こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日もグラインドハウス今昔物語というテーマで

 

H・P・ラヴクラフトのダニッチ・ホラー(2006)

 

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★グラインドハウス今昔物語とは?

今月は、2020年10月に開催させて頂いた"想像力とおうちでグラインドハウス"の続編。

かつてホラーやサスペンスなどのB級作品を好んで公開していたグラインドハウスと呼ばれていいた映画館で人気を博していたような作品の過去と現在というテーマで、グラインド・ハウス系映画の新旧比較をお送りさせて頂いております🎃👻💀😆

 

 

 

クトゥルー神話作品5選②

 

本作は、前回ご紹介させて頂いた「H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪」と同じ原作を人形を使って映像作品にしたもの!

 

前作の「ダンウィッチの怪」は、邪悪な企みを胸に秘めたウィルバーか暗躍する話でしたが、本作では物語の冒頭でウィルバーは既に死んでしまっています!

 

 

ええっ?

 

同じ話なのに、全然違う展開!?

 

 

 

はい。

 

原作に忠実に作品化されているのは、ウィルバーが死んでいる本作の方なのです!!

 

↑アーカムの図書館で死んでいたウィルバー!

 本作は、ウィルバーの死から始まる恐怖の物語です…

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説がございませんので、allcinemaさんのデータベースによる本作の解説は以下の通り。

 

世界的な幻想作家ラヴクラフトの諸作を原作とする劇場用のオムニバスアニメ。アート的な表現方法を試みる東映アニメーションの新技法「画ニメ」の一作として発表された。

物語の舞台はマサチューセッツ州。ある夜、図書館でアーミティッジ博士は怪物の死体を発見する。
だがそれは番犬に食い千切られた男ウィルバー・ウェイトリーの遺体であった。

なぜ彼は番犬に食い千切られたのか?
彼が図書館で度々閲覧を申し込んだ暗黒の書「ネクロノミコン」と何らかの関わりがあるのだろうか?
そんな彼の遺したメモには「魔物を呼び寄せ、地球上のすべてのものを一掃する」という怪異な一文が……。

なお本作は、この第2話「ダニッチ・ホラー」を含む全3話で構成。

ミッキー・カーチスや遠藤憲一、そして柄本祐ら、俳優陣が各話の声優を務めている。

 

おおっ!
 
メチャクチャ詳しくて分かりやすい解説ですね😆😆😖

 

 

解説にある通り本作は、人形を用いて作られたアート的な表現の映像作品!!

 

普通、人形を使った映像と言えば、マペットやストップモーションアニメではないかと思いますが、本作は人形を動かすのではなく、人形に効果的な光を当てたり不気味なBGMを加える事によって、人形の不気味さを120%引き出しているホラー作品!

 

↑人形が動くのではなく、カメラワークや色彩や

 効果音などで不気味さを引き出します!

 

 

収録されている3つの作品は、いずれも怪異の正体がハッキリとは分からないけれど不気味な空気が全編を覆っている怪談のような作品!

 

 

第1話「家の中の絵」は、ボストンからアーカムに向かっていた旅人が、旅の途中で立ち寄った民家で出会った老人の話。

 

無人のような家に立ち寄った男は、テーブルに会った「コンゴ王国」という古い探検記に目を通しますが、そこには人間を刀で捌いている人間の挿絵が!!

 

↑古文書のような「コンゴ王国」。

 

↑本には斧で人体をバラバラにしている挿絵!

 

↑その挿絵が大好きで毎日眺めているという

 その家に住む老人との会話は、

 一体どんな顛末を迎えるのでしょうか…

 

 

第3話の「フェスティヴァル(魔宴/祝祭)」は、100年に一度の一族の祝祭のためにキングスポートという町を訪れた青年が、真夜中の教会の地下堂で、想像を絶するフェスティヴァルを体験する怪奇譚!

 

↑陰気な街キングスポートの住人たちが

 100年に一度、真夜中の教会で行う祝祭に

 参加した青年が見たものとは…

 

 

そして第2話の「ダニッチの怪」は、アーカムにあるミスカトニック大学の図書館内で死亡していたウィルバー・ウェイトリーの手記を、アーミテッジ博士が読み解いて行くという物語。

 

彼の遺した手記にし、ウェイトリー家の禍々しい秘密が記されていました。

 

ダニッチ村の人間が誰も知らないウィルバーの父親は誰なのか?

 

若い頃から黒魔術に傾倒していたウィルバーの母親は、彼女の父(ウィルバーの祖父)と共に何をしたのか?

 

ウィルバーが生まれた後に、ウェイトリー家で飼われていた牛は、出荷される事なく死に続けたのは何故なのか?

 

そして異常な速さで成長し、2mの長身に成長したウェイトリーは、なぜアーカムにあるミスカトニック大学の蔵書である「ネクロノミコン」を研究?

 

どの疑問にも、ハッキリとした答えは明示されませんが、クトゥルー神話の定石ご存知の方でしたら、既に気が付かれていると思います!

 

ウィルバー・ウェイトリーは何か禍々しい事を実行しようとしていた!という事に…

 

↑真夜中に図書館でネクロノミコンを読んでいた時に

 番犬に嚙み殺されてしまったウィルバー!

 

 

 

さて、アーミテッジ博士たちが調査に向かったダニッチ村では、一体何が起こっていたのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

↑村の周辺では、何かによって攻撃され

 残骸となった沢山の車!

 事態は一刻の猶予も許せない状況ですあせる

 

 

 

グラインドハウス今昔夜話 "人類の手に余る恐怖"

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、クトゥルー神話の恐怖の真髄は、人類が太刀打ちできない存在と対峙する事となる恐怖!!

 

 

火山の噴火や、大津波や、大地震のような災厄は、人間のチカラで終息させる事が不可能なのと同様、クトゥルー神話の忌まわしい存在は、一度出現させてしまうと、人類の手で事態を収束させる事はほぼ不可能であり、人々は恐怖におびえながら最後の時を迎える事となるのです。

 

 

 

そう。

 

人類が世界の全てを制御できると考えるのは、思い上がった幻想に過ぎないのです。

 

↑本作で起こった出来事は、ウェイトリー家が

 個人的に起こしたものでしたが

 その結末は、ダニッチの村人全員の、そして恐らく

 人類全員の存亡に関わるものだったのです…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

智恵者ランドルフ・カーター

というテーマで

 

ヘルダミアン/悪霊少女の棲む館

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

 

★おまけ★

併せて観たいグラインドハウス系映画
「残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-」

 

人類が手に負えない怪異として、土地に残っている禍々しい記憶を描いた本作は、クトゥルー神話とはまた別の"人類が制御する事ができない恐怖"を描いています。

 

ほら、この映画の話をしてしまったあなたの今いる場所も昔は…