こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑭というテーマで

 

サム・ペキンパー 情熱と美学(2005)

(原題:PASSION & POETRY: THE BALLAD OF SAM PECKINPAH)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

↑今月のラインナップの詳細はコチラ!

 

 

 

壮絶な映画と人生

 

本日ご紹介させて頂くのは、あの「ワイルド・バンチ」を撮られたサム・ペキンパー監督のドキュメンタリー!!

 

 

西部開拓時代の終焉と、滅びの美学を描いた「ワイルドバンチ」は、西部劇の金字塔の呼び声高い名作ですので「発掘」する必要もない名作ですね😆

 

↑西部劇の枠では語れない「ワイルドバンチ」は

 傑作して知られています!

 

 

ですが発掘良品におけるサム・ペキンパー監督作品は、第3弾の「戦争のはらわた」と「ガルシアの首」、そして来年解説させて頂く予定の第105弾の「キラー・エリート」の3作品がラインナップ!

 

↑これが「キラー・エリート」の撮影現場!!

 メッチャ危険な撮影を敢行するペキンパー監督は

 スタントマンを死の最前線に向かわせる男!

 

 

 

「ワイルド・バンチ」を含むこれら4作はすべて、修羅場に直面しても恐れる事なく戦火の中で斃れてゆく男たちを描いた、とてつもなくハードな"死に様映画"なのです!!!

 

↑「ワイルドバンチ」の撮影では実弾が

 飛んでいたと語るアーネスト・ボーナイン氏!

 ペキンパー監督は俳優に対して

 死の最前線に向かわせた監督だったのですあせるあせる

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

「荒野のガンマン」「ワイルドバンチ」などの徹底したバイオレンス描写から『血まみれのサム』との異名を持ち、1984年に他界したサム・ペキンパー監督の生涯に迫るドキュメンタリー作品。

独特な編集手法を用い新たな表現を求め後進に多大な影響を与えた一方、妥協を許さないその姿勢により商業主義のスタジオやプロデューサーらとの衝突を多く招いた彼の人物像を、家族やペキンパー作品の常連だったL・Q・ジョーンズをはじめとした関係者たちの証言から浮かび上がらせる。

監督はサム・ペキンパーの伝記ともいえる書籍『PASSION & POETRY SAM PECKINPAH IN PICTURES』を著した映画史家・映画製作者のマイク・シーゲル。

 

 

はい。

 

解説もある通り、サム・ペキンパー監督は、妥協を許さない姿勢で映画を撮られていた監督!

 

 

トレードマークはバンダナ!!

 

まるで最前線の兵士のように撮影現場で怒鳴りまくるサム・ペキンパー監督ですが、彼は実際に第二次世界大戦で最前線に立っていた海兵隊出身の映画監督!!!

 

↑海兵隊として太平洋戦争に参加していたペキンパー監督!

 

 

そんな彼は、ペキンパー山と呼ばれる山を所有し自分の土地は自分たちで守る生き方をしてきた、誇り高きドイツ系移民の子孫!!

 

↑自分の山を守る使命を帯びたペキンパー一族!

 

 

幼い頃から、守るべきもののために戦う誇りを学び、本当の戦場で人間の生き死にを観て来た、職人気質のドイツ系男子のサム・ペキンパー監督は、映画界に入ってからも、彼の人生で学んできた姿勢を崩さず、自分にしか撮る事ができない"死に様映画"を撮り続ける事となるのです…

 

↑ペキンパー監督作品の戦闘シーンは

 あまりにも生々しいので、観ている観客が

 本物の戦闘を観ているよう錯覚してしまいますあせる

 

 

 

 

さて、そんなサム・ペキンパー監督の諸作品は、一体どのように作られ評価されていったのでしょうか?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑監督というより兵士のようなペキンパー監督!

 強烈な記憶が残り続ける作品を撮った

 ペキンパー監督自身の生き様とは!?

 

 

 

アリの巣に落ちたサソリのように…

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、ペキンパー監督自身の生き様は「壮絶」の一言!!

 

自分の意に添わなければ資金を出すプロデューサーに対しても戦いを挑み、多くの女性と結婚、離婚を繰り返し、常に酒を飲み続けた末にアルコール中毒となり、それでも自分の意思を曲げなかったペキンパー監督の生き様は、破滅的であるようにも見えますが、私としては、戦場というものを観てしまい、自分が守るべき山からも去ってしまったペキンパー監督が、最後まで守りぬこうとしたのが「己の目で見た世界を映像化する」という彼自身の矜持のようなものではなかったかと思います…

 

 

 

そう。

 

人を殺す経験をした人間は、その事を向き合いながら自分の人生を歩まなければなりません。

 

 

 

 

海兵隊として戦争に従軍し、人間がみるべきではない世界を観てしまったペキンパー監督は、そんな無常で、無慈悲で、恐ろしい人間同士の争いの世界を映像化する事で、彼にしかできない仕事をやり遂げようとしたのではないかと思います…。

 

生前ペキンパー監督は自分の事を、蟻塚の中に落とされたサソリのようなものだと語っていたようです。

 

 

 

いくらサソリが蟻に抵抗して大暴れを続けたとしても、やがては力尽きて蟻の餌食になってしいます。

 

けれどだからと言って黙っては死なないと腹をくくり、映画の世界で大暴れしたサム・ペキンパー監督の諸作品は、今でも私たちに生きるとはどいうい意味なのか?という強烈なメッセージを投げかけ続けてくれているのです…

 

↑サム・ペキンパー監督は1984年に59歳で逝去。

 死因は心不全だったそうです…

 

↑彼は蟻の餌食となったサソリだったのでしょうか?

 

↑いいえ。そんな事はありません。

 彼の魂は、いつまでも私たちの胸の中に…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

バンド・デシネ・シネマ

というテーマで

 

ファンタスティック・プラネット

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★
併せて観たい発掘良品!
「ガルシアの首」

 

死人の首を切り落としてマフィアに届ければ大金が手に入る!?
 

長年の夢を実現するために、恋人一緒に死人の首狩りに旅立った男に何が待ち受けていたのでしょう?

 

覆水は盆に返らず。

愚かな欲のために失ってしまった幸福な日々は、もう二度と戻らないのです…