こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とビヨンド自己実現!というテーマで
ハイライズ(2016)
(原題 HIGH-RISE)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★ビヨンド自己実現!とは?
自己実現とは、別名「マズローの欲求5段階説」とも言われている"人間は豊かになってゆくステップで、欲しいものの質が変わってゆく"という考え方!
5段階目に到達すると「自己実現の欲求(自分が望んだような人生を送りたい!)」という欲求に至るようです。
本シリーズは、映画の中で描かれいる自己実現に至った人々は、どんな行動をしているのかを検証してみようといシリーズです。
さて、自己実現は人生に幸福をもたらすものなのでしょうか?
本作は2016年に作られたイギリスのSF映画!
ただしSF映画といっても科学的な内容の作品ではなく、人間の心理を描いた難解な作品となっており、公開当時「ハリウッド・レポーター」という情報誌に「野心的で素晴らしい失敗作」と評されたしまった作品
ですが、本作の原作小説の著者であるJ・G・バラード氏の作風が、散文詩的で難解な内容となっていますので、難解な原作を難解な映画にした事をもって失敗作だと言うのは、いかがなものかと思います😟
そんな本作は、特定の人の心に刺さるように作られた"観る人を選ぶ作品"!!
もし皆さんが、高額の高級マンションに住まわれているなら、本作をご覧になる際には十分ご留意頂ければと思います。
↑夢のタワマンでウキウキライフ!?
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
![むかっ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/034.gif)
![むかっ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/034.gif)
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作では、様々な意味あり気なエピソードが回収される事なく映画が終わってしまうため「あのシーンは何だったの!?」と観終わった後で消化不良感を感じるに可能性がある作品。
ですがこの消化不良感は、デビッド・リンチ監督作品などでも見受けられる「観客の意識下に作品の断片を残るようにしておく」というトリッキーな手法であると考えられます。
そう。
人は、良く分からないものを観ると、いつまでもその事を記憶しているもの!!
私見ですがそんな本作は、多くの意味ありげなシーンが記憶に残るからこそ、タワーマンション内で住人たちが対立するという普遍的な問題も、観客の記憶に残り続けるよう仕組まれた問題提起型の作品だと考えるのですが、皆様はどう思われますでしょうか?
↑異様なシーンが記憶される事で
マンション内の対立という本作のテーマも
観客の心に記憶されるのでは?
ちなみに、秩序が崩壊してゆく中で、正常なままでいられたのはドクター・ラングと、彼の部屋の上階に住む少年の二人だけ。
彼らの共通点は、孤独を好み、周囲の出来事に関心を示さないという事!!
ですのでJ・G・バラード氏は恐らく喝破していたのです。
大都会で他者に憎しみを持たずに平然と生きていけるのは、人間性が欠如した孤独な人間だけだという事に…
↑上層階とも下層階とも付き合う事ができる
ドクター・ラングですが
彼は親友もいませんし私生活もありません!
タワーマンションで他者とトラブルを感じないのは
そんなタイプの人ではないでしょうか…
という訳で次回は
自己実現で殺し合い!
というテーマで
昭和歌謡大全
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たいオーストリア辺境の映画
「スノーピアサー」
「ハイ・ライズ」が階層を縦に分断した社会なら、本作は階層を横に分断した作品!
地球崩壊後も走り続けている世界縦断高速列車は、貧富によって車両が分断されていました!
そんな階級世界を打破しようと考えた怒れる最下層の男は、最上位層の人々が動かしている機関車の操縦室に向かって行ったのです…