こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とRAT-TAT-TATというテーマで
アサルト13 要塞警察(2005)
(原題:ASSAULT ON PRECINCT 13)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力とRAT-TAT-TATとは?
今月のテーマは、近年増加しているRAT-TAT-TAT(ラッタッタ)と軽快に銃を撃ちまくるガン・シューティング作品をセレクトして、エンターテイメント系のアクション映画をご紹介されて頂く"残弾無制限のガン・アクション"特集🔫
ゲームやコミックのようなガン・アクションの世界をお楽しみ頂ければ幸いです😆
本作は2005年に公開されたアメリカとフランスの合作映画。
ん?
ジョン・カーペンター監督の「要塞警察」のリメイク作品である本作の舞台はアメリカのデトロイトで、主演のイーサン・ホークと助演のローレンス・フィッシュバーンもアメリカ人なのに、どうしてフランス出資しているの?
それはヒップホップ・パーティーで起きたギャング同士の銃撃戦を描いて話題となった1997年公開の「俺のシテがやられる」を撮られたフランス人のジャン=フランソワ・リシェ監督がリメイクした作品だから!!
(「俺のシテがやられる」より)
そんな本作は、理性を失ったテロリストたちが警察署に夜襲を仕掛けて来るカーペンター版の「要塞警察」とは一味違う、現代社会の闇を描いたような作品となっているのです…
ジョン・カーペンター版で
警察を襲撃して来たのは無法者たちでしたが…
本作で警察署を襲撃したのは
完全武装した謎の集団だったのです!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
解説にもある通り本作は、カーペンター監督の「要塞警察」をリメイクした作品ですので展開はほぼ前作と同じなのですが、警察が襲撃された理由が、前作と大きく異なっているのです!
前作は、血に飢えたギャングたちが街で無軌道な殺人を行っており、そんなギャングの一人が、自分の娘を殺された父親に射殺された事に激怒したギャングたちが、父親が逃げ込んだ警察署を襲撃して来たというストーリー。
前作で警察を襲撃して来たのは
アイスクリームを買いに来た少女を
特に理由もなく射殺するような
常軌を逸した無法者たち!
普通に考えれば警察に逃げ込めば助かると思われるかもしれませんが、父親が逃げ込んだ第13警察管区の警察署は、老朽化のために引っ越しをしており、事件当日に勤務していたのは事務処理を担当する数名!!
突然のギャングたちの来襲に驚いた新人の警部補は、警察署内の人間が全員生き残れるように、牢獄に収監されていた凶悪犯を牢屋から出獄させて、共闘して襲撃者を撃退するというのが前作のストーリー!
「常軌を逸した襲撃者vs凶悪犯罪者」という
毒を以て毒を制す作戦で生き残れ!
というのが前作のお話です😊
ですが本作では、街で無軌道な殺人を行っていたギャングたちは登場せず、引っ越しを明日に控えた古い警察署にいたのは、かつて麻薬取引の潜入捜査に失敗して同僚2人が殺害された事がトラウマになり戦う事ができなくなってしまったローニックという警察官と、この仕事を最後に退職する事にしていた古株のジャスパー、そして妙に色気のある警察秘書のアイリスの3人だけ!
セルビア人の麻薬の売人に接触するために
潜入捜査をしていたローネンスですが
身元がバレて銃撃されてしまい…
仲間の警察官2人を殺され
自身は右足を負傷したローニックは
以降、現場に出れなくなってしまいます。
折しもその晩は大晦日で猛吹雪となったため、訪ねてくる人は誰もいないと考えた3人は、ささやかな新年祝賀会を楽しむ事にしますが、そんな中、教会の中で警察官を刺殺して現行犯されたビショップというギャングの大物が、拘置所へ搬送する途中、猛吹雪で立ち往生してローニックたちの警察署に避難して来ます。
戦意を喪失している警察官のローニックと
本日を以て退職するジャスパーと
2人に抱いて欲しいと囁くビッチなアイリス。
頼りないメンツの警察署でしたが…
教会の中で警察官を刺殺したビショップが
護送車で搬送される途中で吹雪のために
ローニックたちの警察署へと退避して来ました!
これで要塞警察側の籠城メンバーは、前作とほぼ同様になりましたね!
ビショップと共に護送された囚人3人も
警察署の拘置所に留置されます。
では、そんな彼らに夜襲をかけて来たのは一体何者だったのでしょう?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
襲撃した敵は、高性能の赤外線スコープで
署内の人間たちを狙ってきました!
外は猛吹雪で音は遮断され
電話やネット回線も遮断されてしまいます!!
どうするローニック
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は前作のように常軌を逸した殺人者が襲って来る恐ろしさは感じられない作品!
警察を襲撃して来た人間たちには、ターゲットを襲撃しなければなない明確な理由があり、彼らは最初、警察署自体を襲撃するのではなく、ターゲットを殺害するために警察署内へと侵入して来たのです。
密かに裏口から侵入して来た襲撃者。
最初の犠牲者はビショップたちを
護送して来た警察官ですが、
注意して良く見ると襲撃者たちは
警察官がホルスターに手をかけるまで
撃ってはきませんでした!
つまり襲撃者のターゲットは
警察官ではなかったのです!!!
…という事であれば、襲撃者がターゲットを倒してしまえばミッション終了となり、それ以上の犠牲者は出ない可能性がありますね😊
ですが、もしそれをローニックたち警察官たちが黙認してしまえば、暴力は法治を凌駕する事になってしまいます。
そう。
暴力は恐ろしいものですが、暴力に屈すれば法治の概念は消滅してしまうのです…
明らかに訓練されている襲撃者たち!
ターゲットを差し出して見逃しもらう?
でも、それで本当にいいの??
私見ですがそんな本作は、大晦日の晩に謎の襲撃者たちに襲われた警察官と犯罪者が籠城して戦うアクション映画であると共に圧倒的な暴力に対して、様々な対応する人間模様を描いた「バトルロワイアル」に似た"暴力に抗う人間の強さ"を描いた作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
他の囚人と2人で裏口から逃走した男は
仲間が射殺された事で、彼の分まで生きてやる
という闘志を燃やしてフェンスを登りますが
そんな彼の意志とは関係なく
暴力から逃走した男もまた斃れていきます。
そして、そんな本作の登場人物は
ほとんどが無残な死を迎えていきますが
彼らが行った選択は、
振り返って我々観客はどうするだろうか
という問いかけになっているのだと思います…
という訳で次回は
フランスの現実
というテーマで
ウエストインディーズ・ギャング
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい"籠城"の作品
「要塞警察(1976)」
前作では理性を失ったテロリストたちが
西部劇のように警察署に夜襲を仕掛けてきます!
そんな本作は「ニューヨーク1997」「パラダイム」、
「遊星からの物体X」「ゴースト・オブ・マーズ」
などを作られたジョン・カーペンター監督の
"孤立無援系サバイバル映画"の源流だと思います😊