こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力とあの映画というテーマで
悪童日記(2013)
(原題:A NAGY FÜZET)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
本作は、第二次世界大戦末期のハンガリーの辺境を舞台にしたショッキングな作品!!
第二次世界大戦勃発後に、ドイツの影響下に置かれる事となったハンガリーは、国内で政権争いが頻発した結果、最後にはソビエト連邦に占領されてしまった悲劇の国家。
国を信じてドイツ軍と共同歩調を取ったハンガリーの兵士たちは、独ソ戦で敗北して多くの死者を出しただけでなく、ソビエトに占領された事で、自国の中での逃げ場さえ失って行ったのです
本シリーズでは、共産体制下に入ったハンガリーから必死で脱出した家族の映画として「アメリカン・ラプソディー」という作品を紹介させて頂いておりますが、本作は、彼等が命懸けで脱出しようとしたハンガリーが誕生した時期を描いた作品となっているのです…
↑「アメリカン・ラブソディ」で描かれたハンガリーは
一体どうやって生まれたのでしょう?
↑本作は、ハンガリーがソ連の衛生国となっていく
過程の時代に生まれた双子の日記の映画なのです!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。
彼等が疎開先で会った祖母は、夫を毒殺したのではないかと噂されている“魔女”というあだ名の冷酷な老婆!
自分の娘をメス犬と呼ぶ老婆は、双子の事をメス犬の子と呼び、まるで奴隷のように扱います。
↑「なんで私がメス犬の子を預からなきゃならないの!」
はじめて出会った祖母は、冷酷な人でした…
双子は、そんな祖母の元で暮らしていくために必死て働きますが、祖母は自分の気分次第で、双子たちに暴力を振るので、彼等は「暴力に耐えられる精神と体力」を養う大切さを学ぶ事にするのです!
↑常にメス犬の子と罵倒し、暴力を振るう祖母!
「そうだ。暴力に耐える体と心を作ろう」
↑「このメス犬の子!」「この役立たず!!」
言葉と暴力の痛みに耐える事を学ぶ双子
さて、緊迫した状況となってゆくハンガリーの片隅で、双子たちは一体何を体験し、何を学び、何を日記に書き記していったのでしょうか?
それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。
↑痛みに耐える事を学んだ双子が
身に着けたのは威嚇と威圧!
痛みを感じないと、相手は動揺する!!
本作の原題の「A NAGY FÜZET」はハンガリー語で「偉大なノート(または大きなノート)」という意味。
双子の少年たちは、フランスとの国境近くのハンガリーの村で、日々、緊迫してゆくハンガリー国内の状況下で、学ぶ事を見つけて、二人で成長していきますが、それは健全な教育というより、生き抜くための処世術のようなもの!!
↑村人たちが空爆が怖ってるいのは
「空を見るから」と「音を聞くから」!
ならば空を見ず、耳をふさいで生きて行こう!
ハンガリーという国家が、ジワジワと破滅してゆく状況下において、双子が学んだ事というのは、悲惨な運命を嘆いたり、呪ったりする事ではなく、そんな状況に適合できるように、自ら人間らしい心を殺してゆくという行為だったのです!
↑冬になり、初めて死体を見て動揺する双子。
次は、死体を見ても動じない心を育てよう!!!
↑「母さんはどうして手紙だけで迎えに来ない?」
「そりゃあアイツがメス犬で、次の男といるからだ!」
↑…ならば次は母と決別する訓練だ!
もう、あのメス犬がいなくても悲しまない!!
そう。
極限状態下の子供は、生き残るために、残酷さも非道さも学びとして受け入れ、その結果として人間らしい心を封印していく事となるのです…
↑学べ!学べ!生きるためには
今の状況に耐える心を鍛えてゆく事なんだ!
本作は、平和な今の日本では、あまり共感してもらえない作品かもしれませんが、世界には今も、他の民族を強制的に労働に従事させるような圧政国家も存在しますので、そんな世界で生きている子供たちが、どのような心境になってゆくのかを理解するためにも、人生で一度は観ておいて損はない作品ではないかと思います。
↑本作の双子は悪童ではなく、冷酷でもありません。
子供は置かれた境遇によって、どう行動すれば
生き残れるのかを学んでゆくのです…
という訳で次回は
AIと二人三脚!
というテーマで
アップグレード
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