こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力と80年代ビデオ・ホラーというテーマで

 

 

悪霊少女(1980)

(原題:THE CHILD)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と80年代ビデオ・ホラーとは?

 

私のブログでは毎年10月を、年に一度のホラー特集として、様々なテーマでホラーやサスペンスなどをご紹介しております。

 

本年のテーマは、80年代のビデオ・ブームに量産された、ビデオ発売を意識したようなホラー作品!

 

映画館の巨大スクリーンで鑑賞に耐えられないかもしれない作品でも、家のソファに座って友達と一緒にワイワイ観れば、スクリーンとは趣の違った映画の楽しみ方ができる事に気づいた映画の作り手と観客は、まるで共犯関係のように、ビデオで観るために作られたようなホラー作品をご紹介させて頂ければと思っております🎃👻💀😆

 

 

 

 

 

説明が難しい作品!

 

本作は1980年に公開されたアメリカとニュージーランドの合作映画!

 

ただし「悪霊少女」というタイトルはビデオで発売された際のタイトルであって、劇場未公開作品である本作がTVで放送された時のタイトルは「新チャイルド/ゾンビ・甦えった死者の恐怖」という奇妙なタイトル。

 

ビデオパッケージでは「悪霊少女」!

 

 

「新チャイルド」とは、1976年に公開された子供たちが大人を虐殺する島を描いた「ザ・チャイルド」という映画の続編を匂わすタイトルですが、両者は全く別の作品ですのですし、もちろんジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」とも関係ありませんあせるあせる

 

「ザ・チャイルド」も恐い映画なのですが

こちらは1976年公開作品でのすので、

本シリーズでは割愛させて頂きました!

 

 

尚、本作のビデオでの別タイトルは「ドーン・オブ・ザ・デッド・チャイルド」!

 

思いっきりパチモン感のあるタイトルですね汗

 

 

「悪霊少女」であり「新チャイルド/ゾンビ・甦えった死者の恐怖」であり「ドーン・オブ・ザ・デッド・チャイルド」でもある本作は、恐らくですが日本の配給会社も"どんな邦題を付ければ良いか分からないあせる"と困惑してしまうような、解説するまが難しい作品となっているのです😅

 

こんなシーンがあるので

ハロウィンのホラー映画みたいですがが

本作はどう説明してよいか困惑する

不思議な後味の作品なのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「allcinema」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
 

山中の一軒家に住み込みの家庭教師としてやってきた女性は、その家の少女が森で奇怪な生物と戯れているのを目撃する。

ゾンビと少女の取り合わせは面白くなりそうなモチーフだが、行き当りばったりで要領を得ない演出が水準以下の恐怖映画にしてしまった。

 

 

 

…容赦ない解説ですね😅

 

ですが恐らく本作をご覧になった方の多くは、この解説に賛同して頂けるのではないかと思います。
 
 
 
主人公は母親を亡くした子供の家庭教師をするために、かつて自分が住んでいた土地の近所にやって来たアリシアンという女性。
 
車で勤め先へと向かっていたアリシアンですが、運転中、突然車の前に転がって来たドラム缶を避けるために車を木にぶつけてしまい、動かなくなってしまいます。
 
ドラム缶を避けて事故に逢ったアリシアン。
 
 
仕方なく徒歩で山道を歩く事にしたアリシアンでしたが、道の途中には不気味な立板があり不安な感じが醸し出されます。
 
…何、この板?
 
