こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と発掘良品の発掘⑭というテーマで
ダーク・スター(1974)
(原題:DARK STAR)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★発掘良品の発掘とは?
本作と次回ご紹介予定の「要塞警察(1976年)」は、「遊星からの物体X」、「ザ・フォッグ」、「ゼイリブ」、「ニューヨーク1997」といった、80~90年代のホラー、SF映画の傑作を多数製作されたジョン・カーペンター監督の最初期の作品!!
彼の作品の特徴とも言える"ほの暗い場所が舞台"の2作ですが、本作の舞台は大宇宙で、要塞警察の舞台は荒廃した都市!
↑「ダーク・スター」の舞台はほの暗い宇宙!
↑「要塞警察」は舞台はほの暗い夜の警察分署です!
広大無辺の宇宙であっても、人通りの絶えた都市の一角であっても、カーペンター監督の手にかかれば、暗闇は何かが起こるスリリングな場所となってゆくのです…
↑カーペンター監督のほの暗い映画①「ハロウィン」
↑カーペンター監督のほの暗い映画②「遊星からの物体X」
↑カーペンター監督のほの暗い映画③「パラダイム」
↑カーペンター監督のほの暗い映画④「ザ・フォッグ」
…他、ほの暗い作品多数!!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
ん?
新天地を見い出す使命を担った探査船ダーク・スター号??
この解説だと、本作の内容とちょっと違っているので、もう少し詳しく解説させて頂くと、ダーク・スター号の任務は、人間が移住する事が可能な星域を見つける事と、もしその星域に不安定な惑星を発見した場合、爆弾を使って破壊する事の2つ!
人類の命運を担うような任務を担って外宇宙へと旅立ったダーク・スター号でしたが、光速航行で進んだ結果、地球との時間差が開いてしまい、乗組員たちが4年間乗船している間に、地球では20年の月日が経ってしまっていました
そんなダーク・スター号の乗組員は4名!
少し前に船長が事後で死亡してしまい、乗組員たちだけで航行していたダーク・スター号ですが、残った4名の乗組員には目的を遂行するモラルが欠如していたために、船内の雰囲気はグダグダ
↑食糧庫をタコ部屋にして寝泊まりする乗組員たち!
居住可能な惑星を見つけても知的生命体に出会えた事がなかった乗組員たちは、新しい惑星を探索する気概を失っており、積極的に遂行する任務は不安定な星の爆破ばかり!
爆破方法は、コンピュータの指示に従って惑星の上空から巨大爆弾を投下した後、安全圏までワープで逃走するという単純なお仕事!
投下する巨大爆弾にもAIが搭載されていますので、乗組員たちは爆弾に起爆時間ょーを直接質問する事ができますので、ヒューマンエラーも起こり得ません😊
↑爆弾を投下して離脱すれば任務完了!
ところが航行中に磁気嵐に遭遇したダーク・スター号は、機体と爆弾を切り離すためのレーザー装置に故障が発生!
爆弾が切り離せなくなってしまったにも関わらず、乗組員たちはその警告に気づかず相変わらずグダグダな日々を過ごしていたのです…
↑ワープ直後にレーザーの格納扉が破損!
警告メッセージが表示されましたが乗組員は気づきません
さて、絶体絶命の状況に陥ったダーク・スター号は、一体どうなってしまうのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑次に爆弾投下を命じても爆弾は船から切り離せず
船を道連れに爆発してしまうのですが
乗組員たちは何も気づいていなかったのでした…
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作はコーエン兄弟の「ファーゴ」や「ビッグリボウスキ」に似たオフ・ビートなサスペンス・コメディ!!
ダーク・スター号自体に危機が迫っている事を知らない乗組員たちは、宇宙空間を鑑賞するのに没頭していたり、飼っていたエイリアンが部屋から脱走したのを追跡したりと、平穏な日常を謳歌してながら船内での日々を過ごしています。
↑飼育室から逃走したエイリアンを捕まえろ!!
…小さい頃は、かわいかったんだけどな~
そんな彼等はまるで、平穏な日常を日々過ごしている私たちのよう!!
そう。
本作で描かれているのは、大宇宙の片隅で行われている極めて日常的な光景なのです!!
ですが皆様もご存知の通り、平穏な日常というのは、ある日突然終わり告げるもの!!
爆弾が切り離せない事に気づいた乗組員たちは、今までのグダグダが嘘のように慌てふためきますが、それは有事が起こった際の私たちも同じ事!!
絶望的な状況において交わされる会話も、解決策も、そしてラストへの展開も、全くヒロイックではない本作は、有事に備える事が出来ない我々私たちの愚かさと哀しさを見ているような気持ちにもなって来るような気がします。
ほの暗い宇宙を旅するダーク・スター号でも、70億人の人間が暮らす地球でも、人類の終わりは悲しくも滑稽なものなのではないでしょう
…
↑危機に対応できない私たちが最後に頼るのは
自分を超えた叡智を持つ存在!!
果たして乗組員たちが最後にすがったのは
一体、何だったのでしょうか?
そして私たちは本当にピンチの時、
何にすがる事になるのでしょうか…
という訳で次回は
襲撃者たちの夜!
というテーマで
要塞警察
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい発掘良品!
「ギャラクシー・クエスト」
昔ヒットしたSFドラマの役をじ続けていた負け犬の俳優たちは、彼らを心から信じる人たちと出会った事で、ヒーローを演じなくてはならなくなってしまいます!
絶体絶命の負け犬俳優たちが辿り着いた境地とは!?
本作とは別の人間の可能性を描いた、平凡に生きている私たちが勇気づけられる作品だと思います😊