こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力と80年代ビデオ・ホラーというテーマで

 

 

悪夢の銀河鉄道

ナイト・トレイン・トゥ・テラー(1984)

(原題:NIGHT TRAIN TO TERROR)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と80年代ビデオ・ホラーとは?

 

私のブログでは毎年10月を、年に一度のホラー特集として、様々なテーマでホラーやサスペンスなどをご紹介しております。

 

本年のテーマは、80年代のビデオ・ブームに量産された、ビデオ発売を意識したようなホラー作品!

 

映画館の巨大スクリーンで鑑賞に耐えられないかもしれない作品でも、家のソファに座って友達と一緒にワイワイ観れば、スクリーンとは趣の違った映画の楽しみ方ができる事に気づいた映画の作り手と観客は、まるで共犯関係のように、ビデオで観るために作られたようなホラー作品をご紹介させて頂ければと思っております🎃👻💀😆

 

 

 

 

 

一筋縄にはいかないカルト・オムニバス!

 

本作は1984年に公開されたアメリカ映画。

 

前回ご紹介させて頂いた「デッドタイム・ストーリー」と同様、「トワイライトゾーン/超次元の体験 (1983)」や「クリープショー (1982)」などの人気メジャー監督たちが関与した作品に触発されて作られたと思われるオムニバス形式のホラー映画!

 

 

ですが本作のテイストは「デッドタイム・ストーリー」のような分かりやすい展開ではなく、列車の中で踊り狂っている若者たちの魂を死後に所有するのはどちらかを、神と悪魔かを話し合っている合間にショート・ストーリーが披露されるという謎展開のオムニバス作品なのです😅

 

列車の中で楽し気にロックで踊る若者たち!

曲はジョー・トゥラーノの「Everybody But You」

 

 

「ダンス・ウィズ・ミー~♬」と歌いながら
列車事故による死に向かって突っ走る若者たち!
彼らがたどり着くのは天国か?地獄か?

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

2枚目スターのジョン・フィリップ・ロー、B級映画の名脇役、キャメロン・ミッチェルら個性派俳優たちが多数出演するホラー。

60年代SFで多用されたストップモーション・アニメの怪物も見物。

「臓器売買殺人鬼」などを収録したオムニバス。

監督:ジェイ・シュロスバーグ=コーエン/ジョン・カー/トム・マッゴーワン/グレッグ・トーラス 出演:ジョン・フィリップ・ロー/チャールズ・モール/キャメロン・ミッチェル/メレディス・ヘイズ

 

 

 

むむむ汗
 
想像以上に作品に対して好意的な解説ですね😆
 
 
ですが恐らく本作は、ほとんどの方が初見の際にポカンとした顔になってしまうような謎めいた展開のカルト作品!!
 
 
映画の冒頭、疾走する機関車の車内で踊り続けている若者たちが描かれますが、彼らが何故踊っているのかは、映画のラストまで一切不明!!
 
疾走する蒸気機関車内でロックする若者たち!
 
 
ただし彼らが数時間後に機関車の事故によって全員死亡する事は既に決定しており、その事を知る神と悪魔は、彼らの乗っている機関車の別室らしき場所で、死後に彼等の魂が天国に行くのか、地獄に行くのかを相談しています。
 
彼らの魂が、どちらの世界に行くのかを
決めて置こうじゃないか!
 
 
神と悪魔は、人間の善性についてひとしきり問答を交わした後に、彼らとは別の3人の人間のシチュエーションについて、天国行きか地獄行きかを審議する事にします。
 
3人の人間が体験した出来事は以下の通り
 
 
①ハリー・ビリングズの物語
 
新婚初夜に暴走運転で車を海に転落させ、妻を死亡させてしまったハリーが運び込まれた病院は、秘密裏に臓器を密売している悪徳医師の病院!!
 
病院側は美男子のハリーを薬物によって洗脳し、若い美女を次々と誘惑させて病院へと導くようになりますが…
 
妻の制止を振り切って暴走運転をした結果
妻を溺死させてしまったハリーは…
 
臓器密売をしている病院に捕らえられ
洗脳されて美女誘拐犯になってしまいます…
 
 
②グレタ・コナーズの物語
 
グレタ・コナーズという若い女性は、大金持ちのヤングマイヤーの愛人となりますが、彼はスリルを求めて人生を賭けた殺人ゲームを繰り返している男でした!
 
グレタも参加する事となった殺人ゲームでは、一体誰が敗者となったのでしょう?
 
