こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と恋に恋する恋人たち2022というテーマで

 

おとなの恋には嘘がある(2013)

(原題:ENOUGH SAID)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と恋に恋する恋人たち2022とは?

 

今月のテーマは、恋の、恋する、恋は、恋した、恋人たちなどの邦題に恋がついた作品をセレクトして、実際はどんな内容の映画なのかをご紹介されて頂く"タイトルに恋という文字がつく映画"特集😍

 

星の数ほどある"恋"の映画のアレコレを楽しんで頂ければ幸いです!

 

 

 

 

 

2010世代の悩める女性たち


本作は2013年に公開されたアメリカの作品!

 

前回の「カミーユ、恋はふたたび」が2012年の映画ですので、当時の社会が「大人の恋の問題」に興味を持っていたのではないかと推測されます。

 

 

ただし2つの作品で描かれている「大人の恋」はロマンティックなものではなく、一回目の結婚が破綻して迷走中の女性が主人公の「人生をやり直すための恋」なのです!!

 

夫から離縁された女性が主人公の

「カミーユ、恋はふたたび」

 

 

 

それに対して本作の主人公は離婚後10年間、

良縁に巡り合えず独身だった女性なのです…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

ドラマ『SEX AND THE CITY』のニコール・ホロフセナー監督が現代女性の本音を鋭く描いたラブコメディ。

出演は、「ハンナとその姉妹」のジュリア・ルイス=ドレイファス。

第71回ゴールデン・グローブ賞ミュージカル/コメディ部門主演女優賞ノミネート、第34回ボストン映画批評家協会賞助演男優賞受賞。

 

 

 

ん?

 
ラブ・コメディ!?
 
 
…確かに本作にはコメディ要素はありますが、本作のニコール・ホロフセナー監督は「最後の決闘裁判」「ある女流作家の罪と罰」「シークレット・デイ あの日、少女たちは赤ん坊を殺した」といった、女性の身に降りかかる諸問題について鋭く切り込むハードな作品の脚本を担当されている方!!
 
ちなみに本作の原題も「おとなの恋には嘘がある」などというソフトなものではなく「ENOUGH SAID(もう分かったからそれ以上言わなくていいよ!)」という喧嘩口調の時に口から出るような言葉です。
 
 
そんな本作の主人公エヴァは、10年前に離婚した訪問マッサージ師の女性。
 
マッサージ中の客はエヴァに向って、伴侶や周囲の人の悪口を言い続けていますが、彼女には悪口を言うような存在がいませんので、サラッと聞き流しながら毎日を送っていました。
 
「夫が~!親戚が~!!友達が~!!!」
お客様の不満を聴くのもエヴァの仕事です。
 
 
そんなある日エヴァは友人に誘われてセレブのパーティに参加し、マリアンヌとアルバートという二人の男女と知り合いになります。
 
詩人のマリアンヌは、ウィットに富んだ会話が魅力のセンスある女性😊
 
ファッションセンスも良いマリアンヌ。
 
 
一方のアルバートは、風采は良くありませんが人柄の良さそうな紳士で、会話の中に笑えるギャグを挟み込んでエヴァを楽しませてくれました!
 
オペラ歌手のような大柄のアルバート。
 
 
2人と知り合いになったエヴァは、マリアンヌは顧客として、アルバートは恋人として親しくなってゆきます。
 
マリアンヌのセンスの良い部屋にうっとり😍
 
飾らない性格のアルバートとの楽しい時間😘
 
 
離婚経験がある2人はエヴァとも話が合い、エヴァは互いの離婚した相手の悪口を言い合っていましたが、ある時、突然気が付いてしまったのです。
 
マリアンヌとアルバートは元夫婦だったのだという事を!!!
 
別れた夫はサイテーなの!
料理だって作れるのはナスとモッツァレラの
スパゲッティだけなのよむかっ
 
お待たせ~。
ナスとモッツァレラのスパゲッティだ!
(………え?ひょっとして汗
 
 
 
さて、二人の離婚相手と付き合っている事を知ったエヴァは、一体どうなってしまったのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
「そう言えば、付き合ってる太目の彼氏とは
 その後どうなの?」
「いや。まぁ。いろいろ…アハハあせる
(言えない!元夫と付き合ってるなんて~)
 
 
 
【私の感想】他者への不寛容がもたらすもの

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はコメディと言うより「舌禍のもたらす夫婦の不和」を描いた、身に覚えのある方にとっては大変耳の痛い内容となっている作品。

 

映画の冒頭で、口汚く自分の家族を罵っているマッサージ客の悪口を聞き流しているエヴァですが、彼女が離婚した原因も、同じように元夫と口論になって、修復不可能な関係になってしまったから!!

 

 

そしてエヴァやマリアンヌやアルバートだけでなく、本作に登場するほとんどの大人は、他者に対して不寛容で辛辣な言葉で相手を傷つけていくのです…

 

元夫と食事をした時のエヴァも

同席した娘がウンザリするくらい

悪口を言い続けます…

 

 

 

そう。

 

人を呪わば穴二つ。

 

 

 

他者の悪口は、逆を返せば自己の行動の正当化。

 

ですが自己の正当化を言い続ける人間は、結果として愛していた人からも離縁される事となるのです…

 

 

私見ですがそんな本作は2010年代の行き過ぎた自己実現に対して警鐘を鳴らしたような作品であり、劇中の人々と同様、配偶者や周囲の人の悪口を言い続けている人に一考を促すような内容となっていると思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

マリアンヌの悪口の影響を受け

次第にアルバートを軽蔑するようになるエヴァ。

 

ねぇ。一体なんのために付き合ったの?

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

ADHDもまた愉し!

 

というテーマで

 

おとなの恋は、まわり道

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい"恋"の作品
「恋する惑星」

 

ウォン・カーウァイ監督が映画の中で描くのは、恋した相手への想いを心に秘めて、物思いに耽る切ない時間。

 

本作は、二組のカップルが不思議な距離感を持ちながら大都会重慶で生きてゆく姿をPOPな感覚で描いたラブ・ストーリー。

 

けれど普通の裸恋愛映画とは異なり、本作に登場する2組のカップルとも、相手との想いがすれ違って、カップルになろうとしないのです!

 

本作に描かれているのは、恋する相手に想いを告げられない時のもどかしい想い。

 

相手の目の前で悪口を言う位なら、遠くに離れて相手を想うだけの方が良いのかもしれませんね😘