女性バーサ。(1人)

 

親戚たちとキチンと話す事もできない

対人恐怖症のようなマーサ。

 

 

強面の妻ヘレンと幼い娘のスージーと息子のギルバートを連れて来た愚痴ばかり言う臆病者のジョン。(4人)

 

存在感の薄いジョンと

彼の言う事聞かない妻と子供たち!

 

 

恋人のレイチェルを友人だと偽ってパーティに連れて来たレズビアンのエリカ。(2人)

 

老姉妹が眉をひそめるので

レズビアンだという事を黙っているエリカ。

ですが老婆以外の親戚は

全員彼女がレズビアンだと知っています…

 

 

死んだ両親の財産を使い尽くしてた放蕩青年のロジャー。(1人)

 

遊び人のロジャーは到着早々

エリカのパートナーのレイチェルに目をつけ

ナンパし始めます!

「エリカより俺と楽しもうぜ!」

 

 

そして神の道を選択したパーシヴァル。(1人)

 

教会の仕事を休んで祖母の誕生日に参加する

パーシヴァルの目的も財産でした汗

 

 

 

…誕生会に集まった彼等の目的は老婆を祝うためではなく、彼女たちが死んだ後の遺産を少しでも多く受け取ろうと考えていたから!!

 

 

そんな邪な目的で集まった親戚たちと開催したパーティの最中、それまでずっと温厚だった2人の老婆は、ある出来事によって悪魔と化し、楽しいはずの誕生パーティを惨劇の舞台へと変えてしまったのです!!!

 

 

さて、果たして老婆を悪魔に変えてしまった出来事とは、一体何だったのでしょう?そして、善良とは言えない老婆の親族は、果たして悪魔から逃げきれる事ができたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

老姉妹のご機嫌を取るはすだったパーティは…

 

あっという間に惨劇の狂宴に!

果たして親族たちは生き残れるのか!?

まずはエリカが脱落です!!

 

 
 
【私の感想】容赦ないグリム系童話!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は社会における残酷な現実を童話にして描く事が得意なグリム兄弟の作品に近い、ある種の“しつけのための童話”のようなホラー映画!

 

 

映画の前半まで描かれているのは、誠実さのかけらもないような老姉妹の親族たちの醜いやり取り!

 

老婆たちの事はもちろん、親族の事まで邪魔者扱いしている堕落しきった親族たちは、正に地獄に堕ちるべきような存在であり、もし老姉妹たちが善良なまま死んで彼らが遺産を相続してしまったとしたら、本作は何の道徳的な意味もない作品となってしまったのではないでしょうか?

 

 

 

そう。

 

中世における道徳教育は、心胆を寒からしめる物語を有効に活用したもの!!

 

 

 

本作における悪魔憑きとなった老姉妹は、善良ではなかった親族の元に、罰を与えにやって来た“ナマハゲ”のような存在として描かれているのです👹👹

 

カトリックにおける7つの大罪とは

傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲。

それらを全て実践している老姉妹の親族は

悪魔に裁かれるのが相応しいのかもしれません…

 

 

 

私見ですがそんな本作は突然お婆さんが悪魔になって大暴れするコメディタッチのホラー映画メリカ映画として観る事もできますがアメリカ映画に登場するモンスターのような悪魔ではなく、罰せられる人間に自分の悪徳を自覚させた上で、残酷な罰を与えて行く中世ヨーロッパ的な悪魔が登場する寓話のような作品として鑑賞する事もできる作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

犠牲者は「現代における大罪」が

具現化されたような存在!

 

大食漢のフレッドが

老婆たちに喰い殺されるのは

ある意味、因果応報!

 

老姉妹はナマハゲのように

「悪い子はイネガー」と言いながら

悪い親族を始末してゆくのです…

 

 

 

 

 

 

という訳で次回はいよいよ本シリーズの最終回!

 

ジーン・シモンズ

ハロウィンに降臨す!

 

というテーマで

 

ハロウィン1988

地獄のロック&ローラー

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい"悪魔の毒々”作品

「悪魔の毒々パーティ」

本作の原題は「DANCE OF THE DEAD」。
 

「〇〇〇〇 OF THE DEAD」と言えば、

ジョージ・A・ロメロ監督の

ゾンビ作品を意識したタイトル!

 

ですので邦題にしたいのであれば

「死霊のダンパ」とでも

名付ければ良いと思うのですが、

本作の邦題は何故かトロマみたいな

「悪魔の毒々パーティ」!

 

尚、本作は「ショーン・オブ・ザ・デッド」

やアナと世界の終わり」に似た、

ダメ青年たちがゾンビと戦う

“青春系ゾンビ映画”なのです🧟😄🧟