移動遊園地のポップコーン売り出たグレタは
ヤングマイヤーの愛人となりますが…
 
彼は死に憑りつかれた狂気の富豪!
刺した人間を一人だけ殺せる毒虫を放ち
誰が犠牲になるかを賭けたゲーム開始です…
 

 

③クレア・ハンソンの物語

 

神の存在を否定する哲学者ジェームズの妻のクレアは天才外科医。

 

そんな彼女が担当する事となった不審死をした人物には体に666の刺青があり、それは死の直後に付けられたものでした。

 

事件の影に蠢くオリヴィエという名の怪しいプレイボーイの正体は!?

 

不審な死を遂げた年老いたユダヤ人の体には

ホロコーストと666の刺青…

 

事件に忌まわしいものを感じたクレアですが

その頃、神の不在を説く夫のジェームズに

オリヴィエが接近して来たのです!

 

 

 

え?

 

別に難解な話じゃなさそう?

 

 

 

いいえ。この解説はかなり意訳したものであり、実際の映像では画面は激しくカットされ、ストーリーもぶつ切りとなって、観ていると頭がクラクラする意味不明な展開となってしまっているのです😥

 

ヤングマイヤーの殺人ゲームの参加者は

全くが説明ありませんので

犠牲になった人が誰かのも分かりませんあせる

 

 

 

 

さて、一体どうして本作の3つのストーリーは、ぶつ切り状態となってしまっているのでしょう?そしてダンスする若者たちが行くのは、天国と地獄のどちらなのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

唐突に登場する怪物にもビックリ!!

なんだこれは!?

 

 
 
【私の感想】宝の地図になるかもしれにい作品!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は3つのマイナーなホラー映画を無理矢理繋げてオムニバス映画にしたような作品!

 

 

ハリー・ビリングズの物語は「Scream Your Head Off」という未公開映画!!

 

作られたが公開されなかった映画!

 

 

グレタ・コナーズの物語は「Death Wish Club (デス・ウィッシュ・クラブ)」という1984年の作品!

 

ストップモーションの毒虫は登場しません!

 

 

クレア・ハンソンの物語は、1975年公開の「悪魔の祭壇・血塗られた処女 (CATACLYSM)」(日本未公開ですがビデオ発売アリ)

 

写真じゃなくてホラーコミック風イラストの

「悪魔の祭壇・血塗られた処女」!

 

 

 

つまり本作は、作品自体が葬り去られてしまったホラー映画たちがゾンビのように体の一部が欠損した状態で蘇ったようなオムニバス作品となっているのです!

 

 

そう。

 

ホラーに限らず、書籍や美術品や音楽などは葬り去られてるというのは、一つの文化の消滅してしまうという事!

 

 

そして文化の消失といのは、たとえそれがどんなジャンルであろうとも人類史にとっては大きな損失となってしまう可能性があるのです!!

 

「オーメン (1976)」より一年前に作られた

「悪魔の祭壇・血塗られた処女」ですが

プロットや雰囲気は酷似しており、

元ネタとなっている可能性もありますのて

資料的な価値もある作品だと思います😊

 

 

 

私見ですがそんな本作は私たちが現在見る事ができなくなっている失われたホラー作品の片鱗を見せてくれるオムニバス映画であると同時に本作を起点にしてロスト・ムービーを探索する旅を始める事ができる「海賊の遺した宝の地図」にもなり得る作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

本作でセレクトされている

過去のホラー映画を切り取ったシーンは

何気で完成度が高いものが多く

編者であるジェイ・シュロスバーグ=コーエン監督の

センスとホラー映画愛が光ります!

 

尚、本稿を書くにあたって

なかざわひでゆき氏のブログ

「毎日が映画&音楽三昧」を

参考とさせて頂きました!

より詳しく本作の内容を知りたい方は

是非、ご一読をお勧めいたします😄

 

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

トロマ、いっとく?

 

というテーマで

 

悪魔の毒々おばあちゃん

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい"オムニバスで宝探し”の作品

「チレラマ」

ドライブイン・シアターは、

ソーシャルディスタンスを取りながら

多くの観客と一緒に映画を楽めた場所
 

閉館する事になった

ドライブイン・シアターで起こった

ゾンビ騒動と、劇中で観客たちが観る

4本のショート・ムービーを楽しめる本作は、

知られざる若手ホラー監督の作品を

発見する事ができる宝の地図かもしれません!