こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑯というテーマで

 

悲しみは星影と共に(1965)

(原題:ANDREMO IN CITTA)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

 

 

イタリアの悲劇的な映画たち!

 

本日の作品はイタリア映画。

 

 

芸術の国イタリアでは、人生とは何かを描いたような悲劇的な結末の映画が多数存在し「自転車泥棒」「ライフイズビューティフル」「ひまわり」などは映画史に残る傑作と呼ばれています。

 

 

そんなイタリア生まれの悲劇は、これまでの発掘良品でも多数紹介されておりますが、本作は、そんなイタリアの悲劇的映画の中でも出色の出来の隠れた名作ではないかと思います😥

 

発掘良品の中では「トト・ザ・ヒーロー」

「離愁」などがイタリアの悲劇的映画

ではないでしょうか?

 

本日の作品は、かつてイタリアの悲劇的映画の

代表として扱われていた作品なのです。

 

 

メインテーマも涙を誘うような曲調です!!

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

エディス・ブリュックの自伝的小説「街へ行く」を、彼と、ネロ・リージ、チェザーレ・ザヴァッティーニ、イェジー・ステファン・スタウィニュスキーが共同脚色、ドキュメンタリー出身の新人ネロ・リージが監督した戦時下の悲劇。

撮影は「奇跡の丘」のトニーノ・デリ・コリ、音楽は新人イヴァン・バンドールが担当した。

出演は「ドクトル・ジバゴ」のジェラルディン・チャップリン、「シェルブールの雨傘」のニーノ・カステルヌオーボ、「国境は燃えている」のA・ガブリックそれに子役のフェデリコなど。

 

 

 

…本稿も作品の内容に関する解説がありませんね😅

 

 

これでは内容がさっぱり分からないと思いますので、もう少しだけ詳しく解説させて頂くと、本作の主人公は第二次世界大戦下でドイツに占領されていたユーゴスラビア(現ユーゴ)の郊外の村に住んでいる若い娘レンカと盲目の弟ミーシャの姉弟。

 

親のいない家で暮らすレンカとミーシャ。

 

 

父子家庭だったレンカとミーシャでしたが、学校の教師をしていた2人の父親はユダヤ人だったために収容所送りとなっており、父が帰る日を心待ちにしていたレンカでしたが、ある日ドイツの占領軍の将校から、父親が死亡したと伝えられてしまいます。

 

父親が死んだという報告に取り乱し

将校に喰ってかかるレンカ。

 

 

レンカたちの父の死は、あっという間に村中に知れ渡りますが、まだ幼く目も見えないミーシャに父が死んだことを伝えられないレンカは、ミーシャの前では何事もなかったように振る舞い続けます。

 

街はユダヤ人迫害に打溢れていますが

目の見えないミーシャには

イヤな世界を教えたくありません…

 

 

そんなレンカの恋人は、レジスタンスとなってドイツ軍にゲリラ戦を挑んでいるユダヤ人青年のイヴァン。

 

森の中を拠点としているイヴァンに会って父親の死を伝えたですが、イヴァンはレンカと一緒に森の中で廃墟となっていた幼稚園に行き、戦争が終わったら一緒にここで暮らそうと慰めてくれたのです😊

 

2人が昔通っていた幼稚園ですか、

ドイツ軍に荒らされて廃墟に…

戦争が終わったらここで暮らそうよ!

 

 

大きな悲しみの後に訪れる小さな幸せ!

 

これが人生ですね😊

 

 

 

ですがこの後、死んだはずの父親が収容所から脱走して帰って来た事で、レンカとミーシャの人生は、更に翻弄される事となるのです!!

 

 

 

さて、ドイツ軍に見つからないよう父親を匿って暮らすレンカたちに、果たして幸せな結末は待っていたのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

ある日、死んだはずの父が帰って来ました!

父が生還したのは嬉しい事ですが

ドイツ軍に見つからないよう

父をかくまうのは、危険を伴う行為でした…

 
果たしてレンカとミーシャに
幸福は訪れるのでしょうか?
 
 

 

【私の感想】 運命に翻弄される戦時下の子供たち

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はレンカやミーシャが1つ幸せを手に入れた直後に5つの不幸に見舞われるような、運命に翻弄される子供の無常が描かれた作品!

 

 

レンカとミーシャは、文句が付けられいような善良な子供ですが、戦時下のユーゴスラビアでは、善良な子供だから幸福になれる訳でなく、彼らは自身が何も悪い事をしていないにも関わらず、村の中で次第に追い詰められていきます。

 

ドイツに迫害されていたジプシーは

見世物をしていただけて追い出されます。

 

そんなジプシー以上に厳しい迫害を受けた

ユダヤ人は、葬式さえ問題視されるのです…

 

 

 

そう。

 

 

国家が占領されてしまうと、何も悪い事をしていない善良な子供たちも、容赦ない迫害を受ける事となるのです…

 

村のガチョウを勝手に持ち去るドイツ軍の兵士!

何もできない子供たちは見守るだけ…

 

 

 

私見ですがそんな本作はレンカとミーシャの悲劇だけでなく、他国に占領された国に待っている残酷な現実を知る事ができるリアリティに満ちた作品!

 

主役のレンカを演じたジェラルディン・チャップリンが、ナチスを激しく憎んでいたチャールズ・チャップリンの娘である事からも、本作は、抑圧的な占領者の恐ろしさを描いた作品である事がご理解頂けるのではないかと思います。

 

占領の先に待っているのは蹂躙なのです…

 

 

ユダヤ人のレンカとミーシャに待っていた切ないラストは、今、世界で起こっている侵略戦争の後に待っているでろう悲劇と、何ら変わらないのではないかと思います…

 

懸命に生きたレンカとミーシャ。

ですが占領されたユーゴスラビアでは

彼らを幸福にしたいと考えなかったのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

憧れと恋心と傷心と

というテーマで

 

禁じられた恋の島

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品!
「トト・ザ・ヒーロー」

 

幸福になるはずだった自分の人生を台無しにしたかつての隣人だったアルフレッドに復讐するために、老人トマは、ピストルを片手に介護施設を抜け出します。

 

トマという自分の名前嫌がり、勝手にトトと名乗り、将来はヒーローを夢見ていたトマ老人は、果たしてトト・ザ・ヒーローになれたのでしょうか?

 

自分が幸福だったかどうかは、人生の終わりにならないと見えてこないものなのかもしれません…