こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑮というテーマで

 

さよならをもう一度(1961)

(原題:GOODBYE AGAIN)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★発掘良品の発掘とは?

 

発掘良品とは、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

 

 

アンソニー・パーキンス出演作品!

 

本作は、あの「サイコ」でノーマン・ベイツというシリアルキラーを演じた事で一躍有名となった俳優さんが出演している作品。

 

↑ベイツ・モーテルの主人ノーマン・ベイツと言えば

 「サイコな男」の代名詞ですね汗

 

 

本作は恋愛映画なのですが、恋愛映画にノーマン・ベイツと同じ顔をキャラが登場すると、なんとなく不安になってしまいますよね汗

 

↑あっ。ノーマン・ベイツが笑ってる(みたい)!

 

 

本作は、そんなアンソニー・パーキンスを配役する事で起こる観客の深層心理をも利用した、残酷なラストが用意されている"よくある恋愛映画"なのです…

 

↑あっ。ノーマン・ベイツが運転してる(みたい)あせる

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「旅」のアナトール・リトヴァクが監督・製作した恋愛心理ドラマ。

フランソワーズ・サガンの原作をサム・テイラーが脚色した。

撮影はアルマン・ティラール。音楽はジョルジュ・オーリック。出演するのはイヴ・モンタン、イングリッド・バーグマン、アンソニー・パーキンスなど。

 

 

 

はい。

 

サラッと解説されていますが、本作は「恋愛映画」ではなく「恋愛心理ドラマ」

 

 
主人公のポーラは、パリでインテリアデザイナーの仕事をしている独身女性。
 
かつて結婚をしていたポーラですが、離婚経験で苦い思いを経験したため、もう二度と結婚はしないと決め、今の恋愛相手は、同じく結婚に否定的な考えを持っているトラック販売会社の重役のロジェ!
 
 
 
交際歴5年のロジェとの恋愛は、ボーラにとって心地よいもの。
 
ポーラの仕事を敬意を払い、常に愛していると囁いてくれるロジェは、ポーラの最大の理解者であり続けてくれていました😊
 
↑逢うたびに高級レストランで食事をして
 楽しい時間を過ごすポーラとロジェ。
 
 

ただしロジェの唯一の欠点は、他の女性にも好奇の目を向ける事。

 

二人はあらかじめ結婚をしない関係でいる事を約束していましたので、ボーラと別行動をしている時、ロジェが誰と付き合おうと、文句を言われる筋合いはありませんが、そんなロジェの性癖を薄々気づいているポーラは、ロジェとのデートの約束が突然キャンセルになった時は、なんとなく心がソワソワしてしまうのです…

 

↑ポーラを家まで送った帰り道。

 美人を見つけたロジェは速攻で物色開始!!

 ロジェは結婚しない人生を楽しんでいましたが…

 

↑ポーラはなんとなく心に虚ろなものを

 感じながら暮らしていました。

 

 

ですがそんなある日ポーラは、仕事を依頼された裕福なアメリカ人女性の家で、彼女に一目惚れしてしたフィリップという青年と出会います。

 

夫人の息子であるフィリップは、母親のツテで弁護士事務所に勤めていましたが、仕事に対しては情熱をもてないサボりの常習犯!

 

 

けれど、フィリップのポーラに対する愛は本物で、彼はあらゆる機会を作ってポーラに接近し、かなりの年の差をものともせず、自分と結婚して欲しいと懇願して来たのです!!

 

↑夫人の家で会ったその日から、

 盲目的にポーラに求愛し始めたフィリップ!

 「ポーラさん、家までお送りします😆」

 

 

 

さて、ポーラとの結婚を考えないロジェとの大人の関係と、年齢的にも精神的にも幼いけれど、ポーラとの結婚を望むフィリップとの間で、ポーラは2人とどのような関係となってゆくのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑偶然クラブでポーラと再会したフィリップは

 ロジェがいるのを無視してポーラに甘え

 ロジェをあきれさせますが、

 ポーラはなんとなく、フィリップをカワイイと

 思うようになっていったのです…

 

 

 

【私の感想】 とても解説できないラスト

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は男性には絶対に語る事がない、女性の心の奥底を垣間見るような作品。

 

 

結婚しない関係である事を宣言していたはずのポーラですが、彼女は次第に、理想の関係を構築していたはずのロジェよりも、情緒不安定で仕事もキチンとできない男であるにも関わらず、ポーラへの一途な愛を貫く結婚願望の強いフィリップに好意を抱いていくのです…

 

↑フィリップは仕事をサボってポーラに会いに!

 ノーマン・ベイツを知ってる私たちは

 フィリップの行動に不穏なものを感じますが

 自分を愛してくれるフィリップに

 ポーラはどんどん惹かれて行きます!

 

 

 

そう。

 

本作は、ポーラの心の中の隠している本音を、身もふたもなく暴いてゆく残酷な恋愛映画!

 

 

かつて離婚したポーラは、結婚しなくないのではなく、結婚後に自分を裏切る人間と結婚したくなかっただけだったのです!!

 

↑そうだ!私は結婚したくないのではなく

 私を裏切る人と結婚したくなかったんだ!!

 という事はロジェは私にとって汗

 

 

けれど、この事を描いてしまうのは、同じような気持ちで生きている女性のプライドをズタズタにしてしまう残酷な展開なのではないでしょうか?

 

 

尚、本作の原作を書かれたのは、男性には絶対に見せない女性の虚栄心を描いた「悲しみよこんにちは」のフランソワーズ・サガン氏!!

 

↑「悲しみよこんにちは」も男性には絶対語らない

 女性の本音が描かれた作品です…

 

 

 

ちなみに本作のラストは、男性である私は絶対に解説してはいけないような残酷な展開!!

 

私見ですが、本作のラストをご覧になった際、胸に針を刺されたような痛みを感じる女性の方もいらっしゃるのではないかと考えるのですが、皆様はどう思われますでしょうか?

 

↑結婚しない関係の2人の生活が

 クロスオーバーするシーン。

 これってポーラがホントに望んでた関係??

 

 この残酷な現実を見せる本作は

 恋愛ホラーともいうべき作品なのです。

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

痴愚礼賛

というテーマで

 

カスパー・ハウザーの謎

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品!
「狩人の夜」

 

金の匂いを嗅ぎつけたシリアルキラーのニセ伝道師が、金の在り処を知る子供に近づくために、未亡人と結婚して、義父となって子供に近づきいてきます!

本作もまた、悲しい女性の心理を描いた絶望的に恐ろしい暗黒童話なのです汗