 
その直後アリシアンに黒い犬が飛び出してきましたが、この犬は近隣に住んでいるエリザベスという老婆が飼っている犬であり、一人暮らしのエリザベスは滅多に来ない来訪者に歓び、自分の家で休憩していくようアリシアンを誘います。
 
 
エリザベスは、アリシアンの勤め先であるノーデンという家は、家族以外とは交流をしない閉鎖的な家なので、辛いなら自分の家で働くと良いと助言をします。
 
明らかにノーデン家を嫌っているエリザベス。
 
 
エリザベスの家出一休みしたアリシアンは、霧が立ち込める夕暮れの森をトボトボとノーデン家へと向かいますが、道中には動物の死骸があり、森の中に何か得体の知れないものが棲みついている気配が漂ってきます…
 
エリザベスの家の周辺は晴れていたのに
ノーデン家に近づくと不気味な霧が…
 
 
そんな中、ようやくノーデン家に辿り着いたアリシアンですが、家には生活臭がほとんどなく、当主のジョシュアと息子のレンも感情をほとんど出さない無表情な人たち。
 
まるで廃墟のような家に住んでいる
ノーデン家の人々。
 
 
聞けばジョシュアの妻は長い間、精神を病んで死亡したため、ジョシュアは疲れ切って子供たちの世話もできなくなってしまい、アリシアンに娘のロザリーの相手を頼む事にしたとのこと!
 
ジョシュアに同情したアリシアンは、ロザリーと仲良くなろうとハロウィンのパーティーを企画しますが、ロザリーが好んだのはハロウィンよりもっと恐ろしい惨劇の幕を開ける事だったのです!!
 
ロザリーの部屋だけは明るい雰囲気ですが
彼女は残酷な事を平気で語る女の子。
 
 
 
さて、果たしてロザリーの開催したイベントとは、一体どんなものだったのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
ロザリーが一人でいる時、
睨んだだけで瓶の蓋を飛ばします!
ロザリーは一体何者なの!?
 
 
 
【私の感想】H.P.ラグクラフト的なゴシックホラー!

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は明らかにクトゥルフ神話を創生されたH.P.ラグクラフト氏の書いたゴシックホラー的な世界観を映像化した作品!

 

 

ですが本作が公開された1980年代初頭の日本では、ラグクラフト氏やクトゥルフ神話の事を知っている人は少数であり、本作の内容をゾンビの類似作だと勘違いして「新チャイルド/ゾンビ・甦えった死者の恐怖」や「ドーン・オブ・ザ・デッド・チャイルド」などというタイトルを付けてしまったのではないかと推察されます。

 

ジョシュアは母親を狂人だと言いましたが

ロザリーは母を敬愛していたと言います。

 

これは、単なる見解の相違でしょうか?

それともロザリーの母親は

何か禍々しいものを信じており

ロザリーが、その血を継いでいたとしたら…

 

 

 

そう。

 

例えサブルカルチャーだったとしても、作品の傾向や来歴を調査する事は大切であり、本作をゾンビ映画として観るか、ゴシックホラーとして観るかで作品の評価は大きく異なってゆくのではないかと思われます…

 

 

 

私見ですがそんな本作は70年代に多産されていたH.P.ラグクラフト系のゴシックホラーを、ニュージーランドで撮ったと思われる大変珍しい作品であると同時にゴシックホラー・ホラーファンにもあまり知られていない掘り出し物のゾッとするような良作であると思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

ロザリーは母親の墓の前で

母の死に安どしている父や兄、

そして母を変人と見ていた

エリザベスの絵に×印をつけます。

 

このシーンはゾンビ映画なら

意味不明な行為ですが

ゴシック・ホラーなら

ロザリーが殺害しようとする

ターゲットだと気づくはずです!

 

その後エリザベスは自宅の地下室で

階段から落ちて謎の死を遂げますが…

 

そんなエリザベスの死に様を

ロザリーがスケッチしていたのを

アリシアンは発見してしまいます!

 

ねっ!

ゴシック・ホラーとしては

ゾクゾクするような

面白い展開だと思います🎃 😈 💀

 

 

 

 

 

という訳で次回は引き続き

 

悪い子はいるか②

 

というテーマで

 

死霊懐胎

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい"ゴシック・ホラー入門"作品

「 H・P・ラヴクラフトのダニッチ・ホラー」

 

本作はラグクラフトのゴシックホラー

「ダンウィッチの怪」等3話を、

人形を使って映像化した作品。

 

もしゴシックホラーのテイストを

ご存知ないのであれば

まずは短いこの作品からは

如何でしょうか?