こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで

 

ベン(1972)

(原題:BEN)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

 
発掘良品とは、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

今月のラインナップはコチラ↑

 

 

 

前作比4倍!! 

 

本作は1972年に公開された、前回ご紹介させて頂いた「ウィラード」という映画の続編となる作品。


ネズミとしか心を通わせられない

ウィラードという内向的な青年が主人公の

「ウィラード」はサスペンス映画。

 

 

 

本作の冒頭のシーンには「ウィラード」のラストシーンがそのまま使用されておりますので、「ベン」は「ウィラード」に登場した黒ネズミのベンを主人公にした作品である事がお分かり頂けるのではないかと思います😊

 

仲良しだったベンとウィラードの関係は

前作のラストでどうなったのでしょうか?

 

 

ちなみに「ウィラード」は500匹のネズミが動員された作品でしたが、次作の「ベン」は、前昨比4倍にあたる2000匹のネズミを動員した作品ですので、前作以上にネズミのお嫌いな方は、本ブログを含め、閲覧する際は十分ご留意頂けるようお願い申し上げます😓

 

この映像をご覧になって観るかどうかを

判断して頂ければ幸いです。

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

街をパニック状態に陥し入れる恐怖のねずみベンと孤独な少年ダニーの間に芽生えた友情を描く。

「ウイラード」の続編。

製作はモート・ブリスキン、監督は「要塞」のフィル・カールソン、スティーブン・ギルバードの原作をギルバート・A・ラルストンが脚本化した。

撮影はラッセル・メティ、音楽はウォルター・シャーフが各々担当し、「ベンのテーマ」をマイケル・ジャクソンが歌っている。

出演はリー・H・モンゴメリー、ジョセフ・カンパネラ、アーサー・オコンネル、メレディス・バクスター、カズ・ガラスなど。

 

 

はい。

 
 
解説にもある通り本作の主人公は、街をパニック状態に陥し入れる恐怖のねずみベン!
 
恐怖のネズミ、ベン!
 
 
本作を解説するためには「ウィラード」のストーリーを説明しなければならないので、ここから先は「ウィラード」のネタバレとなってしまいますが、ベンは白ネズミのソクラテスと共に、人間社会において孤独を感じていた青年ウィラードの親友となったネズミ。
 
聡明で他のネズミを指揮する事ができるベンは、ウィラードがソクラテスを殺害した社長に復讐する手助けをしましたが、社長を殺害したウィラードが、証拠隠滅のために仲間のネズミたちを始末し始めたのを知って、仲間と一緒にウィラードに襲い掛かって殺害してしまいます!
 
ウィラードは殺される直前に「ベン!僕たち友達じゃないか!」と叫びますが、ベンから見れば、自分の仲間を殺害したウィラードこそ「僕たち友達じゃないのか!?」と言いたくなるような行動をした裏切り者だったのです…
 
「ベン!僕たち友達じゃないか!」
(お前なんか、もし友達じゃない!!)
自分を裏切ったウィラードを粛正したベン。
 
 
盟友のソクラテスと食料を調達してくれていたウィラードを同時に失ってしまったベンでしたが、彼は立ち止まる訳にはいきませんでした!
 
ウィラードの家で繁殖した大量の仲間たちが暮らせる安住の地を探すため、そして彼らを養うための十分な食糧を確保するため、ベンはウィラードと仲間たちは屋敷を離れ、町へと向かっていたのです!!!
 
ウィラードが育ててしまった
大量のネズミたちの安住の地を探すため
屋敷を出る事にしたベン!
 
 
 
…あれ?
 
という事はベンは恐怖のねずみではなく、自分の仲間を守ろうと懸命に行動していた良いネズミでは??
 
 
 
ですがそんな事を知らない町の人々や警察は大量のネズミに恐怖し、ウィラードの記録に残されていた、リーダーのベンを殺害するために部隊を編成して、ネズミ駆除を開始したのです!
 
仲間たちの食糧確保のために
夜中のスーパーを襲撃したベンと仲間たち!
 
スーパーが閉鎖されば次は製菓工場!
仲間のためにターゲットを物色するベン。
 
ですがベンが頑張れば頑張るほど
ベンは恐怖のねずみとして怖れられるよう
なってしまったのです…
 
 
 
さて、果たしてベンと仲間たちには、一体どんな結末が待っていたのでしょうか?
 
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
 
自分たちを駆除しようとして
地下道に入って来た人間に反撃するベン!
俺たちが生きる場所を奪うな!!
 
 
 
【私の感想】アウトサイダーの孤独

 

皆様が作品をご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はウィラードを恐怖のねずみとしてではなく、どんなに頑張っても社会から排除される孤独なアウトサイダーとして描いている作品。

 

自分たちの理想郷を求めて奮闘したベンでしたが、火炎放射器を駆使して街中の地下道でネズミを駆除する人間たちによって、彼の仲間たちは次々と殺されてゆき、ベンもまた瀕死の重傷を負ってしまうのです…

 

 

 

そう。

 

ベンは前作で社会から受け入れず孤独を感じていたウィラードより、遥かに孤独で救いのない人生を生きなければならないアウトサイダーだったのです…

 

ベンの努力は、仲間たちの虐殺という

悲劇で幕を閉じる事となります…

 

 

 

私見ですがそんな本作は、アウトサイダーの孤独を理解する人間にとっては愛すべき作品であると同時に「アウトサイダーたちに待つ残酷な人生」に想いを馳せる事にになる観るのが辛い作品!

 

前述したように本作は、前作の4倍となる2000匹のネズミを動員して撮られた作品ですが、その2000匹は撮影が終わった後に、どのような結末が待っていたのでしょう。

 

 

どんなに頑張って映画に貢献しても、最後には駆除されてしまったであろうネズミたちに想いを馳せながら本作をご覧になって頂けると、エンディングに流れるマイケル・ジャクソンがベンに向けた作った鎮魂歌である「ベンのテーマ」に涙されるのではないかと思います…

 

幼い頃から孤独を感じていたと思われる

マイケル・ジャクソンは、ベンを恐怖のねずみではく

社会に受け入れられない存在だと見抜き

心優しい鎮魂歌を捧げているのです…

 

ベンのテーマの歌詞については

コチラのブログを参照して頂ければ幸いです😊

 

ベンの哀しさを理解した

子供時代のマイケルは

「君はひとりじゃないよ」という

優しい歌を捧げたのです…😂

 

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

保安官年代記

というテーマで

 

警察署長1

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい哀しいネズミの作品!
「ノスフェラトゥ」

 

ヴェルナー・ヘルツォーク監督の手によって1978年にリメイクされた「吸血鬼ノスフェラトゥ」は、吸血鬼と共にオランダの街に上陸した何千匹もネズミがデルフトの街を這いずり回るという、吸血鬼以上の恐怖と狂気を感じさせる映像を観る事ができる、人類の終末を描いたうな吸血鬼映画!

 

もちろんこの作品で動員されたネズミにも、残酷な運命が待っていたのです…